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好きな和菓子を買いに、砕蜂を連れて瀞霊廷を歩いている夜一に捕まる。
丁度おやつ時じゃ、おぬしもたまにはどうじゃ?と誘われたが…
二人の時間を邪魔していいのか、と思い、砕蜂を見遣れば「たまには馳走になったらどうだ?」とすんなり了承を得られた。浦原だったらこうはいかないだろう。
二番隊で暫く茶を飲みながら最中を食べていると、砕蜂が緊急の召集で呼び出され、席を外した時だった。
「そういえば名無し、おぬし喜助とはどうなんじゃ?」
「どう、って、何がです?」
「夜の生活の方じゃ」
「ごっふぉ!」
茶を噎せた。
逆襲ラバーズ
「な、何言い出すんですか、夜一さん!」
「いやぁ。喜助に問うたら『そりゃあもう、バッチリっスよぉ』と腑抜けた面で答えるもんじゃから、おぬしが苦労しておるのではないのかと思うての」
何がバッチリなんだ。
そして苦労しているのは図星だった。さすが夜一、付き合いが長いだけある。
「苦労…というか…」
「どうせ彼奴が性欲持て余して、毎晩襲われておるんじゃろ」
ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながら、食べかけの最中で指される。
当たりすぎていて怖い。エスパーか。
「あやつも昔は取っかえ引っ変えヤンチャしておったからのぅ」
「まぁ、ヤンチャしてそうな感じではありますよね」
驚きはしない。
名無し自身浦原のみの経験だが、火を見るより明らかに女の扱いが手馴れている。
彼は特にそういうことを大っぴろげに話したりはしないが察してはいた。気づかない方がおかしいくらいだ。
「それが今やおぬし一人で受け止めておるんじゃ。無茶な要求もされておるじゃろう。ん?」
「はは…」
乾いた笑みしか浮かばなかった。
無茶な要求。心当たりがありすぎて目眩がする。
「戦いも褥を共にするのも、先手必勝じゃ!」
ダンッと湯呑みを机に置き、夜一が語り出す。
大丈夫か、酒でも飲んでいるのでは…と最中に目をやると、酒粕最中だった。これでも彼女は酔うのか。
「おぬしが先手を取れば喜助などのペースに巻き込まれずに済むというのに!」
「は、はぁ。でも、やり方が分かりませんし、そもそもするのが疲れちゃうと申しますか…」
「なぁに。おぬしが手綱を握れば、あの助平もイチコロじゃ」
本当かよ。
ところですること自体がくたびれる、という行は聞いてくれているのだろうか。…聞いていないだろうなぁ。
半ば諦めつつ、名無しはとりあえず夜一の話に耳を傾けた。
「一方的すぎるとマンネリしてしまうじゃろうしのぅ。おぬしから仕掛けてみるのも愛情じゃ」
「…仕掛ける……」
浦原は驚くだろうか。
…少しだけ見てみたい気もした。
「なぁに、儂がしっかり『れくちゃー』してやろう。おぬしなら大丈夫じゃろ」
そう言って夜一は楽しそうに笑う。
砕蜂が帰ってくるまで、延々と『性行為でリードするための技』を聞かされる羽目になるとは、この時名無しは微塵も考えていなかった。
***
寝静まった夜。
浦原が寝ている部屋へ空間を割いて、音もなく入ってくる名無し。傍から見れば完全な不法侵入だ。
襖を開ける音で彼が目覚めると思ったが、浦原の静かな寝息を聞く限りでは堂々と入っても良かったかもしれない。
そろっと顔を覗き込めばすぅすぅと寝息を立て熟睡している浦原。
こうして黙っていればカッコいいのだが。起きている時の彼の行動が問題ありまくりなのが残念だ。
ゴクリ、と生唾を呑み込む名無し。
今からすることが正しいのかどうかは正直疑わしいが、浦原と付き合いの長い夜一が言うのだ。
『愛想尽かされるかもしれんのぅ』と遠い目で言った彼女。冗談かもしれないが、もしも本気だとしたら。
そう思った時点で負けのような気もするが、半信半疑でここに来ざるを得なかった。
『まずは接吻じゃ、接吻!』
接吻。キス。口吸い。
何もしてないのに頬が熱くなるのが分かった。
口元を押さえて暫く考えるが、やるしかないと腹を括る。
布団の横に手をつき、顔をそっと近づけた。
と。
回転する身体と世界。
布団と浦原を見下ろしていたはずなのに、視界は天井と浦原になっていた。何これ、イリュージョン?
「何してるんっスか?」
「………」
ぽかん、と。
随分間抜けな顔で見上げてしまった。
寝たふりだったのか。いや確かに寝ていたはずなのに。どこで彼は起きたのだろう。
一気に顔へ血が上る感覚。
何って。
私は、何をしようと、
「ち、ちがっ、これは、その!」
「ん?あぁ、ボク意外と眠り浅いんっスよ」
隠密機動にいたからっスからねぇ、とのほほんと答える浦原。
そうなのか。でも今はそんなことに感心している場合じゃない。
「は、はなっ、離してください!」
「えー、人の寝込み襲っちゃう悪い子にはお仕置きしなきゃダメっスよね?」
手首を押さえられたまま、深く深く口付けられた。
口内を柔らかな舌が歯列を割って入ってくる。
息が苦しくなる程の深い口付け。
舌を絡められ持っていかれる感覚。
頭の芯がモヤがかかったよに、ぼんやりと惚けていく。
いや、ダメだ。
今日は先手必勝だと腹を括ったばかりじゃないか。
このまま流される訳にはいかないと、浦原の足の間から僅かに自由がきく両足をじたばたさせる。
やっと解放された唇はしとどに濡れ、艶かしい銀糸が一筋、ぷつりと切れた。
「ふ、は……だ、ダメです!」
「何がっスか?」
「き………今日は!私が、先手必勝!」
何を言ってるんだ自分。
いや、しかしこのまま浦原のペースに持っていかれるわけにはいかない。
浦原の拘束からなんとか抜け出し、無抵抗の彼を布団に押し倒す。
キョトンとした浦原の顔。
驚いた顔、というよりは意外そうな表情と言った方が正しいかもしれない。
(どうやるんだったけ、えーと、えーっと…)
『まずは首筋から食むように前戯じゃ!』
夜一が言っていた言葉を、必死に記憶を手繰り寄せる。
既にきちんと着られていない寝間着の襟を大きく開き、浦原の首筋に甘噛みする。
啄むように唇を落としていけば、僅かに声が漏れたのを名無しは聞き逃さなかった。
「は……どしたんっスか?名無しサン」
「いい、から…大人しく、しててください…」
筋の張った首から、骨張った鎖骨。
細身の割に筋肉質な胸筋の、作務衣の襟からは絶対に見えないところに思い切り吸い付いた。
「……あれ?」
上手くいかない。
浦原は確かこうやってキスマークを付けていたはず。
鬱血すらしない。どうなってるんだ。
「少しだけ歯を立てて吸うんスよ」
名無しの頭を撫でながら浦原が小さく笑う。
言われた通りに僅かに歯を立て吸い付けば、可愛らしい所有痕が刻まれた。
…最初はこんなものだろうか。
よし、と小さく心の中で呟き、次は僅かに地肌より色づいている乳首へ唇を落とす。
『男だってそこは弱いもんじゃ。飴玉を転がすようにするんじゃぞ!』
(あめだま、)
男女関係なしに、人様に前戯をするなんて名無しにとっては完全未体験だ。
だからこそ、言われた通りに。なるべく忠実に。
赤い小さな舌先で遠慮がちに転がす。
柔らかかった先端が僅かに主張しだす。なるほど、浦原がいつもやっていたのはこういうことか。
「名無し、サン…もう片方も」
頭を撫でながら吐息混じりで浦原がねだる。
男とは思えないほどに色っぽく息を漏らす様は、見てるこっちが恥ずかしくなる程にいやらしかった。
上気した彼の頬の色はナツメ球の僅かな明かりの下でもよく分かった。
少しだけ浦原の気持ちが分かった気がする。分かりたくはなかったが。
「ふぁ…」
ぴちゃぴちゃと小さな水音を立てて、もう片方の乳首も懸命にしゃぶる名無し。
なんだか、変な気分だった。
今襲っているはずの自分も、身体が熱くなってくるなんて。
浦原の時々漏らす悩ましい声がそうさせているんだ、そういうことにしておこう。
もぞりと動けば、太ももに当たる固いナニか。
未だに生娘のような反応をする名無しですら、その正体はわかりきっていた。
『勃ったら手淫と口淫じゃ!あくまで優しくするんじゃぞ!』
今思えば夜一はよく知っているな、と半ば呆れる。いや、それだけの年数を生きていれば、必然と経験豊富になるのだろうか。
唾液で濡れた乳首から口を離し、ごそごそと浦原の足元に移動する。
寝間着の浴衣の裾を広げて、一思いに下着をずり下げた。
脱がす方も恥ずかしいのに、こんなことをよく毎回楽しそうに出来るものだ、と他人事のように名無しは思った。
そそり立つ浦原の一物。比較する相手を知らないが、明らかに大きいし、太い。
よくもまぁこんなものが中に入っているのだと、恐怖すら感じる。
「名無しサン、あんま見られてると恥ずかしいっス」
「へ、あ、す、すみません」
浦原が上半身を半分ほど起こしてこちらを見ている。
ナニをガン見していたなんて、まるで痴女じゃないか。そう思ったら急に泣きたくなるほど恥ずかしくなった。
いや、今日は先手必勝だ。ここまで(最初の寝込み襲うところはノーカウントとして)きちんと襲えてるのだ。後には引けない。
「は…はじめてなので、下手だったらすみません…」
一応断りを入れて、両手で包むように握る。
血管が浮き出た男根はまるで別の生き物のようだった。
…そういえば、手淫と言われたが具体的に何をするのか聞いていない。
握ってみたものの肝心なことを聞きそびれていた事実に、サッと血の気が引くのが分かった。
「名無しサン、名無しサン。」
「は、はい!?」
「こう、上下にシゴくんっスよ」
浦原の手が名無しの手に重なる。ゆっくり上下させられれば、手の中の肉棒が更に固くなるのが分かった。
表面の薄い皮一枚向こうに、熱くて固い感触。
何に例えばいいのか分からなくなる程に、恥ずかしさと情けなさで頭が真っ白になった。
とりあえず言われた通りにしよう。
「は…っ次は、裏筋舐めてほしいっス」
ここっス、と言いながら浦原の指が陰茎の裏をツツ…となぞる。
舐める。舐めるのか、これを。
夜一が言っていた口淫とはそういうことだったのか。
ヤケ気味に片手で柔らかく握ったまま、浦原の言う裏筋に唇を落とす。
ソーセージ、とはよく例えたものだ。あちらの方が可愛らしく思えるが。
根元から少しずつ丁寧に食み、舌を這わせていく。味は、少しだけしょっぱかった。
気持ちがいいのか、頭を撫でる浦原の手が時々ピクリと震える。
その反応になんとも言えない気持ちが湧き上がる。もっと、喜んでもらいたい。
「先、咥えてください…歯を立てないように、」
「ふぁい…」
口に恐る恐る含めば、入り切らない程の質量。
気を抜けば歯が立ってしまう。そうすれば、痛いのは浦原だ。間違いない。
「ん、ふぁ…」
先の引っかかりくらいまでしか口に入りきらない。
ツルリとした先端に丁寧に舌を這わせれば、口の中に広がる少し生臭く、塩っぽい味。
なんとも言えない味に僅かに眉を顰めるが、浦原の悩ましげな息遣いを聞けば続ける以外の選択肢はなかった。
先端の尿道に舌が当たれば、ピクっと跳ねる腰。
ここが、いいのだろうか。
「ふ…は……うらはら、しゃ、ここ、れす?」
棒付きキャンディーを舐めるように、舌を這わせる。
ムクムクと質量を増す陰茎。名無しの口に簡単に収まる大きさではなくなってきた。
「はぁ…っ、名無しサンすみません…」
「んむ?」
浦原の何に対してか分からない懺悔の声と同時に掴まれる頭。
持ち上げられれば自然と名無しが四つん這いの格好になった。浦原は完全に膝立ちだ。
頭を掴まれたまま腰を前後に振る浦原。
口の中に捻りこまれた質量に、思わず嘔吐きそうになる。
容赦なく口内を犯す男根。
名無しは歯を立てないように必死になるばかりで、くぐもった声を抑える余裕すらなかった。
「ん、は…っ名無しサン、吐き出したら、ダメっスからね…!」
「ん、む、んん、ん…っ」
大きく腰を打ち付けられ、口の中に出される何か。
苦くて、喉の奥に張り付くような液体。
お世辞にも美味しいとはとても言えないそれを吐き出したらいけないと言われた手前、口の中に留めることしか出来なかった。
ズルッと口から抜かれる陰茎。
口の端から留めきれなかった雫が零れるのがわかった。
「ほら、名無しサン。はい、ゴックン」
猟奇的な色を僅かに浮かべた浦原が頭を撫でながら笑う。
この苦くて美味しくないこれを、飲み込めというのか。
Noと今は言えるはずもなく、目を固く瞑り、何度かに分けて嚥下する。正直、不味い。
「お行儀悪いっスよ、これも舐めてください」
名無しの口の端から零れた白濁色の液を、浦原が指で掬う。
口の中いっぱいに広がる苦味をそのままに、言われるがままに指を舐めた。
頭が、ボーッとする。
普段恥ずかしくてこんなこと出来ないはずなのに、まるで自分が自分じゃなくなったようだった。
丁寧に、指と爪の溝も綺麗に舐めとれば、それを上機嫌で見下ろしてくる浦原。
(つぎ、は)
朦朧とした思考回路で、夜一の言葉を思い出す。
『最後の仕上げじゃ!肌着を脱ぎ捨てて、腰に跨って挿れてしまえばこっちのもんじゃ!』
ぼんやりとした頭で下着ごと脱ぎ捨て、布団の外へ軽く投げた。
いつもより下部がスースーする。指一本そこには触れていないのに、濡れているのが分かった。
胡座をかいている浦原の中心には、未だに猛々しさを保っている男根がそそり立っていた。
よたよたと近づき、ぼんやりとした思考回路のまま跨る名無し。
片手で浦原の一物を持ち、いつも当てているはずの蜜壷に押し当てる。
「…あ、れ?」
上手く、入らない。
しとどに濡れているにも関わらず、ぬるりと滑るだけで挿入できない。
見かねた浦原が耐えきれず、くつくつと小さく笑った。
「名無しサン、」
「ちょっと、今、いそがしい…っあ、」
名無しの弱いところに、浦原の先が掠める。
まるでこれでは浦原のナニで自慰しているようで、霧がかった思考がリアルになっていくにつれ羞恥心が湧いてくる。
焦りと、沸き上がる恥ずかしさと。
ぐるぐると焦るばかりで随分挙動不審になっていた。
「くくっ…こう、っスよ」
「あっ、ああぁっ!」
腰を掴まれ、一気に沈められる。
中に埋まった大きな質量は未だに慣れない。
瞼の裏がチカチカする感覚。
思わず浦原の胸板に縋るような体勢になってしまった。
「ほら、動いてくださるんっスよね?」
「へ、は…?」
「名無しサン、上なんスから。でなきゃほら、ボクも名無しサンも気持ちよくなれないっスよ?」
浦原が胡座をかいた状態で、下から大きく一突きされる。
ゴリっと奥に当たるのが分かった。突然与えられた快楽にヒュッと息が喉を切る。
動け、と言われても。
恐る恐る腰を動かせば、結合部から粘着質な水音が響く。
中の巨大な質量が蠢くのが嫌でも分かった。
なにせ名無し自身が動いているのだ。膣内の肉壁を抉る感覚も、中で大きくなる一物も、嫌でも感じてしまう。
「ふぁ、は…っあ、あっ、」
腰をゆっくり上下させれば緩やかな快感が背筋にはしる。
やっと得られた快楽を追いかけるように、浦原に言われるがままに腰を振った。
浦原はというと、名無しが寝間着代わりに着ている甚平の紐をするりと解く。
呆気なく露になる両胸。
名無しが腰を揺らす度に、合わせて揺れる乳房は実にいやらしかった。
「名無しサン、ボク触ってもないのに乳首たっちゃってますよ?」
片手で胸を掴み、指先で弱いところを触ると名無しの口から一際甘い声が漏れる。
今は浦原の肩に手を置き腰を振るので精一杯だからか、手で口元を抑えるとこはおろか声を我慢することも出来なかった。
潤んだ視線だけが余裕がないことを必死に訴えているかのように朧気に揺れる。
それを見た浦原が、実に意地の悪い笑みを浮かべた。
「名無しサン。ボクを気持ちよくして下さったらご褒美あげます」
「ん、あ…っ。ごほ、うび?」
「そうっス。名無しサンが先にボクをイかせれたら勝ちっス。名無しサンが気持ちよくしてくれた分、」
浦原が手を伸ばした先は、名無しの弱い肉芽。
「ふや、あ!」と驚いたような嬌声を上げると同時に中の締め付けがキツくなる。
「ボクも名無しサンのこと、気持ちよくしてあげますから」
にっこりと、それはとてもとても綺麗な笑顔。
彼の額に僅かに浮かんだ汗が猟奇さを際立たせているようだった。
「そ、れ…っわたし、不利じゃ…っあ!」
「ん?ほら、腰の動き止まってるっスよ。
先に名無しサンがイっちゃうんっスか?襲ってきたのは名無しサンなのに、堪え性のない身体っスね」
彼女の下から腰を動かし、名無しの熱い膣壁を大きく穿つ浦原。
途端に、縋るような名無しの両手が浦原の肩に食い込む。快楽に必死に耐えているのだろう、指先が小刻みに震えていた。
「ほら、頑張ってください」
「ん、あ…っあ、あぁ、は…っ」
再び不慣れな動きで腰を動かし始める名無し。
胡座をかいた浦原の上で必死に蜜壷で肉棒を愛撫する。
とろとろと止めどなく溢れる愛液が、浦原の秘毛を濡らしていく。
それに合わせるように、浦原も名無しの胸の飾りと肉芽を同時に触る。
固くなった乳首は可愛らしく色づき、体勢が体勢でなければ今すぐ吸い付いてしまいたくなるほどだった。
下半身に伸びた指先はすっかり濡れそぼり、彼女の敏感な性感帯であるクリトリスを捉えていた。
名無しが腰を振る度に指が肉芽を潰すものだから、腰を揺らす度に中がきゅうきゅうと締め付ける。
気持ちがいい。けれど動きがまだ緩慢で、物足りなさも感じる。
自分の膝の上であられもなく乱れる名無しを見ているだけでも満足出来るかと思ったが、そういうわけにはいかないらしい。
とりあえず、
「名無しサン、ほら」
「んっ、ふぁ…?」
「とりあえず、一度イきましょっか」
「へ、あっ、や、だめ、だめっ、あ、ああぁぁっ!」
擽るように、時々強くクリトリスを触れば、呆気なく名無しは背中を反らして達してしまった。
ぐったりと浦原の胸板にしだれかかり、大きく呼吸を繰り返し、息を整えようとしている。
けれど、浦原がこれで終わらせるはずもなく。
「ほら、名無しサン。まだボク、イってないっスよ」
「へ…」
「腰、動かさなきゃダメっスよぉ。自分だけ気持ちよくなっちゃうんっスか?」
浦原が下から大きく突けば、大きく一声啼く名無し。
今にも泣きそうな真っ赤な顔で腰を動かし始めるが、達したばかりで中がまだ敏感なのか、少し動いては休んでを繰り返す。
また気をやってしまうことを覚えているような動きが、浦原の加虐心を余計煽った。
「ほら、名無しサン。ボクので気持ちよくなっちゃってくださいっス」
腰を掴まれ、下から小刻みに揺さぶる。
重力に従って落ちる腰。自ずと名無しの一番弱い最奥に容赦なく浦原自身が当たる。
頭が真っ白になるほどの快楽に、ぽろぽろ涙が零れた。
それでも浦原は腰の動きを止めることなく、名無しの唇からはあられもない啼き声が漏れるだけ。
下から大きく一突きされ、浦原の熱い精が中で注がれる感覚と同時に、あっという間に本日二度目の絶頂を呆気なく迎えた。
***
「で、突然どうしたんっスか?」
あの後浦原に好き勝手され、気がつけば窓の外が白む明け方だった。
腰が痛い。いつの間にか一糸まとわぬ姿にお互いなっており、もうその辺りの記憶が無い。
下腹部の違和感から察するに、無茶苦茶にされたのは推して知るべし、といったところか。
「……………夜一さんが、」
ごにょごにょと言いづらそうに白状する名無し。
それを聞いて、腹を抱えて笑う浦原。
腹を括って挑んだ筈なのに気がつけば浦原にいいようにされていた名無しは、不満と恥ずかしさと情けなさでどうにかなってしまいそうだった。
あぁ。穴があったら入りたい。
「はー、夜一サンも人が悪い。分かっててけしかけるんっスから」
「…というと?」
ひとしきり笑った浦原が、名無しの額に嬉しそうに唇を落とす。
「ボクが名無しサンに飽きるわけないじゃないっスか。それ、夜一サンも分かってる上で名無しサンに吹き込んでるんっスよ」
くくく、とまだ笑いが収まらないらしい。浦原が口元を覆って笑いを堪えている。
あの巨乳グラマー猫美人に、つまるところ遊ばれていたのか。そう思うとガッカリ感と恥ずかしさと、ほんの少しの安心感が湧いてきた。
本心かどうかは分からないが『飽きるわけがない』と言われ、ほっと胸を撫で下ろした。
我ながら単純で現金な性格だと思う。惚れた弱みだろうか。
「いやぁ、しかし名無しサンが襲ってくるなんて。またお願いしたいもんっスね」
「も、もうしません!絶対に!!」
「ええー。膝の上でおっぱい揺らしながら、真っ赤なトロ顔で腰振ってる名無しサン、無茶苦茶可愛かったのに」
「忘れてください、お願いします!!」
名無しの黒歴史に、また1ページ。
丁度おやつ時じゃ、おぬしもたまにはどうじゃ?と誘われたが…
二人の時間を邪魔していいのか、と思い、砕蜂を見遣れば「たまには馳走になったらどうだ?」とすんなり了承を得られた。浦原だったらこうはいかないだろう。
二番隊で暫く茶を飲みながら最中を食べていると、砕蜂が緊急の召集で呼び出され、席を外した時だった。
「そういえば名無し、おぬし喜助とはどうなんじゃ?」
「どう、って、何がです?」
「夜の生活の方じゃ」
「ごっふぉ!」
茶を噎せた。
逆襲ラバーズ
「な、何言い出すんですか、夜一さん!」
「いやぁ。喜助に問うたら『そりゃあもう、バッチリっスよぉ』と腑抜けた面で答えるもんじゃから、おぬしが苦労しておるのではないのかと思うての」
何がバッチリなんだ。
そして苦労しているのは図星だった。さすが夜一、付き合いが長いだけある。
「苦労…というか…」
「どうせ彼奴が性欲持て余して、毎晩襲われておるんじゃろ」
ニヤニヤと意地の悪い笑みを浮かべながら、食べかけの最中で指される。
当たりすぎていて怖い。エスパーか。
「あやつも昔は取っかえ引っ変えヤンチャしておったからのぅ」
「まぁ、ヤンチャしてそうな感じではありますよね」
驚きはしない。
名無し自身浦原のみの経験だが、火を見るより明らかに女の扱いが手馴れている。
彼は特にそういうことを大っぴろげに話したりはしないが察してはいた。気づかない方がおかしいくらいだ。
「それが今やおぬし一人で受け止めておるんじゃ。無茶な要求もされておるじゃろう。ん?」
「はは…」
乾いた笑みしか浮かばなかった。
無茶な要求。心当たりがありすぎて目眩がする。
「戦いも褥を共にするのも、先手必勝じゃ!」
ダンッと湯呑みを机に置き、夜一が語り出す。
大丈夫か、酒でも飲んでいるのでは…と最中に目をやると、酒粕最中だった。これでも彼女は酔うのか。
「おぬしが先手を取れば喜助などのペースに巻き込まれずに済むというのに!」
「は、はぁ。でも、やり方が分かりませんし、そもそもするのが疲れちゃうと申しますか…」
「なぁに。おぬしが手綱を握れば、あの助平もイチコロじゃ」
本当かよ。
ところですること自体がくたびれる、という行は聞いてくれているのだろうか。…聞いていないだろうなぁ。
半ば諦めつつ、名無しはとりあえず夜一の話に耳を傾けた。
「一方的すぎるとマンネリしてしまうじゃろうしのぅ。おぬしから仕掛けてみるのも愛情じゃ」
「…仕掛ける……」
浦原は驚くだろうか。
…少しだけ見てみたい気もした。
「なぁに、儂がしっかり『れくちゃー』してやろう。おぬしなら大丈夫じゃろ」
そう言って夜一は楽しそうに笑う。
砕蜂が帰ってくるまで、延々と『性行為でリードするための技』を聞かされる羽目になるとは、この時名無しは微塵も考えていなかった。
***
寝静まった夜。
浦原が寝ている部屋へ空間を割いて、音もなく入ってくる名無し。傍から見れば完全な不法侵入だ。
襖を開ける音で彼が目覚めると思ったが、浦原の静かな寝息を聞く限りでは堂々と入っても良かったかもしれない。
そろっと顔を覗き込めばすぅすぅと寝息を立て熟睡している浦原。
こうして黙っていればカッコいいのだが。起きている時の彼の行動が問題ありまくりなのが残念だ。
ゴクリ、と生唾を呑み込む名無し。
今からすることが正しいのかどうかは正直疑わしいが、浦原と付き合いの長い夜一が言うのだ。
『愛想尽かされるかもしれんのぅ』と遠い目で言った彼女。冗談かもしれないが、もしも本気だとしたら。
そう思った時点で負けのような気もするが、半信半疑でここに来ざるを得なかった。
『まずは接吻じゃ、接吻!』
接吻。キス。口吸い。
何もしてないのに頬が熱くなるのが分かった。
口元を押さえて暫く考えるが、やるしかないと腹を括る。
布団の横に手をつき、顔をそっと近づけた。
と。
回転する身体と世界。
布団と浦原を見下ろしていたはずなのに、視界は天井と浦原になっていた。何これ、イリュージョン?
「何してるんっスか?」
「………」
ぽかん、と。
随分間抜けな顔で見上げてしまった。
寝たふりだったのか。いや確かに寝ていたはずなのに。どこで彼は起きたのだろう。
一気に顔へ血が上る感覚。
何って。
私は、何をしようと、
「ち、ちがっ、これは、その!」
「ん?あぁ、ボク意外と眠り浅いんっスよ」
隠密機動にいたからっスからねぇ、とのほほんと答える浦原。
そうなのか。でも今はそんなことに感心している場合じゃない。
「は、はなっ、離してください!」
「えー、人の寝込み襲っちゃう悪い子にはお仕置きしなきゃダメっスよね?」
手首を押さえられたまま、深く深く口付けられた。
口内を柔らかな舌が歯列を割って入ってくる。
息が苦しくなる程の深い口付け。
舌を絡められ持っていかれる感覚。
頭の芯がモヤがかかったよに、ぼんやりと惚けていく。
いや、ダメだ。
今日は先手必勝だと腹を括ったばかりじゃないか。
このまま流される訳にはいかないと、浦原の足の間から僅かに自由がきく両足をじたばたさせる。
やっと解放された唇はしとどに濡れ、艶かしい銀糸が一筋、ぷつりと切れた。
「ふ、は……だ、ダメです!」
「何がっスか?」
「き………今日は!私が、先手必勝!」
何を言ってるんだ自分。
いや、しかしこのまま浦原のペースに持っていかれるわけにはいかない。
浦原の拘束からなんとか抜け出し、無抵抗の彼を布団に押し倒す。
キョトンとした浦原の顔。
驚いた顔、というよりは意外そうな表情と言った方が正しいかもしれない。
(どうやるんだったけ、えーと、えーっと…)
『まずは首筋から食むように前戯じゃ!』
夜一が言っていた言葉を、必死に記憶を手繰り寄せる。
既にきちんと着られていない寝間着の襟を大きく開き、浦原の首筋に甘噛みする。
啄むように唇を落としていけば、僅かに声が漏れたのを名無しは聞き逃さなかった。
「は……どしたんっスか?名無しサン」
「いい、から…大人しく、しててください…」
筋の張った首から、骨張った鎖骨。
細身の割に筋肉質な胸筋の、作務衣の襟からは絶対に見えないところに思い切り吸い付いた。
「……あれ?」
上手くいかない。
浦原は確かこうやってキスマークを付けていたはず。
鬱血すらしない。どうなってるんだ。
「少しだけ歯を立てて吸うんスよ」
名無しの頭を撫でながら浦原が小さく笑う。
言われた通りに僅かに歯を立て吸い付けば、可愛らしい所有痕が刻まれた。
…最初はこんなものだろうか。
よし、と小さく心の中で呟き、次は僅かに地肌より色づいている乳首へ唇を落とす。
『男だってそこは弱いもんじゃ。飴玉を転がすようにするんじゃぞ!』
(あめだま、)
男女関係なしに、人様に前戯をするなんて名無しにとっては完全未体験だ。
だからこそ、言われた通りに。なるべく忠実に。
赤い小さな舌先で遠慮がちに転がす。
柔らかかった先端が僅かに主張しだす。なるほど、浦原がいつもやっていたのはこういうことか。
「名無し、サン…もう片方も」
頭を撫でながら吐息混じりで浦原がねだる。
男とは思えないほどに色っぽく息を漏らす様は、見てるこっちが恥ずかしくなる程にいやらしかった。
上気した彼の頬の色はナツメ球の僅かな明かりの下でもよく分かった。
少しだけ浦原の気持ちが分かった気がする。分かりたくはなかったが。
「ふぁ…」
ぴちゃぴちゃと小さな水音を立てて、もう片方の乳首も懸命にしゃぶる名無し。
なんだか、変な気分だった。
今襲っているはずの自分も、身体が熱くなってくるなんて。
浦原の時々漏らす悩ましい声がそうさせているんだ、そういうことにしておこう。
もぞりと動けば、太ももに当たる固いナニか。
未だに生娘のような反応をする名無しですら、その正体はわかりきっていた。
『勃ったら手淫と口淫じゃ!あくまで優しくするんじゃぞ!』
今思えば夜一はよく知っているな、と半ば呆れる。いや、それだけの年数を生きていれば、必然と経験豊富になるのだろうか。
唾液で濡れた乳首から口を離し、ごそごそと浦原の足元に移動する。
寝間着の浴衣の裾を広げて、一思いに下着をずり下げた。
脱がす方も恥ずかしいのに、こんなことをよく毎回楽しそうに出来るものだ、と他人事のように名無しは思った。
そそり立つ浦原の一物。比較する相手を知らないが、明らかに大きいし、太い。
よくもまぁこんなものが中に入っているのだと、恐怖すら感じる。
「名無しサン、あんま見られてると恥ずかしいっス」
「へ、あ、す、すみません」
浦原が上半身を半分ほど起こしてこちらを見ている。
ナニをガン見していたなんて、まるで痴女じゃないか。そう思ったら急に泣きたくなるほど恥ずかしくなった。
いや、今日は先手必勝だ。ここまで(最初の寝込み襲うところはノーカウントとして)きちんと襲えてるのだ。後には引けない。
「は…はじめてなので、下手だったらすみません…」
一応断りを入れて、両手で包むように握る。
血管が浮き出た男根はまるで別の生き物のようだった。
…そういえば、手淫と言われたが具体的に何をするのか聞いていない。
握ってみたものの肝心なことを聞きそびれていた事実に、サッと血の気が引くのが分かった。
「名無しサン、名無しサン。」
「は、はい!?」
「こう、上下にシゴくんっスよ」
浦原の手が名無しの手に重なる。ゆっくり上下させられれば、手の中の肉棒が更に固くなるのが分かった。
表面の薄い皮一枚向こうに、熱くて固い感触。
何に例えばいいのか分からなくなる程に、恥ずかしさと情けなさで頭が真っ白になった。
とりあえず言われた通りにしよう。
「は…っ次は、裏筋舐めてほしいっス」
ここっス、と言いながら浦原の指が陰茎の裏をツツ…となぞる。
舐める。舐めるのか、これを。
夜一が言っていた口淫とはそういうことだったのか。
ヤケ気味に片手で柔らかく握ったまま、浦原の言う裏筋に唇を落とす。
ソーセージ、とはよく例えたものだ。あちらの方が可愛らしく思えるが。
根元から少しずつ丁寧に食み、舌を這わせていく。味は、少しだけしょっぱかった。
気持ちがいいのか、頭を撫でる浦原の手が時々ピクリと震える。
その反応になんとも言えない気持ちが湧き上がる。もっと、喜んでもらいたい。
「先、咥えてください…歯を立てないように、」
「ふぁい…」
口に恐る恐る含めば、入り切らない程の質量。
気を抜けば歯が立ってしまう。そうすれば、痛いのは浦原だ。間違いない。
「ん、ふぁ…」
先の引っかかりくらいまでしか口に入りきらない。
ツルリとした先端に丁寧に舌を這わせれば、口の中に広がる少し生臭く、塩っぽい味。
なんとも言えない味に僅かに眉を顰めるが、浦原の悩ましげな息遣いを聞けば続ける以外の選択肢はなかった。
先端の尿道に舌が当たれば、ピクっと跳ねる腰。
ここが、いいのだろうか。
「ふ…は……うらはら、しゃ、ここ、れす?」
棒付きキャンディーを舐めるように、舌を這わせる。
ムクムクと質量を増す陰茎。名無しの口に簡単に収まる大きさではなくなってきた。
「はぁ…っ、名無しサンすみません…」
「んむ?」
浦原の何に対してか分からない懺悔の声と同時に掴まれる頭。
持ち上げられれば自然と名無しが四つん這いの格好になった。浦原は完全に膝立ちだ。
頭を掴まれたまま腰を前後に振る浦原。
口の中に捻りこまれた質量に、思わず嘔吐きそうになる。
容赦なく口内を犯す男根。
名無しは歯を立てないように必死になるばかりで、くぐもった声を抑える余裕すらなかった。
「ん、は…っ名無しサン、吐き出したら、ダメっスからね…!」
「ん、む、んん、ん…っ」
大きく腰を打ち付けられ、口の中に出される何か。
苦くて、喉の奥に張り付くような液体。
お世辞にも美味しいとはとても言えないそれを吐き出したらいけないと言われた手前、口の中に留めることしか出来なかった。
ズルッと口から抜かれる陰茎。
口の端から留めきれなかった雫が零れるのがわかった。
「ほら、名無しサン。はい、ゴックン」
猟奇的な色を僅かに浮かべた浦原が頭を撫でながら笑う。
この苦くて美味しくないこれを、飲み込めというのか。
Noと今は言えるはずもなく、目を固く瞑り、何度かに分けて嚥下する。正直、不味い。
「お行儀悪いっスよ、これも舐めてください」
名無しの口の端から零れた白濁色の液を、浦原が指で掬う。
口の中いっぱいに広がる苦味をそのままに、言われるがままに指を舐めた。
頭が、ボーッとする。
普段恥ずかしくてこんなこと出来ないはずなのに、まるで自分が自分じゃなくなったようだった。
丁寧に、指と爪の溝も綺麗に舐めとれば、それを上機嫌で見下ろしてくる浦原。
(つぎ、は)
朦朧とした思考回路で、夜一の言葉を思い出す。
『最後の仕上げじゃ!肌着を脱ぎ捨てて、腰に跨って挿れてしまえばこっちのもんじゃ!』
ぼんやりとした頭で下着ごと脱ぎ捨て、布団の外へ軽く投げた。
いつもより下部がスースーする。指一本そこには触れていないのに、濡れているのが分かった。
胡座をかいている浦原の中心には、未だに猛々しさを保っている男根がそそり立っていた。
よたよたと近づき、ぼんやりとした思考回路のまま跨る名無し。
片手で浦原の一物を持ち、いつも当てているはずの蜜壷に押し当てる。
「…あ、れ?」
上手く、入らない。
しとどに濡れているにも関わらず、ぬるりと滑るだけで挿入できない。
見かねた浦原が耐えきれず、くつくつと小さく笑った。
「名無しサン、」
「ちょっと、今、いそがしい…っあ、」
名無しの弱いところに、浦原の先が掠める。
まるでこれでは浦原のナニで自慰しているようで、霧がかった思考がリアルになっていくにつれ羞恥心が湧いてくる。
焦りと、沸き上がる恥ずかしさと。
ぐるぐると焦るばかりで随分挙動不審になっていた。
「くくっ…こう、っスよ」
「あっ、ああぁっ!」
腰を掴まれ、一気に沈められる。
中に埋まった大きな質量は未だに慣れない。
瞼の裏がチカチカする感覚。
思わず浦原の胸板に縋るような体勢になってしまった。
「ほら、動いてくださるんっスよね?」
「へ、は…?」
「名無しサン、上なんスから。でなきゃほら、ボクも名無しサンも気持ちよくなれないっスよ?」
浦原が胡座をかいた状態で、下から大きく一突きされる。
ゴリっと奥に当たるのが分かった。突然与えられた快楽にヒュッと息が喉を切る。
動け、と言われても。
恐る恐る腰を動かせば、結合部から粘着質な水音が響く。
中の巨大な質量が蠢くのが嫌でも分かった。
なにせ名無し自身が動いているのだ。膣内の肉壁を抉る感覚も、中で大きくなる一物も、嫌でも感じてしまう。
「ふぁ、は…っあ、あっ、」
腰をゆっくり上下させれば緩やかな快感が背筋にはしる。
やっと得られた快楽を追いかけるように、浦原に言われるがままに腰を振った。
浦原はというと、名無しが寝間着代わりに着ている甚平の紐をするりと解く。
呆気なく露になる両胸。
名無しが腰を揺らす度に、合わせて揺れる乳房は実にいやらしかった。
「名無しサン、ボク触ってもないのに乳首たっちゃってますよ?」
片手で胸を掴み、指先で弱いところを触ると名無しの口から一際甘い声が漏れる。
今は浦原の肩に手を置き腰を振るので精一杯だからか、手で口元を抑えるとこはおろか声を我慢することも出来なかった。
潤んだ視線だけが余裕がないことを必死に訴えているかのように朧気に揺れる。
それを見た浦原が、実に意地の悪い笑みを浮かべた。
「名無しサン。ボクを気持ちよくして下さったらご褒美あげます」
「ん、あ…っ。ごほ、うび?」
「そうっス。名無しサンが先にボクをイかせれたら勝ちっス。名無しサンが気持ちよくしてくれた分、」
浦原が手を伸ばした先は、名無しの弱い肉芽。
「ふや、あ!」と驚いたような嬌声を上げると同時に中の締め付けがキツくなる。
「ボクも名無しサンのこと、気持ちよくしてあげますから」
にっこりと、それはとてもとても綺麗な笑顔。
彼の額に僅かに浮かんだ汗が猟奇さを際立たせているようだった。
「そ、れ…っわたし、不利じゃ…っあ!」
「ん?ほら、腰の動き止まってるっスよ。
先に名無しサンがイっちゃうんっスか?襲ってきたのは名無しサンなのに、堪え性のない身体っスね」
彼女の下から腰を動かし、名無しの熱い膣壁を大きく穿つ浦原。
途端に、縋るような名無しの両手が浦原の肩に食い込む。快楽に必死に耐えているのだろう、指先が小刻みに震えていた。
「ほら、頑張ってください」
「ん、あ…っあ、あぁ、は…っ」
再び不慣れな動きで腰を動かし始める名無し。
胡座をかいた浦原の上で必死に蜜壷で肉棒を愛撫する。
とろとろと止めどなく溢れる愛液が、浦原の秘毛を濡らしていく。
それに合わせるように、浦原も名無しの胸の飾りと肉芽を同時に触る。
固くなった乳首は可愛らしく色づき、体勢が体勢でなければ今すぐ吸い付いてしまいたくなるほどだった。
下半身に伸びた指先はすっかり濡れそぼり、彼女の敏感な性感帯であるクリトリスを捉えていた。
名無しが腰を振る度に指が肉芽を潰すものだから、腰を揺らす度に中がきゅうきゅうと締め付ける。
気持ちがいい。けれど動きがまだ緩慢で、物足りなさも感じる。
自分の膝の上であられもなく乱れる名無しを見ているだけでも満足出来るかと思ったが、そういうわけにはいかないらしい。
とりあえず、
「名無しサン、ほら」
「んっ、ふぁ…?」
「とりあえず、一度イきましょっか」
「へ、あっ、や、だめ、だめっ、あ、ああぁぁっ!」
擽るように、時々強くクリトリスを触れば、呆気なく名無しは背中を反らして達してしまった。
ぐったりと浦原の胸板にしだれかかり、大きく呼吸を繰り返し、息を整えようとしている。
けれど、浦原がこれで終わらせるはずもなく。
「ほら、名無しサン。まだボク、イってないっスよ」
「へ…」
「腰、動かさなきゃダメっスよぉ。自分だけ気持ちよくなっちゃうんっスか?」
浦原が下から大きく突けば、大きく一声啼く名無し。
今にも泣きそうな真っ赤な顔で腰を動かし始めるが、達したばかりで中がまだ敏感なのか、少し動いては休んでを繰り返す。
また気をやってしまうことを覚えているような動きが、浦原の加虐心を余計煽った。
「ほら、名無しサン。ボクので気持ちよくなっちゃってくださいっス」
腰を掴まれ、下から小刻みに揺さぶる。
重力に従って落ちる腰。自ずと名無しの一番弱い最奥に容赦なく浦原自身が当たる。
頭が真っ白になるほどの快楽に、ぽろぽろ涙が零れた。
それでも浦原は腰の動きを止めることなく、名無しの唇からはあられもない啼き声が漏れるだけ。
下から大きく一突きされ、浦原の熱い精が中で注がれる感覚と同時に、あっという間に本日二度目の絶頂を呆気なく迎えた。
***
「で、突然どうしたんっスか?」
あの後浦原に好き勝手され、気がつけば窓の外が白む明け方だった。
腰が痛い。いつの間にか一糸まとわぬ姿にお互いなっており、もうその辺りの記憶が無い。
下腹部の違和感から察するに、無茶苦茶にされたのは推して知るべし、といったところか。
「……………夜一さんが、」
ごにょごにょと言いづらそうに白状する名無し。
それを聞いて、腹を抱えて笑う浦原。
腹を括って挑んだ筈なのに気がつけば浦原にいいようにされていた名無しは、不満と恥ずかしさと情けなさでどうにかなってしまいそうだった。
あぁ。穴があったら入りたい。
「はー、夜一サンも人が悪い。分かっててけしかけるんっスから」
「…というと?」
ひとしきり笑った浦原が、名無しの額に嬉しそうに唇を落とす。
「ボクが名無しサンに飽きるわけないじゃないっスか。それ、夜一サンも分かってる上で名無しサンに吹き込んでるんっスよ」
くくく、とまだ笑いが収まらないらしい。浦原が口元を覆って笑いを堪えている。
あの巨乳グラマー猫美人に、つまるところ遊ばれていたのか。そう思うとガッカリ感と恥ずかしさと、ほんの少しの安心感が湧いてきた。
本心かどうかは分からないが『飽きるわけがない』と言われ、ほっと胸を撫で下ろした。
我ながら単純で現金な性格だと思う。惚れた弱みだろうか。
「いやぁ、しかし名無しサンが襲ってくるなんて。またお願いしたいもんっスね」
「も、もうしません!絶対に!!」
「ええー。膝の上でおっぱい揺らしながら、真っ赤なトロ顔で腰振ってる名無しサン、無茶苦茶可愛かったのに」
「忘れてください、お願いします!!」
名無しの黒歴史に、また1ページ。
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