朔月転生 第2話
私たちは一体どこで間違えてしまったんだろう。
なぜこんなことになったのか
何が悪かったのか
…そんなことばかり頭を巡って
現実を受け止めきれない。
『愛してる、カガリ…』
細められた翡翠の瞳に、優しい声…
あのアスランを戻して――――
【朔月転生 -サクヅキテンセイ- 第2話】
初めてアスランに会ったとき、人形みたいに綺麗な顔立ちをしてる人だなと思っただけだった。
私はキラと同じ大学に入れたのが嬉しくて浮かれていて、正直どんな会話をしたのかも覚えてない。
しばらくして大学生活に慣れてくると、自然と3人で遊ぶことが多くなった。
「わわっ、ジュースこぼしちゃった」
「大丈夫!?」
「カガリ、服が…」
「い、いいよ。アスランのハンカチの方が汚れる…」
「えっハンカチ!? アスランなんでそんなの持ってるの」
「なんでって、普通だろ?」
「フツー僕らの歳の男が持ってないでしょ!」
「そうなのか? でも俺は小さい頃からの習慣だし…」
「ぷっ…キラは生まれて一度も持ったことないんじゃないか?」
「あーカガリ笑ったなー!! 言っとくけどアスランが少数派なんだからね!」
バカが付くほど大真面目で、すごく優しくて、
誰よりも純粋な心を持っていて…
少しずつアスランのことを知っていくうちに、もっと一緒にいたいなと思うようになった。