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【アトラクション説明】
カスバマジックショーが今年もやってくる!
みんな、アラビアンコーストのカスバ・フードコートへ集合だ! -
シャバーンとアシーム登場
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シャバーン
はーい皆さん、偉大なるマジシャン・シャバーン様です。
趣味はガーデニングです。得意なことはマジックです。 -
花を出してアシームに投げるシャバーン。パラパラと拍手が起きる。
ふとアシームが後方に目をやると、赤い踊り子衣装のお姉さんがスーッと歩いていくのが見える。 -
シャバーン
さて、今日は皆様のためにこのシャバーンが手料理を作ってまいりました!
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ここから毎年恒例、手料理のマジックがスタート。その間、先程のお姉さんは後方の隅っこにてしゃがんでショーを見学している。
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シャバーン
ありがとうございました!では続いてですが………その前に少々お待ちを。
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後ろを向いて何かを確認するシャバーン。
どうやら何か忘れ物があるらしい。
とりあえず続行するために、演目の交代が起きる。 -
シャバーン
(小声で)アシーム、準備しとけって言っただろ!伸びるスプーンはどこいったんだ
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アシーム
知りませんよぉ。昨日自分で「さわるなよ!」って言いながら、机の上に置いてたじゃないですか
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シャバーン
あっ……
まっ、まぁいい!
皆様それでは次なるマジックを…… -
続いて、ヒヨコのヨシダたちが出てくるマジックが披露される。後方でこっそり見ている踊り子のお姉さんは、たまに観客に手拍子を促したりしている。(キャストか……?とこのあたりで一部の人が仮装民ではない可能性に気づき始める)
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さて、ヒヨコのヨシダを見せていると、シャバーンが後方のお姉さんにも挨拶をした。
どうやら仮装したお姉さんだと思っているらしい。 -
シャバーン
はーい、お姉さんもよく見て。ヨシダ、ぺちゃんこになっても生き返ります。
ダーッ!ダーッ!ダーッ!
ほら、フェニックス・ヨシダです。 -
お姉さん、爆笑どころかやや引いている。ここで、アシームが何かに気づいたような様子を見せる。
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アシーム
あーっ!お姉さん、ラティーファ様にそっくりですね。素敵な衣装だなぁ……しかもそれ、シャバーン様がラティーファ様にプレゼントしたのとそっくり……!
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シャバーン
うんうん、たしかにそっくり。良く出来てる。顔もそっくり。
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ここで初めてお姉さんが声を出す。
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ラティーファ
ありがとう。
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シャバーン
うーん、声もそっくり……って、え!!?
(後ろに後退りして)
えっ!!?えっ!??
本物!? -
ラティーファ
忘れ物を届けに来たんだけど、あまりに楽しそうな雰囲気だからつい……ここで見学してたの
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アシーム
えーっ、そうだったんですか……!
皆さん、今日はラッキーですね! -
が。来てくれて嬉しいはずなのに、シャバーンが天邪鬼になってしまう。
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シャバーン
……で。何しに来たんだ。
スプーンは持ってきてくれたんだろうな -
ラティーファ
ええ。
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そう言うと、ラティーファがスプーンを取り出す。礼も言わずさっさと受け取ろうとするシャバーンに、彼女がフェイントをかける。
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シャバーン
ちょっ、ちょっ!!
何するんだ!
どっかのアイス店みたいなことしてないで早く渡しなさい。 -
しかし、ラティーファのフェイントは止まらない。彼女は振り向きざまに意地悪な笑みを浮かべている。
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ラティーファ
……「ありがとう」は?
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シャバーン
……ありがとうございますーっ!
これで満足ですかー!? -
ラティーファ
……よくできました
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ようやくスプーンを手に入れることができたシャバーン。ラティーファは満足そうに笑うと、入口の邪魔にならない場所へ移動してしまった。そのまま帰ると思いきや、シャバーンのマジックショーが気になるらしくこっそりこちらを見ている。
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シャバーンのマジックがラストに差し掛かったところで、例のシルクハットの箱が出てくる。(うさぎの色を変えるマジックのやつ(2018年参照))
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アシームは以前の恥ずかしすぎる謎のダンスと歌を思い出して苦笑いしている。
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アシーム
えっまたこれするんですか
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シャバーン
今年も踊っちゃうよ
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アシーム
ええっ……(困惑)
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ゲストを指名するわけにもいかず、戸惑うアシーム。ふと、彼の視界にラティーファが飛び込む。
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アシーム
あー……ええと……あっ!そうだ!ラティーファ様、良ければ僕の代わりにどうですか?
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突然振られたとはいえ、事前情報一切なしのラティーファは快くOKサインをしている。
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ラティーファ
良いわよ!
たしか、ウサギのマジックよね。やり方は知ってるわ。 -
アシーム
さすがラティーファ様!
それでは皆様、今日限りのスペシャルアシスタントのラティーファ様に拍手を! -
ゲストの拍手。過年のノリを知っているゲストはすでに笑いをこらえている。
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ラティーファ
……あの、なんかすでに笑ってる人がいるけど……これ、私がやって大丈夫なやつ?
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アシーム
はい、大丈夫です!シャバーン様の言う通りにしていただければOKです
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ラティーファ
なんか不安になってきた……
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ラティーファの不安をよそに、ノリノリのシャバーンが説明を始める。
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シャバーン
今からこのハットの中に入っているウサギ……それぞれ、白と黒ですね。
こちらの色を変化させます! -
ラティーファ
なるほど。そこは私も知ってる下りね
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シャバーン
で、変化させるためには皆様の手拍子と、我々のダンスが必要です。
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ラティーファ
ほう。
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シャバーン
あと、歌も必要です。
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ラティーファ
ほう……
って、えっ!? -
ラティーファ
歌うの!?
えっ!?ちょっと待って何を!?
新しい世界見せちゃうの!? -
シャバーン
ア・ホール・ニュー・ワールド〜♪
あーたーらーしーいせーかいーー♪ -
アシーム
わー、カオス……
ラティーファ様、何やってくれてるんですか -
まだ歌っているシャバーン。
この調子だとマジックショーではなくなりそうだ。 -
ラティーファ
ごめんなさい……(笑)
まさか歌い始めるとは思わず……
で、シャバーン様。もうあなたの美声は全員把握したから、本題に入ってもらえるかしら。 -
シャバーン
はいはい、じゃあ行きますよ。
ラティーファは、このわしの動きと、ダンスと、あと歌を真似してくれ。
それでは参ります。 -
シャバーン
せーの……
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アシームとゲストたちは既に笑っている。ただ一人、この先の展開を知らないラティーファは真面目な顔をしてシャバーンを観察している。
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シャバーン
チャララビア〜ン♪
チャラララビア〜ンビア〜ン♪
チャラララララ~ビアンアラビア〜ンアラビア〜ンアラビア〜ンビャビャ〜〜ン♪ -
古のマジックショーで流れるあの曲のメロディーを、明らかに字足らずなリズムと共に叫びながらその場を回るシャバーン。
基本的にシャバーンのことは全肯定スタイルなラティーファでさえ、今回は口を開けて唖然としている。 -
ラティーファ
……アシーム
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アシーム
はい。
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ラティーファ
……良い苦労してるわね
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アシーム
ありがとうございます
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シャバーン
はい、じゃあやってみましょうね。
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ラティーファ
あーっ、私……用事を……思い出した……かも。帰ったら……怒る?
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シャバーン
怒る。
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ラティーファ
そこを、なんとか……
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エンターテイナーとしていつも挑戦を続けてきたラティーファとしても、さすがにあのダンスと歌はちょっと勇気がいるらしい。
ここで、シャバーンが禁断の文句を言う。 -
シャバーン
ラティーファちゃ〜ん!
シャバーンちゃんと一緒に夢の国で思い出作ろうよぉ〜! -
ラティーファ
仕方ないわねぇ。
わかったわよ。
いいわ、完璧なハモリを見せてやるわ! -
裾をヒラヒラさせながら駄々をこねつつそう言われると、ラティーファもOKと言わざるを得ない。彼女は覚悟を決めた様子で箱を受け取ると、位置についた。
2人が並ぶと、意外に身長差があるなぁという声がぼそっとゲストから上がる。 -
アシーム
シャバーン様、ああ見えてスタイル良いですからね
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シャバーン
そうだろ、ふふふっ
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シャバーン
んじゃ、一回ソロで練習しようか。
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ラティーファ
はーい
……って、えっ!?ソロ!? -
シャバーン
わしもさっきしたじゃん。お前もやらんと不公平だろ
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ラティーファ
り、理不尽……
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ラティーファ
いいわ。やってやる。
このラティーファ、ダンスだけが取り柄じゃないって、このアラビアンコーストに集いし皆様にお見せするわ! -
拍手が巻き起こる。かえってハードルが上がっているような気がするが。
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ラティーファ
それではいきます!
3、2、1…… -
ラティーファ
チャララビア〜ン♪
チャラララビア〜ンビア〜ン♪
チャラララララ~ビアンアラビア〜ンアラビア〜ンアラビア〜ンビャビャ〜〜ン♪ -
シャバーン
はい、拍手!
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席から拍手が巻き起こる。
ラティーファの方は恥ずかしさは無くなったようだが、逆にちょっと笑いをこらえている。 -
シャバーン
さて!それでは気を取り直して。
ここに白と黒、二つのシルクハットがあります。私、シャバーンが持っている白のシルクハットの中には白いうさぎ。 -
ラティーファ
そして私、ラティーファが持っている黒のシルクハットの中には黒いうさぎがいます!
……青じゃないわよ。 -
シャバーン
では今から我々が不思議な呪文歌いながら掛けて、このウサギたちを交換しちゃいます!
それでは、ミュージックスタート! -
突然エンターテイナーの顔になった二人。一瞬でタイミングを取り、息ぴったりのダンスと歌を開始する。
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シャバーン
チャララビア〜ン♪
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ラティーファ
チャラララビア〜ンビア〜ン♪
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シャバーン
チャラララララ~ビアン♪
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ラティーファ
アラビア〜ンアラビア〜ンアラビア〜ンビャビャ〜〜ン♪
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シャバーン
はい、それではオープン!
白いウサギは黒いウサギに! -
ラティーファ
黒いウサギは白いウサギになりました!
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シャバーン
オー
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ラティーファ
アラビア〜ン!
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二人の息ぴったりな掛け声とマジックの成功に拍手が起こる。
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アシーム
なんだかんだノリノリですね
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ラティーファ
ここまで来たら、いっそ楽しまないとね……
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シャバーン
さて!今度はもう一回、このウサギたちをもとに戻します。
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ラティーファ
じゃ、行くよ!
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再び歌って踊る二人。ウサギはみごとに元の色に戻っている。
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シャバーン
はい!ではもう一度。
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ラティーファ
はい……って、ちょっと!
三回はあまりに構成的にしつこくない?ほら、なんでも3回目には変化があると思うんだけど…… -
シャバーン
そういうのは、三流がやるの!
だけどね。シャバーンは超一流だから、何回やってもウケるの! -
ラティーファ
いや、絶対拍手のボリューム落ちてると思うけど……
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アシーム
ごもっともです。
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ラティーファ
(小声で)ごめん、みんな。ちょっとだけシャバーン様に付き合ってあげてほしいの!手拍子、よろしくね
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シャバーン
それじゃ、行くぞ!
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ラティーファ
はーい
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再びダンスと歌が繰り返される。そしてウサギの色は交換されている。
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シャバーン
オー
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ラティーファ
アラビア〜ン!!!!
はい、拍手!! -
拍手が起こる。
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シャバーン
さて、皆さんこんなこと思ってるでしょ。どーせ黒の裏が白で、白の裏が黒って。
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ラティーファ
なんで急に拗ねたの
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シャバーン
わしだってそう思うもん。
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ラティーファ
なるほど
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シャバーン
わーかりましたよ!
そんなに言うんならね、じゃあ箱被せないで回っちゃいますよ! -
ラティーファ
いや、誰も言ってないけど……
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シャバーン
しかも、
ご要望にお答えして、歌のキーも上がっちゃいます。 -
ラティーファ
そんな要望は聞こえなかったけど!!?
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ラティーファ
っていうか、単に歌って回るだけになるけど、大丈夫!?
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シャバーン
それでいいんです。
あなたはわしの言う通りに歌っときゃ良いんです。 -
ラティーファ
急に本性出さないで
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シャバーン
それでは参りましょう!本日一番の手拍子をお願いします!
ミュージック、スタート! -
シャバーン
(キーを上げて)チャララビア〜ン♪
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ラティーファ
えっそんな上がる!?
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ラティーファ
(キーを合わせて)チャラララビア〜ンビア〜ン♪
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シャバーン
チャラララララ~ビアン♪
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ラティーファ
アラビア〜ンアラビア〜ンアラビア〜ンビャビャ〜〜ン♪
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シャバーン
こっちのウサギは、オレンジ色で
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ラティーファ
こっちのウサギは虹色!
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二人は顔を見合わせて笑顔を浮かべている。なんとなく、距離が近い気がする。
ゲストたちから拍手が起こる。 -
シャバーン
オー
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ラティーファ
アラビア〜ン!!!
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アシーム
大成功〜!!
ラティーファ様に拍手をお願いします! -
シャバーン
わしにもね
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ラティーファ
パチパチ〜(棒読み)
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シャバーンにラティーファが拍手を送る。シャバーンはちょっぴり嬉しそうだ。
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アシーム
ひどーい。
僕がやったら、お前の拍手は要らないって言うのに…… -
ラティーファ
えっ、そんな酷いこと言うの?
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シャバーン
えっ
あっ
えっ、そっ、ソンナコトナイヨ
ねっ、アシーム君。事実無根な事言わないの。皆様、わしそんな事言いまそんよね? -
近くにいたゲストが絡まれる。ラティーファが優しく近くにやってきて、ゲストに小声でサポートする。
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ラティーファ
どう?ホントのこと言ってくれて良いわよ
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「しょっちゅう言ってます」と答えるゲスト。シャバーンが心臓を押さえて倒れるフリをする。
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シャバーン
ズキーン
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ラティーファ
やっぱり。
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ラティーファ
まっ、こんな人だけどみんなを楽しませたいっていう気持ちは本物だから、大目に見てあげて。
それでは、引き続き東京ディズニーシーで素敵な時間をお過ごしください!お邪魔しました。サラーム!
シャバーン様、アシーム、ゲストの皆様、ありがとう!とっても楽しかったわ! -
シャバーン
はいはい、どういたしまして。
サラーム! -
アシーム
サラーム!ありがとうございました!
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手を振って退場しようとする三人。ラティーファは貴族の令嬢らしく、優雅なお辞儀をしている。その頭に、シャバーンが白いハト(アヒル?ヒヨコ?毎回発言が変わる。)のヨシダを乗っけて遊びはじめる。
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ラティーファ
あっ、シャバーン様!せっかくオチを綺麗にまとめたのに
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シャバーン
ダーッ!
フェニックス・ヨシダ・アタック! -
小学生男児のようなちょっかいの掛け方をするシャバーン。アシームも呆れている。
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アシーム
絡まないでください。ラティーファ様の髪の毛崩れちゃうじゃないですか
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ラティーファ
髪の毛より、ヨシダが可哀想よ
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シャバーン
ヨシダは不死身だから大丈夫。
ダーッ!ダッ!ダッ! -
ラティーファ
そろそろ苦情が来るわよ
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アシーム
そうですね、帰りましょう
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シャバーンはラティーファに飽き足らず客席に向かって、ヨシダで絡みに行っている。ラティーファとアシームは、この隙に退場してしまった。
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シャバーン
ダッ!
……あれ?
アシーム?ラティーファ?
わしを置いていくな!こらーっ!!
では皆様、サラーム!
良い一日をお過ごしください! -
シャバーン
ふたりとも、待ってくれ!ちょっ、ごめんってば!
置いていかないでぇぇ -
シャバーンが慌ただしく消えていく。
ショーは以上で終了らしい。 -
ちなみにこのあと、外でシャバーンはラティーファとアシームに追いつき、3人仲良くアラビアンコーストへ消えていったらしい。
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End
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