恋唄 第5話



『この気持ちだけは、変わらない自信あるから』


告白したとき、俺が君に言った言葉。
今でもその気持ちは変わらない。

ずっと、ずっと変わらない自信がある。




…でも

それ以外は自信がないことばかりだ






【恋唄 第5話】







「はぁ、はぁ、はぁっ……」

ディアッカのアパートからの帰り道、何かを振りきるように全力で走って
俺は自分の部屋に帰ってきた。

あれでよかったんだ…


「はぁ……は…」


ディアッカの部屋でカガリの姿を見たとき、息が止まるかと思った。
“なんで”なんて考える前に、俺はものすごく黒い感情に支配された。

また男の部屋なんか上がり込んで…嫉妬に狂いそうになった。

このあいだみたいに、カガリに怒鳴ってしまいそうだった。


“俺がカガリのこと好きだって分かってて…!本気でそう言ってるのか!?”


感情をそのままぶつけて、壁まで叩きつけて…
俺の自分勝手な感情でカガリを怯えさせたんだ。


それと同じ過ちを繰り返さないように、感情を抑え込むことしかできなかった。



…覚悟してたことだ。
カガリにはどんどん友人が増えていって、飲み会だって合コンだって誘われたりするんだ。

楽しんでけって言えるくらいじゃないと、これから耐えられないじゃないか……!!



「くそ・・・っっ!!!!」


さっき抑え込んだ想いのまま、壁を叩きつけた。

縛りたい。
カガリを束縛したい。
この部屋に閉じ込めて俺だけのものにしたい…!


「カガリ……っ…」


爆発しそうな汚い激情は、もう限界だった。

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