内緒の唄(三郎国宗×審神者)

―審神者名:夢主
―審神者覚醒前:×××高校生
―審神者覚醒日:20××年×月×日


「~♪」
夢主は報告書を作成しながら校歌を歌っていた。
報告書作成中は非常事態が起きない限り、刀剣男士達は彼女の部屋を訪れることはない。


「素敵な唄ですねぇ」
「!?」


歌っている最中に襖が開いた。
「さ、三郎さん……」
来訪者は三郎国宗だった。にこにこしながら夢主の隣に座った。
「主が報告書作成中、入室は控えることを他の刀剣に教えてもらったのですが、どうしても主の唄が気になってしまい……どうかこの無礼をお許しくださいまし」
三郎は深々と頭を下げた。
「そ、そんなことないです!
絶対入って来るなってことではないので頭をあげてください!」
慌てる夢主に三郎はゆっくりと頭をあげた。
「あぁ、主の優しさに感謝致します。
では改めて……先程の唄は主の故郷を唄にしたものでしょうか?」
「故郷……うーん。学校……じゃ分からないかな?学び舎の唄ですね」
「ほう!学び舎の唄!桜や紅葉など季節を取り入れつつ、人々を鼓舞させる素敵な唄でしたねぇ!」
「……ん?紅葉まで?」
「えぇ、紅葉の色めきと主は歌っていましたよ」
「……それ2番だから……えっ!?三郎さんいつから部屋の前にいたの!?」
「フフッ。素敵な唄が聴こえましたらこの三郎、何処にでも参ります」
扇子を広げながら三郎は笑った。
「うぅ。は、恥ずかしい……」
「む?恥ずべきことは何もありませんよ。襖で見えなくても主が楽しそうに歌っていたので私も楽しくなりました。
そこで主、私にも学び舎の唄を教えていただけますでしょうか?」
「えっ?校歌を?」
「はい。あぁもちろん、他の刀剣達の前では披露致しません。
主と私、2人きりの時に歌いたいのです」
三郎の指が夢主の唇に触れた。
「さ、さ、三郎さん!?」
「2人だけの秘密、ですよ?」
薄っすらと三郎の瞳が開いた。
興味、期待、愉快……色々な感情が映る瞳に夢主は釘付けとなった(終)
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