オチのない話(SSまとめ)
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「さぁ?あったんじゃねぇの?」
いつもの逢瀬の時間。今日見聞きした世間話をひとしきり話し終わり、ふと以前から聞こうと思っていたことを彼女は口にしていた。だが返ってきたのはふわっとした回答。まぁ彼女からの質問に斉藤が真面目に取り合うかどうかはその日の気分次第ということもあり、今日は曖昧な日か、と自分を納得させる。
「気にはなるけど、斉藤くんの初恋って想像つかないわぁ!」
「あ?勝手に今のまま大人になったと思うなよ。俺も最初からこうじゃねぇんだよ。」
大人になったとは思えない発言に吹き出しそうになるのを我慢しながら、ありし日の斉藤少年について思いを馳せる。
最初からこうじゃなかったのだとしたら、一体幼い頃の斉藤はどんな様子だったか。案外引っ込み思案で両親や兄弟の後ろに隠れていたのかもしれない。今の彼からは想像つかないが、きっと可愛らしい子どもだったのは間違いない。見ることの叶わない彼の様子を想像し、勝手に微笑ましい気持ちになる。
彼女の様子に斉藤はまた始まったと言わんばかりに表情を歪める。
「そういうお前は誰なんだよ?人に聞くからにはしっかり覚えてんだろな〜?」
「私は良くお世話になった近所のお兄さんよ〜。」
ちょうど隣に五つほど離れた兄のような人がいた。もちろん彼女は実兄もいるため、兄と彼に自分が混ぜてもらうようなそんな感じだった。
「懐かしいわね……そのお兄さんがまた色男で、近所の女の子たちみんなの憧れだったんじゃないかしら。」
「……お前、ほんとミーハーだよな。俺と言い、色男なら誰でもいいのかよ。」
そう言う彼は少しだけ拗ねているようだ。もう自分が六つや七つの時の話を今のようにとらないでほしいと苦笑する。もちろん嫌ではなく、喜んでいるが彼女が喜ぶと斉藤はさらに不機嫌を撒き散らすだろう。
それから自身を堂々と色男にカウントする斉藤の様子にうんうんと頷いた。やはり斉藤くんはこうでなくては。
「こう見えて性格で選んでるつもりなのだけど。あのお兄さんもとても良くしてくれたし。」
「ふーん。外面のいい奴って何考えてるかわかんねぇよなァ。」
やはり相変わらず彼女の口から出た『初恋の人』発言が気に食わないのか不平を呟く彼。全国の外面のいい人に失礼でしかない。
「貴方ほど外面と中身が合わない人も珍しいけれどね。これでも商人の娘よ。人を見る目はあるつもり。」
少しだけ自信ありげに彼女が口角を上げて見せると、どうだかと肩をすくめる彼。
「父親と兄貴の人の良さ見てると、信じられねぇわ。」
確かに父と兄は人が良すぎて、すぐ騙される。そこは反面教師というか……。と内心否定をしつつも、彼らの騙され加減も中々なものであることもあって、斉藤の指摘に早くも自信を失った彼女は少しだけ彼を伺うように続ける。
「……初恋の相手は見る目がなかったかもしれないけれど、今は間違ってないつもりよ。」
「……どーだか。」
言葉とは裏腹に心底嬉しそうに細められた瞳に、やはりすぐさま彼女は自信を取り戻した。やはり斉藤くんはこうでなくては。
いつもの逢瀬の時間。今日見聞きした世間話をひとしきり話し終わり、ふと以前から聞こうと思っていたことを彼女は口にしていた。だが返ってきたのはふわっとした回答。まぁ彼女からの質問に斉藤が真面目に取り合うかどうかはその日の気分次第ということもあり、今日は曖昧な日か、と自分を納得させる。
「気にはなるけど、斉藤くんの初恋って想像つかないわぁ!」
「あ?勝手に今のまま大人になったと思うなよ。俺も最初からこうじゃねぇんだよ。」
大人になったとは思えない発言に吹き出しそうになるのを我慢しながら、ありし日の斉藤少年について思いを馳せる。
最初からこうじゃなかったのだとしたら、一体幼い頃の斉藤はどんな様子だったか。案外引っ込み思案で両親や兄弟の後ろに隠れていたのかもしれない。今の彼からは想像つかないが、きっと可愛らしい子どもだったのは間違いない。見ることの叶わない彼の様子を想像し、勝手に微笑ましい気持ちになる。
彼女の様子に斉藤はまた始まったと言わんばかりに表情を歪める。
「そういうお前は誰なんだよ?人に聞くからにはしっかり覚えてんだろな〜?」
「私は良くお世話になった近所のお兄さんよ〜。」
ちょうど隣に五つほど離れた兄のような人がいた。もちろん彼女は実兄もいるため、兄と彼に自分が混ぜてもらうようなそんな感じだった。
「懐かしいわね……そのお兄さんがまた色男で、近所の女の子たちみんなの憧れだったんじゃないかしら。」
「……お前、ほんとミーハーだよな。俺と言い、色男なら誰でもいいのかよ。」
そう言う彼は少しだけ拗ねているようだ。もう自分が六つや七つの時の話を今のようにとらないでほしいと苦笑する。もちろん嫌ではなく、喜んでいるが彼女が喜ぶと斉藤はさらに不機嫌を撒き散らすだろう。
それから自身を堂々と色男にカウントする斉藤の様子にうんうんと頷いた。やはり斉藤くんはこうでなくては。
「こう見えて性格で選んでるつもりなのだけど。あのお兄さんもとても良くしてくれたし。」
「ふーん。外面のいい奴って何考えてるかわかんねぇよなァ。」
やはり相変わらず彼女の口から出た『初恋の人』発言が気に食わないのか不平を呟く彼。全国の外面のいい人に失礼でしかない。
「貴方ほど外面と中身が合わない人も珍しいけれどね。これでも商人の娘よ。人を見る目はあるつもり。」
少しだけ自信ありげに彼女が口角を上げて見せると、どうだかと肩をすくめる彼。
「父親と兄貴の人の良さ見てると、信じられねぇわ。」
確かに父と兄は人が良すぎて、すぐ騙される。そこは反面教師というか……。と内心否定をしつつも、彼らの騙され加減も中々なものであることもあって、斉藤の指摘に早くも自信を失った彼女は少しだけ彼を伺うように続ける。
「……初恋の相手は見る目がなかったかもしれないけれど、今は間違ってないつもりよ。」
「……どーだか。」
言葉とは裏腹に心底嬉しそうに細められた瞳に、やはりすぐさま彼女は自信を取り戻した。やはり斉藤くんはこうでなくては。
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