─ 初めての告白
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ようやくラビは、黒の教団本部へ戻ってきた。
「……帰ってきたさ」
懐かしい廊下を歩く。
科学班から聞こえる騒がしい声。
行き交う仲間たち。
何も変わっていない。
数か月前と、同じ景色。
それなのに。
ラビには、ひどく遠い場所へ戻ってきたように感じられた。
『ラビ!』
『おかえり!』
『長かったな! お疲れ!』
「ただいまさー」
いつもの調子で片手を上げる。
口元には、いつもの笑顔。
軽い口調も。
人懐っこい表情も。
数か月前と何も変わらないラビだった。
少なくとも。
周りから見れば。
「いやー、ほんっと長かったさ。途中から任務増えるわ増えるわで──」
笑いながら仲間と言葉を交わす。
けれど。
頭の中では、ずっと一人のことを考えていた。
──主人公。
本部を離れてから、一度もまともに会っていない。
連絡もほとんど取れなかった。
そして何より。
あの夜のことを、まだ何一つ話せていない。
「…………」
ほんの一瞬だけ、笑顔が消える。
主人公は。
どこまで知っているんだろう。
あの薬の正体を知らされたのか。
記憶がないことに気づいたのか。
自分がラビの部屋にいたことを覚えているのか。
それとも。
何も知らないままなのか。
分からない。
数か月。
何度考えても、答えは出なかった。
ただ一つ。
ラビだけが覚えている。
熱に浮かされた主人公の声。
自分の服を掴んだ手。
そして。
『……好き』
あの一言。
薬のせいだったのか。
それとも。
本当に、少しでも自分をそう思ってくれていたのか。
何度考えても分からなかった。
けれど今は。
それより先に、しなければならないことがある。
──謝らなければならない。
数か月前。
あの扉の前で決めたことは、今も変わっていない。
逃げない。
全部話す。
主人公が何も覚えていなかったとしても。
自分にとって都合のいい部分だけを隠したりしない。
「……主人公」
小さく名前を呟く。
途端に、心臓が嫌なほど大きく鳴った。
会いたかった。
ずっと。
声が聞きたかった。
笑った顔が見たかった。
もう一度、歌を聞きたかった。
それなのに。
──会うのが、怖い。
ラビはそんな自分を誤魔化すように、いつもの笑顔を浮かべた。
そして。
主人公がいるはずの場所へ向かって、ゆっくりと歩き出した。
「……帰ってきたさ」
懐かしい廊下を歩く。
科学班から聞こえる騒がしい声。
行き交う仲間たち。
何も変わっていない。
数か月前と、同じ景色。
それなのに。
ラビには、ひどく遠い場所へ戻ってきたように感じられた。
『ラビ!』
『おかえり!』
『長かったな! お疲れ!』
「ただいまさー」
いつもの調子で片手を上げる。
口元には、いつもの笑顔。
軽い口調も。
人懐っこい表情も。
数か月前と何も変わらないラビだった。
少なくとも。
周りから見れば。
「いやー、ほんっと長かったさ。途中から任務増えるわ増えるわで──」
笑いながら仲間と言葉を交わす。
けれど。
頭の中では、ずっと一人のことを考えていた。
──主人公。
本部を離れてから、一度もまともに会っていない。
連絡もほとんど取れなかった。
そして何より。
あの夜のことを、まだ何一つ話せていない。
「…………」
ほんの一瞬だけ、笑顔が消える。
主人公は。
どこまで知っているんだろう。
あの薬の正体を知らされたのか。
記憶がないことに気づいたのか。
自分がラビの部屋にいたことを覚えているのか。
それとも。
何も知らないままなのか。
分からない。
数か月。
何度考えても、答えは出なかった。
ただ一つ。
ラビだけが覚えている。
熱に浮かされた主人公の声。
自分の服を掴んだ手。
そして。
『……好き』
あの一言。
薬のせいだったのか。
それとも。
本当に、少しでも自分をそう思ってくれていたのか。
何度考えても分からなかった。
けれど今は。
それより先に、しなければならないことがある。
──謝らなければならない。
数か月前。
あの扉の前で決めたことは、今も変わっていない。
逃げない。
全部話す。
主人公が何も覚えていなかったとしても。
自分にとって都合のいい部分だけを隠したりしない。
「……主人公」
小さく名前を呟く。
途端に、心臓が嫌なほど大きく鳴った。
会いたかった。
ずっと。
声が聞きたかった。
笑った顔が見たかった。
もう一度、歌を聞きたかった。
それなのに。
──会うのが、怖い。
ラビはそんな自分を誤魔化すように、いつもの笑顔を浮かべた。
そして。
主人公がいるはずの場所へ向かって、ゆっくりと歩き出した。
