short story
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よくそんなささやかな物で喜べるな。
そう思っていた。
「そんなにそれ欲しかったのか?」
たまたま見つけた新作のチョコレート菓子を、これまた上機嫌で頬張る名無しに向かって尋ねた。
1ドルと50セント程の、お世辞にも高級とは言えないチョコレート。
それをひとつひとつ大事そうに食べるものだから、つい気になったのだ。特に他意はない。
「いえ。このお菓子、初めて食べました」
「ふぅん」
「ダンテさんもおひとつどうぞ」
にこにこと綻ぶような笑顔でチョコレートを一粒差し出される。
雛鳥のようにそれを食むと、甘ったるいキャラメルとチョコレートの味で口がいっぱいになった。
不味くはない。ただ、やはり1ドル50セント程の味だった。
「やけに上機嫌で食うから、好きな菓子なのかと思ってな」
「あぁ、なるほど」
ふふっと笑いながら彼女が納得したようにひとつ頷く。
「これ買う時、ダンテさん何考えてました?」
「…特に。新商品で目に付いたからな、勝って帰ったら名無しが喜ぶかと思って」
「そうですか、だから嬉しいんです」
チョコレートをひとつ口に含み、ころころと転がす名無しの目元がとろりと溶ける。
俺はどうしても彼女の意図が分からず、ますます謎が深まるばかりだった。
「?、よく分からねぇな」
「…言わなきゃダメです?ちょっと恥ずかしくなってきちゃいました」
「ここまで言って言わないのはなしだろ」と俺が言えば、名無しが口の中で溶かしていたチョコレートを嚥下する。
あーとか、うーとか、言いにくそうに悩んだ末、少し頬を染めて彼女はぽつりと答えた。
「その…私が喜ぶかなって考えてくれてたのが嬉しいな、って。」
恥ずかしそうにはにかむ彼女の笑顔が、いつもより眩しく見えた。
あぁ、もう。
愛しさが言葉にできない
「…な?スゲー可愛いだろ?」
「悪魔を狩りながらする惚気じゃないわね」
レディが倒れた悪魔の脳天に鉛玉を打ち込みながら呆れたように溜息を吐く。
「それもそうだな」と笑いながら、ダンテはエボニー&アイボリーを手馴れた手つきでホルスターに仕舞った。
さて、今日はどんな手土産を持って帰ったら彼女は喜ぶだろうか?
そう思っていた。
「そんなにそれ欲しかったのか?」
たまたま見つけた新作のチョコレート菓子を、これまた上機嫌で頬張る名無しに向かって尋ねた。
1ドルと50セント程の、お世辞にも高級とは言えないチョコレート。
それをひとつひとつ大事そうに食べるものだから、つい気になったのだ。特に他意はない。
「いえ。このお菓子、初めて食べました」
「ふぅん」
「ダンテさんもおひとつどうぞ」
にこにこと綻ぶような笑顔でチョコレートを一粒差し出される。
雛鳥のようにそれを食むと、甘ったるいキャラメルとチョコレートの味で口がいっぱいになった。
不味くはない。ただ、やはり1ドル50セント程の味だった。
「やけに上機嫌で食うから、好きな菓子なのかと思ってな」
「あぁ、なるほど」
ふふっと笑いながら彼女が納得したようにひとつ頷く。
「これ買う時、ダンテさん何考えてました?」
「…特に。新商品で目に付いたからな、勝って帰ったら名無しが喜ぶかと思って」
「そうですか、だから嬉しいんです」
チョコレートをひとつ口に含み、ころころと転がす名無しの目元がとろりと溶ける。
俺はどうしても彼女の意図が分からず、ますます謎が深まるばかりだった。
「?、よく分からねぇな」
「…言わなきゃダメです?ちょっと恥ずかしくなってきちゃいました」
「ここまで言って言わないのはなしだろ」と俺が言えば、名無しが口の中で溶かしていたチョコレートを嚥下する。
あーとか、うーとか、言いにくそうに悩んだ末、少し頬を染めて彼女はぽつりと答えた。
「その…私が喜ぶかなって考えてくれてたのが嬉しいな、って。」
恥ずかしそうにはにかむ彼女の笑顔が、いつもより眩しく見えた。
あぁ、もう。
愛しさが言葉にできない
「…な?スゲー可愛いだろ?」
「悪魔を狩りながらする惚気じゃないわね」
レディが倒れた悪魔の脳天に鉛玉を打ち込みながら呆れたように溜息を吐く。
「それもそうだな」と笑いながら、ダンテはエボニー&アイボリーを手馴れた手つきでホルスターに仕舞った。
さて、今日はどんな手土産を持って帰ったら彼女は喜ぶだろうか?
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