恋唄 番外編Ⅰ
ずっと君を探していた
幼い頃の記憶にぼんやりと残る
蜜色の髪を
【恋唄 番外編】
「…ええ、それはあなたの妹よ」
10歳のとき、思い切って母さんに聞いたら教えてくれた。
“ぼく、小さいときにキラキラした髪の子といっしょにいなかった?”
“あの子はだれなの? ぼくの家族じゃないの?”
ずっと一人で抱えていた疑問がやっと解決した。
妹―――
僕は自分が養子であることをとっくに知っていたけど
まさか血の繋がった妹がいたなんて。
母さんから差し出された1枚の写真に、僕は引き付けられた。
まだ養子になる前の幼い僕。
そして…僕の記憶に残っている通りの髪の色をした女の子。
裏には<キラ・ヒビキ、カガリ・ヒビキ>と書いてあった。
「カガリ……」