朔月転生 第4話
君が眠りについてから、何度夜が明けただろう。
あの図書室での凄惨な行為を…
俺はあれから1日たりとも忘れたことがない。
あのとき君は顔を覆って何を見ていた?
何を想っていたんだ…?
今はもう知ることができない。
・・・カガリ・・
結局一度もその名を呼ぶことができなかった――――
【朔月転生 -サクヅキテンセイ- 第4話】
家に帰って冷静さを取り戻すと、少しずつ…脳裏に甦ってきた。
俺が彼女にした行為
その一つ一つが克明に思い出される。
―――キレてしまってからの感覚は、頭でなく躰が覚えていた。
彼女の足首を掴んだこの手。
執拗に追い込み、強く打ち込み続けた腰。
射精したときの虚脱感…
確かにその記憶があるのに。
自分がそんなことをしたという事実が信じられなかった。
――――彼女の微笑みが目に焼きついて離れない・・
こんな後味の悪い行為は初めてだった。