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1章


ブー、ブー
舞達が神の使徒達を倒し、昇降機に乗り込んだ頃、最下層の研究施設では警報音が鳴り響いていた。
「……侵入者か」
一人呟いた男が手元にあるパネルを操作する。
「第一防衛ラインは既に突破されたか ……。障壁封鎖、第二、第三防衛ライン始動」
近くのマイクに向かって言い、警報が鳴り始める前まで見ていた資料へ視線を戻した。
「あ、あの……」
その男へ研究員の一人が話し掛ける。
「何だ?」
「神帝から通信が入っています」
「……繋げろ」
そう返すと近くのモニターに神帝の姿が映った。
「……どうかなさいましたか?今、忙しいのですが」
『ああ。今の状況はわかっているよ。だから、通信をいれたんだ。……そのラボは捨てて、今すぐ退きなさい』
「どういう意味です?」
『言葉の通りだよ。侵入者が誰か確認してみれば、意味はわかると思うが』
言われて近くの研究員に目で指示を出すと、別のモニターに数人の姿が映った。
「!!神子……!それに、ゼロナンバー!?」
『そう。……彼等が侵入者。今の戦力ではまだ分が悪いだろう。必要なものだけ持ち、そこを脱出しろ』
言って、神帝の姿は消える。
男は持っていた資料に素早く目を通すと、声を張り上げた。
「資料をすぐに纏めろ!此処は破棄する!」
「実験体はどうしますか?」
「雑魚どもは足止めに使う」
「ナンバーイチからヨンは!?」
「サンとヨンはまだ牢です!どうしますか?」
声を上げる研究員にもう一度資料を見る。
「……イチとニだけ連れていく。急げ !」
「はい!」
その指示で数人が慌てて走っていく。
「よいのですか?サンとヨンは置いていって」
「……構わん。ゼロナンバーより上の奴等だけでな」
そう答えると、男は踵を返した。
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