ビール髪の騎士将軍

「ミオンちゃん」

「あ、ラファエだ」

「ひさしぶり」

「どうしたの」

「さっき買い間違えた、ストロベリー(いちご)の牧場の朝もらって」

 ミオンちゃん、嬉しそう。

「これで、今日から3日分浮いたぞ。ドクターペッパーだ」

 アンちゃん、嬉しそう。

「アタボーよー」

「ラファエ、元気そうだなあ」

「うん、もうあの胡散臭いアバンチュールは、トムに譲ることにしたんだ」

「よかったな」

「トム、ありがとうな」

「聞こえてないかもしれないけどさ」

 ラファエは、力強くガッツポーズをした。

「そういえば、噂で聞いたんだけど」

「何、ラファエ?」

「ミオンちゃんは、昔、ランカサスの戦いで有名だった、趙雲子龍なの?」

 ミオンちゃんは、長い答えを用意した。

「うん、昔、曹操さんの命令で、鳥取砂丘で格闘戦をしたときに、ラルさんと夫妻になる約束をして、今に至ったんだ。本当だよ」

「曹操さん?」

 ラファエは、その難しい人名を知らなかった。

「ホーリーアタックが特技なんだ。フォーチュンテラーで(占い師です)」

「この射手座のアンちゃんのことも占ってくれるんだろうか」

「きっとラルさんともうまくいくよ」

「ミオンちゃん、かたじけねえ」

 そこで、ふと、ミオンちゃんは、気づいた。

「ラファエ、何回かあったことないか?」

 うん、あ、レインだ!

「アンちゃん、お待たせー、弟子のクリリンだよー。いつもありがとう」

 レイン・ラザリフ。その名、クリリン。

「必ず、あーんちゃーんを、越えてやる。レインくん、どうぞよろしくだ」

「レイン、いつまでもだぞ。ラファエ、よろしくだ」

「アンちゃん、大好きだよ」

「よかったなあ、ラファエ。レオンみたいにいなくならないでな。な、レイン」

「立派になったな」

「明日からも、がんばって、みんなの大きなことから小さなことまで、支えられる、レインになるんな。レインの誓いだもんな」

 レインは、嬉しそうに、胸をはった。

「アンちゃん、また一緒にカラオケでGLAY歌おうね」

「アタボーよ!」

 さあ、もうちょっとで、楽しい朝が来るぞ!

「あ、ラファエ、ちょっと待っていろよ。今、曹操さんからいただいた秘伝の…」
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