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浦原に全力で抱きしめられ、一瞬息が詰まる。
長く伸びた耳が、彼の無造作に跳ねた襟足に当たり、あまりの擽ったさに思わず身を捩った。
「ひ、えっ…!」
「どしたんっスか、これ。
耳、本物っスか?無茶苦茶ふかふかしてません?」
新しい玩具か、ペットを買ってもらった子供のように目をキラキラ輝かせている浦原。
悪意がない分、なんだか余計にタチが悪い。
「ほ、本物、です!ちょっと、義骸に入らせて下さいってば!」
死神の霊体のまま確かめられるのは、なんだか嫌だった。
もしかしたら義骸にもう一度入れば生えないかもしれない。
そんな淡い期待を抱きながら義骸に入る。
ぴょこっ
可愛らしい効果音がつきそうな勢いで、耳が髪の隙間から生えてきた。
余談だが尻にも違和感がある。絶対に尻尾があるパターンだ。
「ノォォォ!やっぱり生えた!淡い期待を持った私が馬鹿だった!」
「義骸に戻りましたし、これでもう全力で愛でていいんっスよね!?」
「ダメですってば!」
四つん這いになって逃げようとする名無しの背中から、覆いかぶさるように浦原が抱きしめる。
左腕で身体をガッチリホールドされ、右手で耳のふわふわ具合を確かめるように撫で回された。
「いやぁ、見た目が可愛らしいのは勿論っスけど、手触りが最高っスねぇ」
「ひ、やぁっ!う、浦原さん!耳元で喋らないでください…!」
息がかかる度にぞわりと背中が粟立つ。
思わず生えている獣耳がぴん、とそそり立つのが嫌でもわかった。これは生理現象だ、不可抗力だ。
「こっちのうさぎの耳も感じちゃうんっスか?」
わざとだろう。
そよ風のような息を吹き掛けてくる。そうでなくとも耳自体弱いのに、分かってやっている辺り本当に性格が悪い。
「あ…っ!や、ダメです、ってば…!」
擽ったいような、はたまた別の何かか。
ゾクリと背筋を捩るような感覚に、身体が思わず強ばった。
血が上ったように顔が火照る。すごく、熱い。
「ここは毛が生えてないんっスね」
首筋に唇をひとつひとつ落としていく浦原。
耳がダメとは言ったが首筋はいいと言った覚えもない。
柔らかい唇の感触と、時々チクリとはしる痛み。
やんわりと犬歯を立てられれば、痛覚と快感の間をふわふわした感覚に陥った。
情けない声を出さまいと口を固く噤めば、唇を割って指を捻りこまれる。
きちんと爪は切られている。そういう身だしなみはマメらしい。
歯を立てるのが忍びない、と思った時点で名無しの負けは確定していた。
我慢していたあられもない甘い声が唇から零れる。
「ふ、あ…っ」
「服、邪魔っスねぇ」
そう言いながらファスナーを元々下ろしていたパーカーをいとも簡単に脱がし、遠くへ放り投げられる。
中に着ていたTシャツもたくし上げられれば、淡い色のブラホックが出てきた。
手馴れた手つきで片手で外す浦原。勝手知ったる家の鍵を開けるように、それはとても呆気なかった。
「おや?名無しサン、まだ触ってないのに立ってるじゃないっスか」
力が完全に抜けてしまった、体を抱えていた腕を緩め、左手で無遠慮に胸を揉む浦原。
やわやわと触るいやらしい指先は、そこを触るのが当たり前かのように固くなった突起を触った。
そんなこと言われくても分かっていた。
誰のせいだと言いたいが、現在口から漏れるのは言葉にならない甘い声ばかり。
恥ずかしいやら、情けないやら、気持ちいいやら。
ぐちゃぐちゃになった感情を一言では言えるはずもなく、反論すら出来ない状況だ。
僅かな抵抗として、涙目になってしまった目で浦原を軽く睨む。
「そんな顔、煽るだけっスよ。ね?」
「ふあっ!ん、むっ…あふ、あ…っ」
キュッと摘むように指先で挟まれれば、腰が跳ねた。
捏ねたり、軽く爪を立てたり、はたまた触れるか触れないかのこそばゆい触り方をしてくる。
徐々に頭の芯がぼんやりしてくるのに、快楽の感覚だけは妙に鮮明だった。
口内を犯していた指を引き抜けば、名無しの唾液でしとどに濡れた指でもう片方の胸に触れる。
乾いた指で触る感覚とは別物で、まるで舌で弄ばれているようだった。
ぬるりとした指先が不快なのか快感なのか。名無しにはもう分からなかった。
「あっ、やぁ…!むね、ばっか…、」
「他のとこも欲しいんっスか?」
与えられた快楽で弱々しく垂れたウサギの耳を食む浦原。
くたびれてるはずなのに、触覚だけは一倍敏感になっていた。
不意打ちの快楽に目を見開く名無し。
小さく声を上げると、息を呑むようにぐっと嬌声を押し殺した。
それでも身体は正直で、大きくひと跳ねした後くたりと力が抜けた。
短距離走を走った後のように、短い呼吸を繰り返す。
とろりと溶けた眼を覗き込む浦原。
あまりの恥ずかしさに、無駄な抵抗かもしれないが名無しは目を固く瞑った。
「もしかしてイっちゃいました?」
人間の耳に囁くように訊けば、面白いくらいに耳まで真っ赤になる名無し。
答えは返ってこないが、目は口ほどに物を言う…ではないが、身体は口ほどに物を言っていた。
まさか上半身しか触ってないのに達するのは浦原も予想外だったらしく、少しだけ驚いた。
しかしそれはすぐに形を潜め、楽しそうに口元が弧を描く。
「名無しサン、知ってます?」
柔らかく髪を撫でれば少しだけ警戒心を解いたのか、訝しげにこちらを見てくる瞳と視線が絡む。
悦楽に濡れた目は、言葉にできないくらい煽情的で、かなり下半身にきた。
少し意地の悪い笑みを浮かべ、いつもの人間の耳にそっと囁く。
「ウサギってすごい性欲なんっスよ」
ニヤニヤと笑いながら言えば、今までにない程に顔を赤らめる名無し。
言いたいことは伝わったのだろうが、それに更に追い打ちをかける。
「名無しサン、胸と耳だけでイっちゃうなんて、エッチっスね?」
そう言えばぷるぷると泣きそうな目で浦原を睨んでくる名無し。
加虐心を煽るその表情は、彼にとって媚薬と同等の効果を持つことを彼女は知らない。
いや、知らない方が幸せだろう。
「さてと、」
「う、ひゃっ…!」
うつ伏せていた名無しを抱き上げ、元々義骸を寝かせるために敷いていた布団に横たわらせる。
無理な体勢は彼女の腰を痛めるだろう。
苛めて辱めるのは浦原の趣味だが、痛めつける趣味はない。彼なりの配慮だ。
「はい。じゃあ脱いじゃいましょうね」
「だ、ダメです、あっ!」
部屋着のゆるゆるとしたショートパンツを下着ごと剥いでしまえば、ぐずぐずに蕩けた蜜壷と、少し濡れてしまったポンポンのような白い尻尾。
まさか耳だけではなかったのか。
誰が行ったイタズラか分からないが浦原は心底感謝した。うさ耳、うさ尻尾は最高だ。
「名無しサン、触ってないのにここ、大洪水っスけど」
「う、あ…っ!」
指先で入口を軽く解せば、奥からトロトロ溢れる愛液。
ヒクヒクと誘うように震える性器は、何度も浦原が穿っているにも関わらず生娘のような桜色だった。
あまりの恥ずかしさに顔を腕で隠し、敷布団を必死に握りしめる名無し。
くたくたになったうさ耳は投げ出されたように布団の上で草臥れていた。
「そこ、やぁ…っ!」
「なんでです?理由をちゃんと言ってくれないと、分からないっス」
理由なんて、浦原はとっくに分かっていた。
あえて聞いている。そういう男だ。
「…っ、い……」
「い?」
「っ…いっ、た…ばっかだからです、ってばぁ…!」
恥ずかしさと、制御出来ない快楽のせいか。ぽろぽろと涙を零しながら訴える名無し。
本当に浦原は性格が悪いのだ。
以前、もっと遠回しに、なるべく具体的に彼女が理由を言わないようにしていたら、ずっとハッキリと言うまで弱いところを攻め続けられたのだ。
喘ぎ声しか出なくなっているにも関わらず、『で、何がどうなってるから、ダメなんっスか?』と意地悪く訊き続けた。
あの二の舞だけは避けたくて、なるべくまだ訴えることかできる言葉を紡ぐ。
あの後、そういう時はこう言うんっスよ、と教えられた言葉は卑猥すぎて口に出すどころか、思い出すだけでも恥ずかしい。
よく浦原はあんな言葉を恥ずかしげもなく教えられるのだと、呆れ半分、恥ずかしさ半分だったのはよく覚えていた。
「じゃあ、尚更っスね」
「なっ!やめてくれるんじゃ、あ、ひゃあ、うっ!」
固くなった肉芽を指で押し潰すように転がす浦原。
秘部から溢れた液で濡れそぼった、名無しの弱いところを執拗に指で虐めた。
「やめるなんて、ボク一言も言ってないっスよ?」
「んあっ、あ!ふぁ、あ…ず、るい…!」
一度快楽に溺れた身体は、呆気なかった。
今度は肉芽を弄るだけで先程より大きく身体が跳ねる。
悲鳴のような嬌声は、名無しが必死に腕を口に押さえつけ喉の奥に閉じ込めた。
「二回目、っスね」
「ふ、あ…っ…は、はぁ…っ」
涙とじわりと滲んだ汗で張りつく名無しの前髪を、そっと浦原が指で払う。
はくはくと息を必死にする唇に、そっと口付けを落とす。
「よいしょ、と」
「へ、あ……」
布団の上で、完全に力の抜けきった名無しの体をひっくり返す。
それは出来損ないの四つん這いのような格好で、浦原に尻を突き出すような恥ずかしい格好だった。
普段は絶対にないはずの白い尻尾がぴょこりと主張している。
「や…あ……っ、うらはら、しゃ…これ、やだぁ…っ」
力の入らない身体でズリズリ逃げようとする名無しだが、本当に力が入らないらしい。
逃げるどころか、ふりふりと尻尾が揺れるだけで、浦原には誘っているようにしか見えなかった。
思わずゴクリと生唾を呑んでしまった。童貞でもあるまいし、と浦原はそっと心の中で呟く。
「ほら、名無しサンは今ウサギなんっスから…っ」
そそり勃つ雄を蜜壷に押し当て、一気に穿つ。
ひゅっと名無しが息を呑む音が耳に届く。
入口しか指で解さなかったが、中は充分過ぎるほどに濡れていた。
それは浦原の一物を離さないように絡みつき、きゅうきゅうと締め付ける。
何度も身体を重ねて、すっかり浦原の形…という訳ではなく、何度身体を重ねても中が緩むことはなかった。
むしろ身体を重ねる度に中が狭く、締めつけがキツくなってる気もした。
所謂、名器とはこのことなんだろうか。
毎度処女を抱いているようにも思うが、あっという間に濡れそぼる身体はすっかり開発済みの証拠でもあった。
他の女とかなりの数で身体を重ねてきたが、名無しのようなタイプは初めてだった。
尤も、浦原にとって身体を重ねるのは二の次で、彼女さえいれば幸せなのは紛れもない事実だった。こんな感想を抱くのも人生で初めてだ。
勿論、性欲は有り余っているから、抱きたいのは事実だ。毎日でもいい。
「相変わらず、狭いっスね…!」
奥まで呑み込むには、まだ少し時間が足りない。
粘膜がいやらしく擦れる卑猥な音を立てながら、ゆっくり腰を前後に振れば名無しからあられもない声が漏れる。
身体を支えることで精一杯の腕は、声を抑えることは出来ていなかった。
「んあっあ、あ…っ!うら、はら、しゃ…っ」
呂律の回っていない甘い声。そらすら愛おしい。
腰を掴む手で尻尾を触れば、「ひあっ!!」と声を上げ、中が一瞬だけ緩む。
その隙を見逃すはずもなく、奥まで一気に押し進める浦原。
亀頭の先が、子宮口に当たるのが分かった。
彼女の、一番弱いところ。
「ほら、尻尾触ったら奥まで来ちゃいましたよ…っ。ここ、分かるっス?」
「あ、ああっ!おく、ぐりぐりしちゃ、あ、あぁ!」
いやいやと言わんばかりに首をゆるゆる横に振る名無し。
それでも身体は正直だ。
膣内は嬉しそうにきゅうきゅうと締め付けるばかり。
そこら辺の男だとすぐ音を上げるのだろうが、浦原はそうもいかなかった。
「でも名無しサン、ここのほら、子宮口。やらしくボクの先にキスしてるっスよ…!」
吸い付くような奥に捩じ込むように押し付けると、背中を大きく逸らす名無し。
今度は喘ぎ声を我慢できるはずもなく、一際大きく声を上げた。
持っていかれそうになる中の具合は、凄いの一言に尽きた。千切れそう、とはまさにこのことか。
僅かに腰を引けば、逃すまいと絡みつく。
本人は一向に認めないが、かなりいやらしい身体だ。
浦原がそうしたのもあるが、多少の素質もある気がする。浦原からしたら願ってもないことだが。
それを彼女に伝えたら顔を真っ赤にして否定するのは分かっているから、あえて黙っている。
「うらはら、さ…っ」
涙でくしゃくしゃになった顔で、必死に振り返る名無し。
か細い涙声で呼び、汗で張り付いたTシャツと背中を見ていると、まるで無理矢理犯しているようにも見えた。
いや、全ては可愛すぎるこのうさ耳と尻尾が悪い。そういうことにしよう。
「うしろ、から…やだぁ…っ!かお、みたいよぉ…」
理性が瓦解する音が、聞こえた気がした。
一番彼女のタチが悪いところは、中々崩れない理性でも、性に対して素直じゃない性格でもなく、いやらしい身体でもなければ、これだった。
無意識のうちにこちらの理性を崩してくる。それは普段でも、行為中でも、だ。
それが浦原の我慢をいとも簡単に破壊していくことすら、彼女は気づいていない。
「…はいはい、仰せのままに、っス」
我慢が出来ないのだろう。
限界が近い浦原は手早く名無しの身体を仰向けにすると、達しすぎて蕩けきった秘部にもう一度陰茎を勢いよく押し込んだ。
「ふあっ、あああ!」
「は…っ。きっつ…」
中の圧迫感からか、甘い声が漏れる名無し。
何度も達して濡れそぼっているのに、中の締めつけはキツいままだ。どうなっているのか不思議なくらいに。
「名無しサンが、煽るからいけないんっスよ…!」
細く折れてしまいそうな腰を掴んで、浦原は腰を振った。
肌と肌がぶつかる乾いた音が部屋に木霊する。
奥へ当たる度に、名無しの口からは砂糖よりも甘い声が発せられる。
「は…っ」
思わず吐息が漏れる。
もうそろそろ、限界だった。
「うらはらさ、ん…っ、手、ぇ…っ」
必死に伸ばされる、小さな手。
本当に、この子は。
指を絡めるように握れば、嬉しそうに蕩けるような笑顔。笑顔で理性ぶっ飛ばす彼女は、本当に末恐ろしい。
「イく、っスよ、名無し…っ」
大きく一突きすれば、ビクビクと震える腰と、嬌声。
一際締め付ける中に、浦原は熱い精を奥まで注いだ。
そこで名無しは意識を完全に手放した。
***
「…この耳が悪いんっスよ」
ドロドロになった名無しの身体を、暖かい濡れタオルで拭いてやる。
甘いピロートーク…という程、お互い余裕もなく、大体名無しが意識を飛ばすまで抱き続けてしまう。
なんなら浦原は、すぐにもう一戦いけるくらいだ。
それでも彼は満足だった。ずっと欲しかった、どんな宝にも勝る彼女が腕の中にいるのだから。
ツンツンと耳を触れば、嫌そうに寝返りを打つ名無し。うぅんと声を上げるものの、起きる気配がない。その姿も狂おしい程に可愛かった。
どうやら尻尾は耳より弱そうだった。また近いうちに触ってみよう。
名無し本人が聞けば顔を真っ赤にして怒りそうなことを考えながら、浦原は彼女の隣で惰眠を貪ることにした。
長く伸びた耳が、彼の無造作に跳ねた襟足に当たり、あまりの擽ったさに思わず身を捩った。
「ひ、えっ…!」
「どしたんっスか、これ。
耳、本物っスか?無茶苦茶ふかふかしてません?」
新しい玩具か、ペットを買ってもらった子供のように目をキラキラ輝かせている浦原。
悪意がない分、なんだか余計にタチが悪い。
「ほ、本物、です!ちょっと、義骸に入らせて下さいってば!」
死神の霊体のまま確かめられるのは、なんだか嫌だった。
もしかしたら義骸にもう一度入れば生えないかもしれない。
そんな淡い期待を抱きながら義骸に入る。
ぴょこっ
可愛らしい効果音がつきそうな勢いで、耳が髪の隙間から生えてきた。
余談だが尻にも違和感がある。絶対に尻尾があるパターンだ。
「ノォォォ!やっぱり生えた!淡い期待を持った私が馬鹿だった!」
「義骸に戻りましたし、これでもう全力で愛でていいんっスよね!?」
「ダメですってば!」
四つん這いになって逃げようとする名無しの背中から、覆いかぶさるように浦原が抱きしめる。
左腕で身体をガッチリホールドされ、右手で耳のふわふわ具合を確かめるように撫で回された。
「いやぁ、見た目が可愛らしいのは勿論っスけど、手触りが最高っスねぇ」
「ひ、やぁっ!う、浦原さん!耳元で喋らないでください…!」
息がかかる度にぞわりと背中が粟立つ。
思わず生えている獣耳がぴん、とそそり立つのが嫌でもわかった。これは生理現象だ、不可抗力だ。
「こっちのうさぎの耳も感じちゃうんっスか?」
わざとだろう。
そよ風のような息を吹き掛けてくる。そうでなくとも耳自体弱いのに、分かってやっている辺り本当に性格が悪い。
「あ…っ!や、ダメです、ってば…!」
擽ったいような、はたまた別の何かか。
ゾクリと背筋を捩るような感覚に、身体が思わず強ばった。
血が上ったように顔が火照る。すごく、熱い。
「ここは毛が生えてないんっスね」
首筋に唇をひとつひとつ落としていく浦原。
耳がダメとは言ったが首筋はいいと言った覚えもない。
柔らかい唇の感触と、時々チクリとはしる痛み。
やんわりと犬歯を立てられれば、痛覚と快感の間をふわふわした感覚に陥った。
情けない声を出さまいと口を固く噤めば、唇を割って指を捻りこまれる。
きちんと爪は切られている。そういう身だしなみはマメらしい。
歯を立てるのが忍びない、と思った時点で名無しの負けは確定していた。
我慢していたあられもない甘い声が唇から零れる。
「ふ、あ…っ」
「服、邪魔っスねぇ」
そう言いながらファスナーを元々下ろしていたパーカーをいとも簡単に脱がし、遠くへ放り投げられる。
中に着ていたTシャツもたくし上げられれば、淡い色のブラホックが出てきた。
手馴れた手つきで片手で外す浦原。勝手知ったる家の鍵を開けるように、それはとても呆気なかった。
「おや?名無しサン、まだ触ってないのに立ってるじゃないっスか」
力が完全に抜けてしまった、体を抱えていた腕を緩め、左手で無遠慮に胸を揉む浦原。
やわやわと触るいやらしい指先は、そこを触るのが当たり前かのように固くなった突起を触った。
そんなこと言われくても分かっていた。
誰のせいだと言いたいが、現在口から漏れるのは言葉にならない甘い声ばかり。
恥ずかしいやら、情けないやら、気持ちいいやら。
ぐちゃぐちゃになった感情を一言では言えるはずもなく、反論すら出来ない状況だ。
僅かな抵抗として、涙目になってしまった目で浦原を軽く睨む。
「そんな顔、煽るだけっスよ。ね?」
「ふあっ!ん、むっ…あふ、あ…っ」
キュッと摘むように指先で挟まれれば、腰が跳ねた。
捏ねたり、軽く爪を立てたり、はたまた触れるか触れないかのこそばゆい触り方をしてくる。
徐々に頭の芯がぼんやりしてくるのに、快楽の感覚だけは妙に鮮明だった。
口内を犯していた指を引き抜けば、名無しの唾液でしとどに濡れた指でもう片方の胸に触れる。
乾いた指で触る感覚とは別物で、まるで舌で弄ばれているようだった。
ぬるりとした指先が不快なのか快感なのか。名無しにはもう分からなかった。
「あっ、やぁ…!むね、ばっか…、」
「他のとこも欲しいんっスか?」
与えられた快楽で弱々しく垂れたウサギの耳を食む浦原。
くたびれてるはずなのに、触覚だけは一倍敏感になっていた。
不意打ちの快楽に目を見開く名無し。
小さく声を上げると、息を呑むようにぐっと嬌声を押し殺した。
それでも身体は正直で、大きくひと跳ねした後くたりと力が抜けた。
短距離走を走った後のように、短い呼吸を繰り返す。
とろりと溶けた眼を覗き込む浦原。
あまりの恥ずかしさに、無駄な抵抗かもしれないが名無しは目を固く瞑った。
「もしかしてイっちゃいました?」
人間の耳に囁くように訊けば、面白いくらいに耳まで真っ赤になる名無し。
答えは返ってこないが、目は口ほどに物を言う…ではないが、身体は口ほどに物を言っていた。
まさか上半身しか触ってないのに達するのは浦原も予想外だったらしく、少しだけ驚いた。
しかしそれはすぐに形を潜め、楽しそうに口元が弧を描く。
「名無しサン、知ってます?」
柔らかく髪を撫でれば少しだけ警戒心を解いたのか、訝しげにこちらを見てくる瞳と視線が絡む。
悦楽に濡れた目は、言葉にできないくらい煽情的で、かなり下半身にきた。
少し意地の悪い笑みを浮かべ、いつもの人間の耳にそっと囁く。
「ウサギってすごい性欲なんっスよ」
ニヤニヤと笑いながら言えば、今までにない程に顔を赤らめる名無し。
言いたいことは伝わったのだろうが、それに更に追い打ちをかける。
「名無しサン、胸と耳だけでイっちゃうなんて、エッチっスね?」
そう言えばぷるぷると泣きそうな目で浦原を睨んでくる名無し。
加虐心を煽るその表情は、彼にとって媚薬と同等の効果を持つことを彼女は知らない。
いや、知らない方が幸せだろう。
「さてと、」
「う、ひゃっ…!」
うつ伏せていた名無しを抱き上げ、元々義骸を寝かせるために敷いていた布団に横たわらせる。
無理な体勢は彼女の腰を痛めるだろう。
苛めて辱めるのは浦原の趣味だが、痛めつける趣味はない。彼なりの配慮だ。
「はい。じゃあ脱いじゃいましょうね」
「だ、ダメです、あっ!」
部屋着のゆるゆるとしたショートパンツを下着ごと剥いでしまえば、ぐずぐずに蕩けた蜜壷と、少し濡れてしまったポンポンのような白い尻尾。
まさか耳だけではなかったのか。
誰が行ったイタズラか分からないが浦原は心底感謝した。うさ耳、うさ尻尾は最高だ。
「名無しサン、触ってないのにここ、大洪水っスけど」
「う、あ…っ!」
指先で入口を軽く解せば、奥からトロトロ溢れる愛液。
ヒクヒクと誘うように震える性器は、何度も浦原が穿っているにも関わらず生娘のような桜色だった。
あまりの恥ずかしさに顔を腕で隠し、敷布団を必死に握りしめる名無し。
くたくたになったうさ耳は投げ出されたように布団の上で草臥れていた。
「そこ、やぁ…っ!」
「なんでです?理由をちゃんと言ってくれないと、分からないっス」
理由なんて、浦原はとっくに分かっていた。
あえて聞いている。そういう男だ。
「…っ、い……」
「い?」
「っ…いっ、た…ばっかだからです、ってばぁ…!」
恥ずかしさと、制御出来ない快楽のせいか。ぽろぽろと涙を零しながら訴える名無し。
本当に浦原は性格が悪いのだ。
以前、もっと遠回しに、なるべく具体的に彼女が理由を言わないようにしていたら、ずっとハッキリと言うまで弱いところを攻め続けられたのだ。
喘ぎ声しか出なくなっているにも関わらず、『で、何がどうなってるから、ダメなんっスか?』と意地悪く訊き続けた。
あの二の舞だけは避けたくて、なるべくまだ訴えることかできる言葉を紡ぐ。
あの後、そういう時はこう言うんっスよ、と教えられた言葉は卑猥すぎて口に出すどころか、思い出すだけでも恥ずかしい。
よく浦原はあんな言葉を恥ずかしげもなく教えられるのだと、呆れ半分、恥ずかしさ半分だったのはよく覚えていた。
「じゃあ、尚更っスね」
「なっ!やめてくれるんじゃ、あ、ひゃあ、うっ!」
固くなった肉芽を指で押し潰すように転がす浦原。
秘部から溢れた液で濡れそぼった、名無しの弱いところを執拗に指で虐めた。
「やめるなんて、ボク一言も言ってないっスよ?」
「んあっ、あ!ふぁ、あ…ず、るい…!」
一度快楽に溺れた身体は、呆気なかった。
今度は肉芽を弄るだけで先程より大きく身体が跳ねる。
悲鳴のような嬌声は、名無しが必死に腕を口に押さえつけ喉の奥に閉じ込めた。
「二回目、っスね」
「ふ、あ…っ…は、はぁ…っ」
涙とじわりと滲んだ汗で張りつく名無しの前髪を、そっと浦原が指で払う。
はくはくと息を必死にする唇に、そっと口付けを落とす。
「よいしょ、と」
「へ、あ……」
布団の上で、完全に力の抜けきった名無しの体をひっくり返す。
それは出来損ないの四つん這いのような格好で、浦原に尻を突き出すような恥ずかしい格好だった。
普段は絶対にないはずの白い尻尾がぴょこりと主張している。
「や…あ……っ、うらはら、しゃ…これ、やだぁ…っ」
力の入らない身体でズリズリ逃げようとする名無しだが、本当に力が入らないらしい。
逃げるどころか、ふりふりと尻尾が揺れるだけで、浦原には誘っているようにしか見えなかった。
思わずゴクリと生唾を呑んでしまった。童貞でもあるまいし、と浦原はそっと心の中で呟く。
「ほら、名無しサンは今ウサギなんっスから…っ」
そそり勃つ雄を蜜壷に押し当て、一気に穿つ。
ひゅっと名無しが息を呑む音が耳に届く。
入口しか指で解さなかったが、中は充分過ぎるほどに濡れていた。
それは浦原の一物を離さないように絡みつき、きゅうきゅうと締め付ける。
何度も身体を重ねて、すっかり浦原の形…という訳ではなく、何度身体を重ねても中が緩むことはなかった。
むしろ身体を重ねる度に中が狭く、締めつけがキツくなってる気もした。
所謂、名器とはこのことなんだろうか。
毎度処女を抱いているようにも思うが、あっという間に濡れそぼる身体はすっかり開発済みの証拠でもあった。
他の女とかなりの数で身体を重ねてきたが、名無しのようなタイプは初めてだった。
尤も、浦原にとって身体を重ねるのは二の次で、彼女さえいれば幸せなのは紛れもない事実だった。こんな感想を抱くのも人生で初めてだ。
勿論、性欲は有り余っているから、抱きたいのは事実だ。毎日でもいい。
「相変わらず、狭いっスね…!」
奥まで呑み込むには、まだ少し時間が足りない。
粘膜がいやらしく擦れる卑猥な音を立てながら、ゆっくり腰を前後に振れば名無しからあられもない声が漏れる。
身体を支えることで精一杯の腕は、声を抑えることは出来ていなかった。
「んあっあ、あ…っ!うら、はら、しゃ…っ」
呂律の回っていない甘い声。そらすら愛おしい。
腰を掴む手で尻尾を触れば、「ひあっ!!」と声を上げ、中が一瞬だけ緩む。
その隙を見逃すはずもなく、奥まで一気に押し進める浦原。
亀頭の先が、子宮口に当たるのが分かった。
彼女の、一番弱いところ。
「ほら、尻尾触ったら奥まで来ちゃいましたよ…っ。ここ、分かるっス?」
「あ、ああっ!おく、ぐりぐりしちゃ、あ、あぁ!」
いやいやと言わんばかりに首をゆるゆる横に振る名無し。
それでも身体は正直だ。
膣内は嬉しそうにきゅうきゅうと締め付けるばかり。
そこら辺の男だとすぐ音を上げるのだろうが、浦原はそうもいかなかった。
「でも名無しサン、ここのほら、子宮口。やらしくボクの先にキスしてるっスよ…!」
吸い付くような奥に捩じ込むように押し付けると、背中を大きく逸らす名無し。
今度は喘ぎ声を我慢できるはずもなく、一際大きく声を上げた。
持っていかれそうになる中の具合は、凄いの一言に尽きた。千切れそう、とはまさにこのことか。
僅かに腰を引けば、逃すまいと絡みつく。
本人は一向に認めないが、かなりいやらしい身体だ。
浦原がそうしたのもあるが、多少の素質もある気がする。浦原からしたら願ってもないことだが。
それを彼女に伝えたら顔を真っ赤にして否定するのは分かっているから、あえて黙っている。
「うらはら、さ…っ」
涙でくしゃくしゃになった顔で、必死に振り返る名無し。
か細い涙声で呼び、汗で張り付いたTシャツと背中を見ていると、まるで無理矢理犯しているようにも見えた。
いや、全ては可愛すぎるこのうさ耳と尻尾が悪い。そういうことにしよう。
「うしろ、から…やだぁ…っ!かお、みたいよぉ…」
理性が瓦解する音が、聞こえた気がした。
一番彼女のタチが悪いところは、中々崩れない理性でも、性に対して素直じゃない性格でもなく、いやらしい身体でもなければ、これだった。
無意識のうちにこちらの理性を崩してくる。それは普段でも、行為中でも、だ。
それが浦原の我慢をいとも簡単に破壊していくことすら、彼女は気づいていない。
「…はいはい、仰せのままに、っス」
我慢が出来ないのだろう。
限界が近い浦原は手早く名無しの身体を仰向けにすると、達しすぎて蕩けきった秘部にもう一度陰茎を勢いよく押し込んだ。
「ふあっ、あああ!」
「は…っ。きっつ…」
中の圧迫感からか、甘い声が漏れる名無し。
何度も達して濡れそぼっているのに、中の締めつけはキツいままだ。どうなっているのか不思議なくらいに。
「名無しサンが、煽るからいけないんっスよ…!」
細く折れてしまいそうな腰を掴んで、浦原は腰を振った。
肌と肌がぶつかる乾いた音が部屋に木霊する。
奥へ当たる度に、名無しの口からは砂糖よりも甘い声が発せられる。
「は…っ」
思わず吐息が漏れる。
もうそろそろ、限界だった。
「うらはらさ、ん…っ、手、ぇ…っ」
必死に伸ばされる、小さな手。
本当に、この子は。
指を絡めるように握れば、嬉しそうに蕩けるような笑顔。笑顔で理性ぶっ飛ばす彼女は、本当に末恐ろしい。
「イく、っスよ、名無し…っ」
大きく一突きすれば、ビクビクと震える腰と、嬌声。
一際締め付ける中に、浦原は熱い精を奥まで注いだ。
そこで名無しは意識を完全に手放した。
***
「…この耳が悪いんっスよ」
ドロドロになった名無しの身体を、暖かい濡れタオルで拭いてやる。
甘いピロートーク…という程、お互い余裕もなく、大体名無しが意識を飛ばすまで抱き続けてしまう。
なんなら浦原は、すぐにもう一戦いけるくらいだ。
それでも彼は満足だった。ずっと欲しかった、どんな宝にも勝る彼女が腕の中にいるのだから。
ツンツンと耳を触れば、嫌そうに寝返りを打つ名無し。うぅんと声を上げるものの、起きる気配がない。その姿も狂おしい程に可愛かった。
どうやら尻尾は耳より弱そうだった。また近いうちに触ってみよう。
名無し本人が聞けば顔を真っ赤にして怒りそうなことを考えながら、浦原は彼女の隣で惰眠を貪ることにした。