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第6章

「…………」

 意識が徐々に浮上してくるのを感じながら、神蘭は目を開けた。
 まだぼんやりとしながらも自分が何処にいるのかと視線を巡らせる。
 部屋はほぼ一色で、消毒液の匂いがしていた。

「……此処は?」

 呟きながら、ゆっくりと身を起こす。
 そこで気を失う前にはあった身体の痛みが今は全くないことに気づいた。

「傷が消えてる……」

 その時、神蘭がいる部屋の扉が開いて 、光鳳と一人の少女が入ってきた。

「気がついたか?」

「気分はどうかな?」

 神蘭の意識が戻っていることに気付いたのか、二人が声を掛けてくる。

「……は、はい。大丈夫です」

「そう。それならよかった」

 神蘭が答えると、その少女はほっとしたように笑った。
 そんな少女を見つめていると、光鳳が溜息をついた後、咳払いしたのが聞こえてきた。

「神蘭、いつまでぼんやりとしてるんだ?光鈴様に何か言うことがあるんじゃないか?」

 掛けられた声にはっとして、少女を見る。

「光鈴様って……、神子のっ!?」

「そうだ。光鈴様がお前を助けてくれたんだ」

 今気付いたのかと言うように光鳳の声音が呆れたようなものになる。

「私は怪我を治しただけだよ」

 光鳳の言葉に光鈴がそう返す。
 それを聞いて、怪我を治してもらったのだから礼を言わなくてはならないだろうと神蘭は居住まいを正した。

「それでも、光鈴様のおかげで助かりました。ありがとうございます」

「これが私の仕事だから、気にしないで。戦いはあまり得意じゃないから、せめて治療だけでも役に立ちたいの」

 そう言うと、光鈴はニコリと笑った。
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