恋唄 第16話
もっと早くカガリと出会って
もっと早く恋に落ちていればと
ただそう思う
【恋唄 第16話】
初めてベッドでカガリとキスをして…
素肌に触れても大きな抵抗はなかった。
やっとカガリと一つになれるんだと
今までで一番の喜びに包まれた。
まだ服も脱いでないのに昂ぶってしまう。
でももう抑える必要はないのだから、俺は自分を解放した。
夢中でカガリの躰を味わって…
気が付けば、カガリは震えて涙目になっていた。
『カガリ…。怖い…?』
『…ち、ちが……』
怖いと言われてもやめるつもりはなかったけど、カガリは初めてで戸惑っていただけだった。
それがたまらなく嬉しくて愛撫を再開する。
今まで誰も触れたことのないカガリの肌に…今触れているんだ。
こんなにも幸せなのは初めてで…
おかしくなりそうだ
『アスランは……』
ふいに、カガリの声色が今までと変わった。
『好きでもない子と…こんなことしたのか…?』
まっすぐに俺を見つめる琥珀の瞳。
一瞬で体が冷たくなっていく。
瞬きすら忘れた。
…その瞳を見て分かった。
今まで俺が見ないようにしてきたものを、突きつけられたのだと。