第一章
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寸分の隙間もなく天地を閉じ込める激しい雨
空は厚い雲に覆われまだ昼間だというのにミアレの景色をどんよりと薄暗くさせた
『(凄い雨…これじゃあカフェ巡りも無理だよね)』
先日のFとのティータイムが忘れられない
楽しかった余韻が抜けず…彼にまた会えるかもしれないとカフェ巡りをしてみたが、広い街の中からたった一人を見つけ出すなんて無謀だ
それでも…目が彼を探してしまう
似たような背丈の男性を見るたびに振り返り彼ではないと分かっては寂しさに似た感情に包まれた
『(会えたとしても何話せばいいか分からないのに…なんでこんなに会いたいんだろう)』
窓に叩きつけるようにぶつかる雨音を聞きながら花の香りがほのかにする手を眺めつまらなそうにため息を一つした
「ねぇねぇ!今から皆で映画鑑賞会しない?」
外に出る事もできずホテル一階のロビーでお茶を飲んだり読書したりと思い思いに時間を過ごしていたメンバーにデウロが声をかけた
「映画…ですか?別に構いませんが」
「オレもいいぞ〜」
『いいね、なんの映画?』
「じゃーん!ネットでも高評価だったホラー映画!!」
血飛沫の中笑って立つ白髪の幽霊の表紙…いかにもヤバそうなDVDにナマエとピュールは自然と顔を強張らせる
「お!それ見たかったんだ!食いもんとかも用意して部屋で見ようぜ!」
「いいね〜ポップコーンとジュースは絶対必要だよね!」
逆にガイとデウロは楽しげに映画鑑賞会の準備を始めてしまいナマエは気不味そうに片手を上げた
『あ〜あたしはいいや、その…ちょっと眠いし部屋に戻るから皆で見て?』
「ボクも結構です」
そそくさとソファから立ち上がりエレベーターに向かおうとするとピュールとナマエの腕をガイが掴み引き止めた
「おいおい、ノリ悪すぎだろ!せっかくデウロが誘ってくれたんだから皆で見ようぜ」
「そうだよ!こんな日じゃないと皆で一緒にのんびりできないじゃない!」
『…ぅ』
デウロにまでせがまれ断る事ができそうにない
ピュールも二人の圧に負けてしまい額に手を軽く当てながらため息を吐いた
「……はぁ、分かりましたよ」
「よし!じゃあ…ナマエの部屋に集合な!」
『なんであたしの部屋なの!』
結局、食べ物とDVDプレーヤーを持参しナマエの部屋に集合したメンバーはベッドの上で寝そべったり座ったりし映画鑑賞を始める
ガイとデウロは前の方で、ピュールとナマエは彼らの後ろ側で見る形になり枕側の壁に背中を押し付け薄目で画面を見つめた
不穏な音楽に幽霊役の老婆の地を這うような声
外の雨音も重なりナマエの恐怖心は募るばかりだ、怖さを紛らわせようと枕を抱きしめ画面を見ていると
「お前もしかしてホラー苦手なのか?」
前の方で寝そべって見ていたガイが顔を後ろへと振り向かせナマエの様子を確認した
『……苦手、このじわじわとした感じが苦手だし触れないのにそこにいるって怖いじゃん』
「でもこれ作りもんだぜ?怖がる必要ないだろ」
ケラケラと笑い画面に顔を向け直すガイは根っから幽霊なんて信じていないのだろう
ホラー系が苦手な人の気持ちなんて理解できるはずもなく呑気なものだ
スプラッターなシーンでもポップコーンを口に運ぶ手は止まらず彼の隣に座るデウロも似たようなものでナマエからすれば信じられない状況だ
『(うぅ……いっそ目を閉じようかな)』
「目を閉じると余計に想像力がまして怖いと思いますが?」
『……う、だめかぁ』
隣に座り既に青い顔をしたピュールと苦笑いし早く終わらないかと思っていた時だ
バチンッ!!と、何かが弾けたような音と共に室内の電気が全て落ち辺りが薄暗くなった
『ひっ!!』
「うわぁっ!!」
つい驚いた拍子にナマエとピュールはお互いに抱きつき怯えた声を出す
「びびるなって、このホテルたまにブレーカー落ちるんだよ」
ホラーが苦手な二人は声を漏らすもガイは冷静に原因を語る
年季の入ったホテルのせいか色々とメンテナンスが必要な場所があるそうだ
ブレーカーもその一つらしく、いつもならAZかフラエッテがすぐに直してくれるそうだが…
「あれ?AZさん達出かけてるのかな?」
いくら待っても電気が戻らずデウロが小首を傾げる
辺りがぼんやりと見える程度の薄暗さはホラー映画を見ていたせいか、いつもより不気味に感じナマエは背筋を震わせた
「仕方ない…ブレーカー戻しに行くか、行くぞナマエ」
『なんであたし!』
「お前にもブレーカーの場所教えといた方がいいだろ?二人には前に教えてあるし」
『やだよ!せめて明るい時に教えっ、ちょ、引っ張らないでよ!!ピュールと行けばいいじゃん!』
男同士で行けと文句を言うも、ピュールにとっても暗いホテル内を歩きたくないのか冷たい言葉が帰ってくる
「指名されたのはアンタでしょ、さっさといってください」
『〜〜裏切り者っ!!』
抵抗も虚しくガイは嫌がるナマエの手を掴み強制的に廊下へと連れて行き、彼女の叫び声が聞こえだんだんと遠くなっていく
部屋に残ったデウロはポップコーンを口に運びながら困ったように笑いピュールと二人で待つことにした
「ガイってさ、ナマエの事結構お気に入りだよね?」
「………興味ないです」
電気が使えない為エレベーターも使えない
明かりのない階段を使い下へと降りていくと冷えた空気が肌を撫で足先からぞくりとしたものが走った
一階につき見慣れてきた筈のホテルのロビーを見渡すと誰もいない室内はしんっと静まり帰り雨音だけが響いていた
『ぅ…ねぇ、やっぱりAZさん達が戻るまで部屋で待たない?』
「ここまで来て何言ってんだよ?ってか随分暗いな…予備の電気まで消えてら」
見づらいなと、スマホロトムをライト代わりに足元を照らしカウンターの中へと二人で入る
窓のない室内は先程より暗く、夜の中を歩いているようだった
ガイを先頭に奥へと進むと壁側に設置されたブレーカーを見つけスマホロトムの明かりを向けなおす
「ほら、ここだ」
『分かったから、早く直して戻ろう?』
「本当にビビリだな?幽霊なんているわけ…」
ふと、何かの気配を感じ見ていた壁側から後ろへと振り返ると
そこにいたのは暗闇にぼんやりと浮かぶ白髪の…
「うおっ!!」
『あーーーーーーーーーっっっ!!!』
映画の中から飛び出たようなシルエットにナマエは恐怖心がピークを超えてしまい絶叫しながらガイに抱きついた
『やだっ!や!うわぁ!やだやだやだ!ぎゅってして!ぎゅって!!』
「〜〜っ!ちょ、落ち着けって!AZさんだよ!」
パニックを落とし何処からこんな馬鹿力が出ているのかと思う程しがみつく彼女にガイが知らせ、ちゃんと見てみろと背中を叩くと漸くナマエは彼の胸から顔を上げ
『………へ?』
恐る恐る涙目で暗闇に浮かぶ白い物を見つめると暗さに目が慣れ相手が誰かよく見えてくる
白髪に大きな体…そして近くにふよふよと浮かぶポケモン
「…すまない、驚かせたか」
そこにいたのはAZ
彼は申し訳なさそうに謝りフラエッテはクスクスと笑っていた
聞けば彼らはどうやら別の部屋で昼寝をしていたらしくブレーカーが落ちた事に気付くのが遅れたようだ
『な、なんだぁ…あたしてっきり…』
はぁ…と、力が抜け安心すると彼女に抱きつかれていたガイが顔を真っ赤にさせたままプルプルと震えだしナマエの背中を軽く叩いた
「〜〜いい加減離してくれっ!」
彼の胸に力任せに抱きついていたナマエ
男性にはない膨らみがガイの体にくっついており彼にとっては刺激が強すぎたのだろう
早く離れろとジェスチャーする彼の男としての気持ちなど知らず、のんびりと体を離しガイに文句を一つ言った
『あ、ごめん!つい怖くて…でも今のは事故だし許してよ』
「お前っ……はぁ………くそっ!…オレ…だせぇ」
意識しているのは自分だけ…ガイは自分の熱くなった顔に苛立ち長い前髪を乱暴にかきあげ顔を背けた
その夜
『(ホラー系見た後ってなんか夜に思い出しちゃうんだよな)』
夕食を終え部屋に戻ろうとすると同じくエレベーターに乗ろうとしたピュールと目が合う
多くは語らないが彼もホラー系が苦手なのは今日で分かった
ならば彼だって自分と同じ気持ちなのでは?と期待に目を輝かせる
「……なんですか?」
『あのさ、良かったら…少し部屋に遊びに来ない?ピュールが眠くなるまででいいから』
まさかの提案にピュールも目を輝かせるも、すぐに咳払いを一つし長い前髪をいじりながら視線を泳がせた
「仕方ないですね、ちょっとだけですよ?」
一緒にエレベーターに乗ろうとすると…
「っ!俺も行く!デウロ〜!お前も来いよ!」
「え〜?な〜に?」
「ナマエの部屋でパジャマパーティーだってさ」
『いやそこまで言ってないって』
「ええ!行く!ちょっとまってて!!」
結局、四人でナマエの部屋で過ごし遅くまでお喋りをしているうちにメンバー達は寝てしまった
こんなに四人一緒に過ごしたのは初めてかもしれない
昼間はドタバタしていたが…そう考えると悪くない一日だったなとしみじみと感じナマエは微笑んだ
『あ〜あ、皆気持ちよさそうに人のベッドに寝て…あたしの寝る場所ないじゃん』
寝ているデウロ達に毛布をかけ終わると、雨音が聞こえない事に気が付きナマエは窓側へと静かに歩き閉めていたカーテンをめくり夜空を見上げた
『………綺麗』
いつの間にか空を覆い隠していた雲は消え空にはキラキラと星が輝いていた
窓を軽く開ければ雨の匂いと冷たい風が肌を撫でたが、昼間の怖さはなく寧ろ清々しい冷たさだった
『…………明日は、会えるかな?』
自然と出た言葉を呟きナマエは照れたようにカーテンの裾をきゅっ…と、握った
空は厚い雲に覆われまだ昼間だというのにミアレの景色をどんよりと薄暗くさせた
『(凄い雨…これじゃあカフェ巡りも無理だよね)』
先日のFとのティータイムが忘れられない
楽しかった余韻が抜けず…彼にまた会えるかもしれないとカフェ巡りをしてみたが、広い街の中からたった一人を見つけ出すなんて無謀だ
それでも…目が彼を探してしまう
似たような背丈の男性を見るたびに振り返り彼ではないと分かっては寂しさに似た感情に包まれた
『(会えたとしても何話せばいいか分からないのに…なんでこんなに会いたいんだろう)』
窓に叩きつけるようにぶつかる雨音を聞きながら花の香りがほのかにする手を眺めつまらなそうにため息を一つした
「ねぇねぇ!今から皆で映画鑑賞会しない?」
外に出る事もできずホテル一階のロビーでお茶を飲んだり読書したりと思い思いに時間を過ごしていたメンバーにデウロが声をかけた
「映画…ですか?別に構いませんが」
「オレもいいぞ〜」
『いいね、なんの映画?』
「じゃーん!ネットでも高評価だったホラー映画!!」
血飛沫の中笑って立つ白髪の幽霊の表紙…いかにもヤバそうなDVDにナマエとピュールは自然と顔を強張らせる
「お!それ見たかったんだ!食いもんとかも用意して部屋で見ようぜ!」
「いいね〜ポップコーンとジュースは絶対必要だよね!」
逆にガイとデウロは楽しげに映画鑑賞会の準備を始めてしまいナマエは気不味そうに片手を上げた
『あ〜あたしはいいや、その…ちょっと眠いし部屋に戻るから皆で見て?』
「ボクも結構です」
そそくさとソファから立ち上がりエレベーターに向かおうとするとピュールとナマエの腕をガイが掴み引き止めた
「おいおい、ノリ悪すぎだろ!せっかくデウロが誘ってくれたんだから皆で見ようぜ」
「そうだよ!こんな日じゃないと皆で一緒にのんびりできないじゃない!」
『…ぅ』
デウロにまでせがまれ断る事ができそうにない
ピュールも二人の圧に負けてしまい額に手を軽く当てながらため息を吐いた
「……はぁ、分かりましたよ」
「よし!じゃあ…ナマエの部屋に集合な!」
『なんであたしの部屋なの!』
結局、食べ物とDVDプレーヤーを持参しナマエの部屋に集合したメンバーはベッドの上で寝そべったり座ったりし映画鑑賞を始める
ガイとデウロは前の方で、ピュールとナマエは彼らの後ろ側で見る形になり枕側の壁に背中を押し付け薄目で画面を見つめた
不穏な音楽に幽霊役の老婆の地を這うような声
外の雨音も重なりナマエの恐怖心は募るばかりだ、怖さを紛らわせようと枕を抱きしめ画面を見ていると
「お前もしかしてホラー苦手なのか?」
前の方で寝そべって見ていたガイが顔を後ろへと振り向かせナマエの様子を確認した
『……苦手、このじわじわとした感じが苦手だし触れないのにそこにいるって怖いじゃん』
「でもこれ作りもんだぜ?怖がる必要ないだろ」
ケラケラと笑い画面に顔を向け直すガイは根っから幽霊なんて信じていないのだろう
ホラー系が苦手な人の気持ちなんて理解できるはずもなく呑気なものだ
スプラッターなシーンでもポップコーンを口に運ぶ手は止まらず彼の隣に座るデウロも似たようなものでナマエからすれば信じられない状況だ
『(うぅ……いっそ目を閉じようかな)』
「目を閉じると余計に想像力がまして怖いと思いますが?」
『……う、だめかぁ』
隣に座り既に青い顔をしたピュールと苦笑いし早く終わらないかと思っていた時だ
バチンッ!!と、何かが弾けたような音と共に室内の電気が全て落ち辺りが薄暗くなった
『ひっ!!』
「うわぁっ!!」
つい驚いた拍子にナマエとピュールはお互いに抱きつき怯えた声を出す
「びびるなって、このホテルたまにブレーカー落ちるんだよ」
ホラーが苦手な二人は声を漏らすもガイは冷静に原因を語る
年季の入ったホテルのせいか色々とメンテナンスが必要な場所があるそうだ
ブレーカーもその一つらしく、いつもならAZかフラエッテがすぐに直してくれるそうだが…
「あれ?AZさん達出かけてるのかな?」
いくら待っても電気が戻らずデウロが小首を傾げる
辺りがぼんやりと見える程度の薄暗さはホラー映画を見ていたせいか、いつもより不気味に感じナマエは背筋を震わせた
「仕方ない…ブレーカー戻しに行くか、行くぞナマエ」
『なんであたし!』
「お前にもブレーカーの場所教えといた方がいいだろ?二人には前に教えてあるし」
『やだよ!せめて明るい時に教えっ、ちょ、引っ張らないでよ!!ピュールと行けばいいじゃん!』
男同士で行けと文句を言うも、ピュールにとっても暗いホテル内を歩きたくないのか冷たい言葉が帰ってくる
「指名されたのはアンタでしょ、さっさといってください」
『〜〜裏切り者っ!!』
抵抗も虚しくガイは嫌がるナマエの手を掴み強制的に廊下へと連れて行き、彼女の叫び声が聞こえだんだんと遠くなっていく
部屋に残ったデウロはポップコーンを口に運びながら困ったように笑いピュールと二人で待つことにした
「ガイってさ、ナマエの事結構お気に入りだよね?」
「………興味ないです」
電気が使えない為エレベーターも使えない
明かりのない階段を使い下へと降りていくと冷えた空気が肌を撫で足先からぞくりとしたものが走った
一階につき見慣れてきた筈のホテルのロビーを見渡すと誰もいない室内はしんっと静まり帰り雨音だけが響いていた
『ぅ…ねぇ、やっぱりAZさん達が戻るまで部屋で待たない?』
「ここまで来て何言ってんだよ?ってか随分暗いな…予備の電気まで消えてら」
見づらいなと、スマホロトムをライト代わりに足元を照らしカウンターの中へと二人で入る
窓のない室内は先程より暗く、夜の中を歩いているようだった
ガイを先頭に奥へと進むと壁側に設置されたブレーカーを見つけスマホロトムの明かりを向けなおす
「ほら、ここだ」
『分かったから、早く直して戻ろう?』
「本当にビビリだな?幽霊なんているわけ…」
ふと、何かの気配を感じ見ていた壁側から後ろへと振り返ると
そこにいたのは暗闇にぼんやりと浮かぶ白髪の…
「うおっ!!」
『あーーーーーーーーーっっっ!!!』
映画の中から飛び出たようなシルエットにナマエは恐怖心がピークを超えてしまい絶叫しながらガイに抱きついた
『やだっ!や!うわぁ!やだやだやだ!ぎゅってして!ぎゅって!!』
「〜〜っ!ちょ、落ち着けって!AZさんだよ!」
パニックを落とし何処からこんな馬鹿力が出ているのかと思う程しがみつく彼女にガイが知らせ、ちゃんと見てみろと背中を叩くと漸くナマエは彼の胸から顔を上げ
『………へ?』
恐る恐る涙目で暗闇に浮かぶ白い物を見つめると暗さに目が慣れ相手が誰かよく見えてくる
白髪に大きな体…そして近くにふよふよと浮かぶポケモン
「…すまない、驚かせたか」
そこにいたのはAZ
彼は申し訳なさそうに謝りフラエッテはクスクスと笑っていた
聞けば彼らはどうやら別の部屋で昼寝をしていたらしくブレーカーが落ちた事に気付くのが遅れたようだ
『な、なんだぁ…あたしてっきり…』
はぁ…と、力が抜け安心すると彼女に抱きつかれていたガイが顔を真っ赤にさせたままプルプルと震えだしナマエの背中を軽く叩いた
「〜〜いい加減離してくれっ!」
彼の胸に力任せに抱きついていたナマエ
男性にはない膨らみがガイの体にくっついており彼にとっては刺激が強すぎたのだろう
早く離れろとジェスチャーする彼の男としての気持ちなど知らず、のんびりと体を離しガイに文句を一つ言った
『あ、ごめん!つい怖くて…でも今のは事故だし許してよ』
「お前っ……はぁ………くそっ!…オレ…だせぇ」
意識しているのは自分だけ…ガイは自分の熱くなった顔に苛立ち長い前髪を乱暴にかきあげ顔を背けた
その夜
『(ホラー系見た後ってなんか夜に思い出しちゃうんだよな)』
夕食を終え部屋に戻ろうとすると同じくエレベーターに乗ろうとしたピュールと目が合う
多くは語らないが彼もホラー系が苦手なのは今日で分かった
ならば彼だって自分と同じ気持ちなのでは?と期待に目を輝かせる
「……なんですか?」
『あのさ、良かったら…少し部屋に遊びに来ない?ピュールが眠くなるまででいいから』
まさかの提案にピュールも目を輝かせるも、すぐに咳払いを一つし長い前髪をいじりながら視線を泳がせた
「仕方ないですね、ちょっとだけですよ?」
一緒にエレベーターに乗ろうとすると…
「っ!俺も行く!デウロ〜!お前も来いよ!」
「え〜?な〜に?」
「ナマエの部屋でパジャマパーティーだってさ」
『いやそこまで言ってないって』
「ええ!行く!ちょっとまってて!!」
結局、四人でナマエの部屋で過ごし遅くまでお喋りをしているうちにメンバー達は寝てしまった
こんなに四人一緒に過ごしたのは初めてかもしれない
昼間はドタバタしていたが…そう考えると悪くない一日だったなとしみじみと感じナマエは微笑んだ
『あ〜あ、皆気持ちよさそうに人のベッドに寝て…あたしの寝る場所ないじゃん』
寝ているデウロ達に毛布をかけ終わると、雨音が聞こえない事に気が付きナマエは窓側へと静かに歩き閉めていたカーテンをめくり夜空を見上げた
『………綺麗』
いつの間にか空を覆い隠していた雲は消え空にはキラキラと星が輝いていた
窓を軽く開ければ雨の匂いと冷たい風が肌を撫でたが、昼間の怖さはなく寧ろ清々しい冷たさだった
『…………明日は、会えるかな?』
自然と出た言葉を呟きナマエは照れたようにカーテンの裾をきゅっ…と、握った
