恋唄 番外編Ⅱ



ある日、愛する妹から一通の絵はがきが届いた。


―――エアメール・・?
アメリカ!?


『突然だけどアメリカに留学しました。ドタバタしてて事後報告でゴメンな。でもアスランも一緒だから何の心配もいらないぞ!』


りゅ、りゅ、りゅ留学~~~~!?
しかも男と一緒ーーーー!!?





……僕は倒れそうになった……。







【恋唄 番外編Ⅱ】








「あら、アメリカだなんて素敵ですわね!」


カフェでのデートでラクスにその絵はがきを見せると、彼女は目をキラキラ輝かせた。

いやラクス、そこじゃないでしょ…。
問題は、いきなり留学なんてしてたことと、そしてあの男も一緒にいるってことなんだっ!
僕は交際は認めたけど、外国にまで連れて行っていいとは言ってないよ!!


「きっと遠い異国の地で、お二人で支え合ってらっしゃるんですわ」


遠い異国の地で二人―――

ま、まさか…!
親の目がないのをいいことに、同棲なんてしてるんじゃ…!?


「夢のためにお互いを高め合う関係なんて、素敵じゃありませんか!」


お互いを…たたたた高め合う~~~!?////
ちょっと待ったーーーーーッッ


「ラクス!今すぐアメリカに行こうっ!!」

「えっ…。今すぐ、ですか?」


思い立ったが吉日。僕の意識はもうすでに海の向こうにあった。
僕は兄として、妹がちゃんとした交際をしてるのかどうかを確かめる義務がある!!


「3日くらいなら大学休んでも平気でしょ!飛行機のチケットが取れ次第、すぐにでも行こう!!」

「え、あの…」

「まだ冬休みシーズンじゃないからすぐ取れるよね!?帰ったらさっそく荷造りしなきゃ!!」


「あの…、ですが……キラは、パスポートを持ってらっしゃるのですか?」



「――――あ。」


ラクスの何気ない問いに、僕は目を点にした。



答えはNOだった。

1/9ページ