quartet
帰り道は、同じタイミングで部活が終わり、同じ駅に向かうため
2人の交際が始まってからも4人一緒なのは変わらなかった。
・・・ただし、2人ペアの組み合わせは固定になった。
歩道の幅からして4人で並んで歩くのは不可能なため
2・2に分かれて並んで帰るのだが、今まではランダムだったのだ。
しかし今はもう、キララクス・アスランカガリのペアにしかならない。
「ラクス、期末の範囲さ、英語ってどこまでだっけ?」
「わたくし達は57ページまでですが・・キラは理系クラスだから少し違うのではありませんか?」
「ああ!そっかー」
「授業のコマ数が違いますものね」
「なんか一緒のクラスだった頃の感覚が抜けないなあ」
「ふふっ」
少し前を歩くカップルの会話が風に乗って聞こえてくる。
カガリは少し躊躇いつつも隣の人物に小さく声をかけた。
聞かずにはいられなかったのだ。
「アスランはどう思ったんだ・・・? 二人が付き合うって聞いたとき」
「どうって・・。普通に、良かったなって思ったけど」
「驚きとか戸惑いとかなかったのか?」
「キラの気持ちは前から知ってたからな。ラクスが同じ気持ちだってことも、見てたらなんとなく・・」
「ええっ!?」
思いがけない言葉に、カガリは声をひそめることも忘れた。