甘えてよ(凪×夢主)

ー今日は部活動が休み。
(夢主といっぱい居られる)
彼女である夢主に会いたい思いが強く、いつもより早く起きた凪は彼女がいる寮へ向かった。
(……やば。早すぎて寮の門が開いてない)
「んー。開くまで待つのだるいなぁ」
どうにかして寮に入れないか、凪は周囲を歩き回る。
「あっ! いいものみつけたー」
凪の目の前に工事中の軽トラックが停車していた。
「ちょっと借りまーす」
軽トラックの荷台部分に乗った凪は、そこからジャンプして寮の壁を超えた。
「よしっ、侵入成功。えーっと、夢主の部屋は1階の……」
寮母、寮生に見つからないように凪は背を屈みながら夢主の部屋を目指した。

*

「うー……怠い……頭痛い……」
夢主はベッドから起き上がれず呻いていた。
(……今日は凪くんの部活動は休み……凪くんと遊びに行きたいけどこんな状態じゃ無理だ……)
「うー……」

コンコン

部屋の窓を叩く音に夢主は驚き、体がビクッと動いた。
「えっ!? だ、誰?」

「俺だよー。開けてー」
「な、凪くん?」
夢主は恐る恐る窓に近づきカーテンを開けた。
「おはよー」
窓の外側に手を振る凪が立っていた。
「えっ? もう寮の門開いてるの?」
窓を開けながら夢主は尋ねた。
「開いてないから壁ジャンプして来た。
よっと、お邪魔しまーす」
開いた窓から凪は軽々と入室した。
「うわぁ。寮母さんに見つかったら怒られるだけじゃ済まなー痛っ」
「夢主? どうしたの?」
「気圧で頭痛くて……」
「大丈夫? 横になったほうがいいよ」
「うん、そうする……」
夢主はベッドに寝転んだ。
「うぅ……痛い……」
「夢主……」
「ごめんね、凪くん。せっかく来てくれたのに……」
泣きそうな表情を浮かべながら夢主は言った。
「泣かないで、夢主。俺、夢主の泣いてる顔は見たくない」
凪は夢主の頭を優しく撫でる。
「…………ごめん」
ずずっと鼻をすすりながら夢主は答えた。
「うーん……あっ、閃いた」
「凪くん? えっ!? えっ!?」
凪は夢主のベッドに乗り、彼女をぎゅっと抱きしめた。
「俺は夢主の傍に居る。どんな時でもずーっと、ずーっと」
じっと夢主を見つめながら凪は想いを伝えた。
「な、凪くん……」
「だからさ、夢主。今日はいっぱい甘えてよ」
「あ、甘える? な、何がいいんだろう?」
「それ俺に聞いちゃう? そうだなー。うーん、キスかなー」
「あ、朝から、キス!?」
凪の発言に夢主の顔が赤くなる。
「え、キスしちゃいけない時間帯があるの?
でも俺、知らないからやっちゃうけど」
言い終わった凪は夢主の返答がする前にチュッとキスをした。
「…………」
「…………」
見つめ合いながら凪と夢主は互いの手を握った。
「…………もっと、キスしてくれる?」
「いいよ。いっぱいしてあげる」
凪はにこっと笑みを浮かべながら夢主に何度もキスをした(終)
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