4人目
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「ていうか五条先生、月詠はいつ紹介するんですか」
六本木、呪霊退治終了後。
伏黒が唐突にそう言うと、五条はあ〜と口を開けて「忘れてた」と舌を出した。真っ黒な目隠しをしていて目元は見えないはずなのに、ウザったいウィンクが見えた気がした。
虎杖と釘崎が「月詠?」と首を傾げる。そう言えば1年生って4人だっけ。後一人いない。
「担任が生徒を忘れないでください」
「いやだって2週間近くいなかったじゃん。そう言えば今日帰って来たんだっけ、もう寮かな。誘夜も呼ぼう」
「アイツ疲れてんじゃないですか、出張帰りで」
「でも仲間外れはよくないじゃん、折角の1年ズ親睦会だしさあ」
五条がスマホを取り出してその【月詠誘夜】に電話をかける。月詠誘夜を知らない虎杖と釘崎に聞かせる為にスピーカーに設定した。
プルルル、プルルル。とコールが何度か響く。五条が「あー、やっぱ寝てるかな」と落胆した声で呟いたとき、スマホから「あい、もしもし」と、とびきり眠そうな女の低い声が聞こえてくる。思い切り寝起きの声だった。電話で起こしてしまったらしい。
虎杖はちょっと申し訳なく思ったが、かけた張本人である五条は遠慮もクソもなく寝起きには辛い明るい声で「あ、誘夜?お疲れサマンサー!」と言った。
「今寮?ステーキ食べに行くんだけど来れる?」
『あーしもう夕飯食った。つか誰と』
「またまた。どーせ完全食で済ませてんでしょ。食べたうちに入らないって。たまには不健康に美味しいもの食べな、君死ぬほど細いんだから」
『誰と』
「会話を面倒くさがんなよ。1年生で親睦会」
『恵くん?』
「誘夜が出張行ってる間に他の1年生も揃ったんだよ、ホラ」
五条が1年3人の顔を見てから手に持ってるスマホを指して、クッと顎を動かした。『皆からも誘って』という意味だろう。
先陣切ったのは勿論社交的で人柄の良い虎杖で、「月詠サン一緒にビフテキ食いましょー!!」とスマホに向かって言った。次に伏黒が「五条先生の奢りだぞ」と言うが五条は「あ奢りはしないかな」とキッパリ断って「奢んねえってよ」とコントみたいな会話をした。釘崎が「私の他に女の子いたの。顔見たいからアンタも来なさいよ」と告げる。
スマホの向こう側で月詠誘夜が「ん〜〜ッ、よろしく〜〜」と眠そうに唸る。そしてバサバサと布が擦れる音が聞こえてきた。多分ベッドから出たのだろう。
『ダル着でい?』
「お、いいよいいよ〜!できれば学生らしく制服がいいんだけど、来てくれるなら何でも!」
『いや今から化粧すんのダル……』
「別にしなくていいじゃん。スッピンでもケバいよ誘夜」
『悟くんさあ。男には収入とデリカシーがあるべきだと思わない?』
「う〜ん、言うようになったね君」
『ニャハハ、切んね。後で店送ってン』
話していて目が覚めてきたのか、最後はハッキリとしたハスキーな声がスマホから聞こえてきた。ご機嫌そうに語尾を色っぽく跳ね上がる。そうしてブツッと通話が切れる。
五条がパッとスマホを持ったまま手を広げた。そして虎杖釘崎に「どうだった?」と聞く。
「なんかギャル系?俺ちょっと声かけんの怖かったんだけど!」
「誘夜はギャルっていうかヤンキーかな!でも当たり」
「私しょーじき仲良くなれなさそ〜」
「うん、多分それ誘夜も思ってると思う。でも同学年の女の子同士仲良くね」
と、いう印象を持ってそれぞれ持って。六本木の立ち食いステーキ店の前で待ち合わせた。
「つか俺らが来るまで伏黒ギャルと2人だったのちょっとウケんな」「は?」「あ、確かに。意思疎通できてたの?」「できてた」「恵の周りあーいうタイプいなかったもんね。最初結構扱い困ってたでしょ」「いらんこと言うなアンタは」とダラダラとくだらない会話をしながらあと一人の同級生を待っていると、伏黒がチラとなにかに気づいた風に前を見てから「来ましたよ」と五条に言った。
それに虎杖と釘崎がパッと振り向く。これから青春3年間共に過ごす女の子。どんな子なのかはやっぱり気になるので。
一言派手な美貌の女だった。
恐らく虎杖と近い身長で、オーバーサイズのスウェットの裾や袖から伺える手首足首の細さからするに全体的に細身である。
マスクが隠した面は半分以上隠れていても恐ろしく整っているとわかる。黒いドレスを翻すような苛烈を思わす長い睫毛と、ナイフで切り込んだような鋭いアイラインが巨大な目を更に力強く印象づけた。肌は冷酷をファンデーションにしたかの如く白く、冷たく。真っ黒なスウェットがその肌を更に白く見せた。
威圧的な美貌が着飾るアングラ、ピープス、無秩序排他的。現れたのはおおよそ高校生とは思えない雰囲気の、とにかく火力があって柄の悪い美人だった。
それがグイッと人差し指で顎までマスクを下ろして、ニコッとかわいく笑った。月詠が「おつかれ」と右腕を上げると、ゆとりのあるスウェットの裾が落ちて真っ赤な彼岸花が掘られたド派手な刺青が見えた。
虎杖は身長が高い子が好みだったので見た瞬間『あ、いいなあ』と思ったが、彼女がこちらに歩み寄るにつれ、その迫力のある美貌に思わずヒ~ッ、と萎縮した。結構見た目とか雰囲気とかタイプの子だけど、都会美女めっちゃ怖い。
一方釘崎はあまりの柄の悪さにウゲッと顔を顰めた。深夜のドンキにいそうな女である。生き甲斐が酒とヤニとクスリしかないみたいなダウナーで色気ある女。こんな界隈じゃなきゃ絶対近寄りもしなかった人種である。
色めきたちながらもビビる虎杖、ドン引きの釘崎の反応を横目で見ていた伏黒は『まあそうだよな』と眉間にムッと皺寄せて困った風に首を右に傾けた。
自分も最初そうだったし。
伏黒がそんなことを考えてるとは露知らず、月詠はへらりと笑って「恵くんおひさあ」 と顔の前でふらふらと手を振った。何を考えているかは知らんけど、考え事をしてる顔だったからおちょくりたかったのだろう。
そして次に「それから2人は」と虎杖と釘崎に向き直り、ニコッと。物騒な第一印象が緩和するやんわりとした無害そうな顔で笑った。
「月詠誘夜 、よろしく」
*
六本木、呪霊退治終了後。
伏黒が唐突にそう言うと、五条はあ〜と口を開けて「忘れてた」と舌を出した。真っ黒な目隠しをしていて目元は見えないはずなのに、ウザったいウィンクが見えた気がした。
虎杖と釘崎が「月詠?」と首を傾げる。そう言えば1年生って4人だっけ。後一人いない。
「担任が生徒を忘れないでください」
「いやだって2週間近くいなかったじゃん。そう言えば今日帰って来たんだっけ、もう寮かな。誘夜も呼ぼう」
「アイツ疲れてんじゃないですか、出張帰りで」
「でも仲間外れはよくないじゃん、折角の1年ズ親睦会だしさあ」
五条がスマホを取り出してその【月詠誘夜】に電話をかける。月詠誘夜を知らない虎杖と釘崎に聞かせる為にスピーカーに設定した。
プルルル、プルルル。とコールが何度か響く。五条が「あー、やっぱ寝てるかな」と落胆した声で呟いたとき、スマホから「あい、もしもし」と、とびきり眠そうな女の低い声が聞こえてくる。思い切り寝起きの声だった。電話で起こしてしまったらしい。
虎杖はちょっと申し訳なく思ったが、かけた張本人である五条は遠慮もクソもなく寝起きには辛い明るい声で「あ、誘夜?お疲れサマンサー!」と言った。
「今寮?ステーキ食べに行くんだけど来れる?」
『あーしもう夕飯食った。つか誰と』
「またまた。どーせ完全食で済ませてんでしょ。食べたうちに入らないって。たまには不健康に美味しいもの食べな、君死ぬほど細いんだから」
『誰と』
「会話を面倒くさがんなよ。1年生で親睦会」
『恵くん?』
「誘夜が出張行ってる間に他の1年生も揃ったんだよ、ホラ」
五条が1年3人の顔を見てから手に持ってるスマホを指して、クッと顎を動かした。『皆からも誘って』という意味だろう。
先陣切ったのは勿論社交的で人柄の良い虎杖で、「月詠サン一緒にビフテキ食いましょー!!」とスマホに向かって言った。次に伏黒が「五条先生の奢りだぞ」と言うが五条は「あ奢りはしないかな」とキッパリ断って「奢んねえってよ」とコントみたいな会話をした。釘崎が「私の他に女の子いたの。顔見たいからアンタも来なさいよ」と告げる。
スマホの向こう側で月詠誘夜が「ん〜〜ッ、よろしく〜〜」と眠そうに唸る。そしてバサバサと布が擦れる音が聞こえてきた。多分ベッドから出たのだろう。
『ダル着でい?』
「お、いいよいいよ〜!できれば学生らしく制服がいいんだけど、来てくれるなら何でも!」
『いや今から化粧すんのダル……』
「別にしなくていいじゃん。スッピンでもケバいよ誘夜」
『悟くんさあ。男には収入とデリカシーがあるべきだと思わない?』
「う〜ん、言うようになったね君」
『ニャハハ、切んね。後で店送ってン』
話していて目が覚めてきたのか、最後はハッキリとしたハスキーな声がスマホから聞こえてきた。ご機嫌そうに語尾を色っぽく跳ね上がる。そうしてブツッと通話が切れる。
五条がパッとスマホを持ったまま手を広げた。そして虎杖釘崎に「どうだった?」と聞く。
「なんかギャル系?俺ちょっと声かけんの怖かったんだけど!」
「誘夜はギャルっていうかヤンキーかな!でも当たり」
「私しょーじき仲良くなれなさそ〜」
「うん、多分それ誘夜も思ってると思う。でも同学年の女の子同士仲良くね」
と、いう印象を持ってそれぞれ持って。六本木の立ち食いステーキ店の前で待ち合わせた。
「つか俺らが来るまで伏黒ギャルと2人だったのちょっとウケんな」「は?」「あ、確かに。意思疎通できてたの?」「できてた」「恵の周りあーいうタイプいなかったもんね。最初結構扱い困ってたでしょ」「いらんこと言うなアンタは」とダラダラとくだらない会話をしながらあと一人の同級生を待っていると、伏黒がチラとなにかに気づいた風に前を見てから「来ましたよ」と五条に言った。
それに虎杖と釘崎がパッと振り向く。これから青春3年間共に過ごす女の子。どんな子なのかはやっぱり気になるので。
一言派手な美貌の女だった。
恐らく虎杖と近い身長で、オーバーサイズのスウェットの裾や袖から伺える手首足首の細さからするに全体的に細身である。
マスクが隠した面は半分以上隠れていても恐ろしく整っているとわかる。黒いドレスを翻すような苛烈を思わす長い睫毛と、ナイフで切り込んだような鋭いアイラインが巨大な目を更に力強く印象づけた。肌は冷酷をファンデーションにしたかの如く白く、冷たく。真っ黒なスウェットがその肌を更に白く見せた。
威圧的な美貌が着飾るアングラ、ピープス、無秩序排他的。現れたのはおおよそ高校生とは思えない雰囲気の、とにかく火力があって柄の悪い美人だった。
それがグイッと人差し指で顎までマスクを下ろして、ニコッとかわいく笑った。月詠が「おつかれ」と右腕を上げると、ゆとりのあるスウェットの裾が落ちて真っ赤な彼岸花が掘られたド派手な刺青が見えた。
虎杖は身長が高い子が好みだったので見た瞬間『あ、いいなあ』と思ったが、彼女がこちらに歩み寄るにつれ、その迫力のある美貌に思わずヒ~ッ、と萎縮した。結構見た目とか雰囲気とかタイプの子だけど、都会美女めっちゃ怖い。
一方釘崎はあまりの柄の悪さにウゲッと顔を顰めた。深夜のドンキにいそうな女である。生き甲斐が酒とヤニとクスリしかないみたいなダウナーで色気ある女。こんな界隈じゃなきゃ絶対近寄りもしなかった人種である。
色めきたちながらもビビる虎杖、ドン引きの釘崎の反応を横目で見ていた伏黒は『まあそうだよな』と眉間にムッと皺寄せて困った風に首を右に傾けた。
自分も最初そうだったし。
伏黒がそんなことを考えてるとは露知らず、月詠はへらりと笑って「恵くんおひさあ」 と顔の前でふらふらと手を振った。何を考えているかは知らんけど、考え事をしてる顔だったからおちょくりたかったのだろう。
そして次に「それから2人は」と虎杖と釘崎に向き直り、ニコッと。物騒な第一印象が緩和するやんわりとした無害そうな顔で笑った。
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