第一章
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ほら!こっちだ!早く来いよ!」
『そんな事言ったって…もう疲れたちゃったよ』
荷物を奪われたりバトルゾーンという危険地帯に入ってしまって強制的にバトルする羽目になったりと休む暇がなかった
空には既に月が昇っており随分と時間をくってしまったのが分かる
予定外の事態にしょんぼりと肩を落とし歩いていると彼女の足元にいたワニノコが元気づけるように飛び跳ね鳴き声をあげた
『ありがとうワニノコ、ちゃんと歩くから心配しないで』
このワニノコは先を歩く少年ガイから譲り受けたポケモンだった
荷物を奪われヤンチャムのパートナーと戦う流れになってしまい困っていたナマエに自分から力を貸すと飛び出したのがワニノコだ
右へ左へとガイについて行き漸く辿り着いたホテルは大通りに並ぶホテルとは違い壁に植物のツルが伸びた年季の入った建物だった
「ようこそお客様、ホテルZへ」
胸に手を当て頭を下げる姿はまるで慣れたホテルマンのようだ、背筋を戻したガイは先にホテルの扉を開き
「ほら入れよ」
案内されるがままに建物の中へと入ると静かなピアノのBGMがすぐに聞こえフロアには壁にかけられた古い絵画、シンプルな装飾に落ち着いた照明が雰囲気を作っており想像していたより悪くなかった
受付カウンターへと近寄ると二メートル以上はあるのではないかと言うほどの杖をついた高身長の老人がコチラを見下ろしてきた
「その旅行カバンの持ち主か?」
『は、はい』
白髪の老人は彼女の後ろの椅子に置いといたカバンへと視線を向け直した
するとカバンは小さく揺れ中から黄緑色の何かがゆっくりと姿を現しフロアを滑るように逃げていった
それに気がついたのは老人と彼の相棒である黒い花を持つフラエッテだけだろう
『あ…あの?』
無言になる老人に気まずさを感じ声をかけると漸く老人は目の前のナマエへと視線を戻す
「コイツはナマエ、ミアレに来ていきなりトラブったけどワニノコとバッチリのコンビネーションで切り抜けたんだ!」
『トラブった原因はガイにもある気がするけど?』
じっとりとした視線を彼に向けるもガイは気にしていないのか話を続ける
「オレのワニノコ譲ってやっただろ?ホテルにも案内してやったし、それで許せよ」
『なんだかな〜』
納得は出来ないがポケモンもホテルも助かったのは確かだ
「よい判断だ、ポケモンと人は出会うべくして出会う」
「そう運命だ!夜のバトルゾーンも無事に抜けれたし…まあ後半はフラエッテのおかげだけどな」
フラエッテ…この老人がカバンだけ先に届いたのを気にし二人の元へ向かわせたポケモンだ
他のポケモンとは違い特別なポケモンらしく技も破滅の光など特殊な強さを持つ
そんなポケモンのトレーナーであるこの老人…AZも普通ではないのかもしれない
好奇心を持ちつつ老人を見上げると彼は静かに微笑み
「ナマエ…君は何か大きな物に導かれこのホテルに来るべくして来たようだ」
『何かに導かれて…?そんな大袈裟ですよ』
無邪気にふにゃりと笑って返す彼女にAZは小さく頷き一つの鍵を手渡した
「私はAZ、当ホテルのオーナーとして君を歓迎する…部屋は202号室を使うといい」
「2階だな、エレベーターを使ってすぐの部屋だぜ!案内するよ」
そう言うとガイは椅子の上に置いていた彼女のカバンを取り先にエレベーターへと向かおうとし、ナマエとワニノコも吊られて追いかける
「にしてもお前荷物少ないな?軽すぎるぞ」
『いいでしょ!旅行なんて荷物は少ない方がいいの!』
また小さな言い合いをしながらエレベーターに乗り込みロビーに静けさが戻るとAZの側にフラエッテにふわりと近寄り顔を覗き込んだ
「ジガルデ・セルを連れてきた少女…か、彼女もまたミアレに導かれたか」
案内された部屋は一人で使うには広めの部屋だった、大きめのベッドに書き物をするデスク
それとは別に小さなテーブルには生けたばかりの花が飾られており優しい匂いが花を掠める
『結構いい部屋なんじゃ…本当につかっていいのかな?あ!お風呂も広い!!』
シャワーだけでなくバスタブもあった事に感激し早く風呂に入ろうと蛇口を捻る
先にバスタブに飛び込み浅いお湯を楽しむワニノコに微笑み、カバンを置き自分も入ろうと服に手をかけた時だ
扉をノックする音が響いた
「悪いがちょっといいか?」
『〜っ!も〜今度は何!』
脱ぎかけた服を戻し少し苛立ったまま扉を開くと廊下で待っていたガイはまたお辞儀するようにホテルマンの挨拶をし
「お客様、当ホテル自慢のビュースポットをご案内します」
『……今じゃなきゃ駄目なの?』
「いいから来いよ、屋上でいいもん見せてやるからさ」
ホテルマンの真似事をするなら最後まで演じきってほしいものだが、彼はすぐに素になると早く来いとばかりに彼女の手首を掴みエレベーターへ引き連れた
狭いエレベーターの中で浮遊感を感じながらも頬を膨らませたままのナマエは壁側に気怠げに寄りかかる
「んな怒るなよ、見たら絶対機嫌治るって」
『お風呂入りたかったの、服だって脱いでるとこだったんだよ?』
「そ、そりゃ悪かったな、あー、でも絶対後悔させねぇから!な!」
年頃の少年に女性の風呂事情は刺激が強かったのかドギマギとぎこちなく笑う彼は自分の頬を指先でかき視線を泳がせる
若干の気不味さが流れたエレベーターはすぐに屋上につきチーンと高いベルの音を鳴らした
案内された屋上は観光用の場所というより秘密基地のような狭い場所だった
小さな花壇に2人用のソファとクッション、テーブルには飲み物が置かれておりガイに案内されるがままにソファの側に歩み寄ると夜景の中で白く輝くタワーが目に入った
『……綺麗』
「だろ?何だかんだ言ってミアレシティって良いところでさ…オレ好きなんだ」
昼間の出来事だけならミアレシティには悪いイメージを持ちかけたが…この景色は格別に美しく見惚れてしまう
暫く二人で眺めているとガイがタワーを見つめたまま口を開き
「オレさ…AZさんに恩があるんだ、だから恩を返したい!でも一人じゃできなくて…お前も手を貸してくれないか?」
『あたしが?でも余所者だし…』
「頼む!この通り!」
彼が恩を返したいというなら
自分も今回の事についてガイには恩がある…と、言えばあるような気もする
少し考えナマエは自分に言い聞かせると頭を下げているガイに顔を向け直し
『分かった、出来る事は手伝うよ』
「サンキュー!」
拳を作りコチラに向けてきた彼は満面の笑みを浮かべており彼のしたい事に気がついたナマエは同じように拳を作り彼の拳に合わせた
コツンっと拳同士がぶつかると昼間振りむいた怪我がチクリと痛み眉がぴくりと揺れてしまった
『っ』
「ん?どうしたんだ?」
『あ、ちょっと怪我が…ね』
「え!おい!見せてみろよ!まさかバトルゾーンでか?なんで早く言わなかったんだよ!」
慌てた彼はナマエの手を掴み手のひらを見下ろし眉を寄せた
『ガイに会う前に転んじゃってさ、その時の怪我なの…見事に膝から転んでさ?あはは、ダサいよね?』
血は止まっていたが擦りむいた傷は赤く痛々しい、怪我をしていたのも気が付かず走らせた事に今更気が付きガイは罪悪感に胸を締め付けられ歯を強く噛み締め顔を険しくさせる
「そこ座ってろ!傷薬貰ってくる!」
『いいよ、もう血も止まってるし』
「良くねぇ!!いいから待ってろ!」
年上に向かってなんて口だろうか
怒りながらエレベーターに乗って消えてしまった彼を見送りナマエはヤレヤレとソファに深く座り夜空を見上げた
屋上だから空が近く開放的だ、花の香りが涼しい風に乗って肌をなぞり気持ちがいい
『……ふふ、変な子』
自分勝手な少年かと思えば優しい一面もある
ついさっきまでの苛立ちなんて消え去りガイが戻るまで大人しく待つ事にし、そんな彼女を少し離れた場所から黄緑色の何かが見つめていたそうだ
オマケ
『え?足も診るの?』
「だって膝も怪我したんだろ?早く出せよ」
『……えっち』
「っ!なんでそうなるんだよ!!」
『そんな事言ったって…もう疲れたちゃったよ』
荷物を奪われたりバトルゾーンという危険地帯に入ってしまって強制的にバトルする羽目になったりと休む暇がなかった
空には既に月が昇っており随分と時間をくってしまったのが分かる
予定外の事態にしょんぼりと肩を落とし歩いていると彼女の足元にいたワニノコが元気づけるように飛び跳ね鳴き声をあげた
『ありがとうワニノコ、ちゃんと歩くから心配しないで』
このワニノコは先を歩く少年ガイから譲り受けたポケモンだった
荷物を奪われヤンチャムのパートナーと戦う流れになってしまい困っていたナマエに自分から力を貸すと飛び出したのがワニノコだ
右へ左へとガイについて行き漸く辿り着いたホテルは大通りに並ぶホテルとは違い壁に植物のツルが伸びた年季の入った建物だった
「ようこそお客様、ホテルZへ」
胸に手を当て頭を下げる姿はまるで慣れたホテルマンのようだ、背筋を戻したガイは先にホテルの扉を開き
「ほら入れよ」
案内されるがままに建物の中へと入ると静かなピアノのBGMがすぐに聞こえフロアには壁にかけられた古い絵画、シンプルな装飾に落ち着いた照明が雰囲気を作っており想像していたより悪くなかった
受付カウンターへと近寄ると二メートル以上はあるのではないかと言うほどの杖をついた高身長の老人がコチラを見下ろしてきた
「その旅行カバンの持ち主か?」
『は、はい』
白髪の老人は彼女の後ろの椅子に置いといたカバンへと視線を向け直した
するとカバンは小さく揺れ中から黄緑色の何かがゆっくりと姿を現しフロアを滑るように逃げていった
それに気がついたのは老人と彼の相棒である黒い花を持つフラエッテだけだろう
『あ…あの?』
無言になる老人に気まずさを感じ声をかけると漸く老人は目の前のナマエへと視線を戻す
「コイツはナマエ、ミアレに来ていきなりトラブったけどワニノコとバッチリのコンビネーションで切り抜けたんだ!」
『トラブった原因はガイにもある気がするけど?』
じっとりとした視線を彼に向けるもガイは気にしていないのか話を続ける
「オレのワニノコ譲ってやっただろ?ホテルにも案内してやったし、それで許せよ」
『なんだかな〜』
納得は出来ないがポケモンもホテルも助かったのは確かだ
「よい判断だ、ポケモンと人は出会うべくして出会う」
「そう運命だ!夜のバトルゾーンも無事に抜けれたし…まあ後半はフラエッテのおかげだけどな」
フラエッテ…この老人がカバンだけ先に届いたのを気にし二人の元へ向かわせたポケモンだ
他のポケモンとは違い特別なポケモンらしく技も破滅の光など特殊な強さを持つ
そんなポケモンのトレーナーであるこの老人…AZも普通ではないのかもしれない
好奇心を持ちつつ老人を見上げると彼は静かに微笑み
「ナマエ…君は何か大きな物に導かれこのホテルに来るべくして来たようだ」
『何かに導かれて…?そんな大袈裟ですよ』
無邪気にふにゃりと笑って返す彼女にAZは小さく頷き一つの鍵を手渡した
「私はAZ、当ホテルのオーナーとして君を歓迎する…部屋は202号室を使うといい」
「2階だな、エレベーターを使ってすぐの部屋だぜ!案内するよ」
そう言うとガイは椅子の上に置いていた彼女のカバンを取り先にエレベーターへと向かおうとし、ナマエとワニノコも吊られて追いかける
「にしてもお前荷物少ないな?軽すぎるぞ」
『いいでしょ!旅行なんて荷物は少ない方がいいの!』
また小さな言い合いをしながらエレベーターに乗り込みロビーに静けさが戻るとAZの側にフラエッテにふわりと近寄り顔を覗き込んだ
「ジガルデ・セルを連れてきた少女…か、彼女もまたミアレに導かれたか」
案内された部屋は一人で使うには広めの部屋だった、大きめのベッドに書き物をするデスク
それとは別に小さなテーブルには生けたばかりの花が飾られており優しい匂いが花を掠める
『結構いい部屋なんじゃ…本当につかっていいのかな?あ!お風呂も広い!!』
シャワーだけでなくバスタブもあった事に感激し早く風呂に入ろうと蛇口を捻る
先にバスタブに飛び込み浅いお湯を楽しむワニノコに微笑み、カバンを置き自分も入ろうと服に手をかけた時だ
扉をノックする音が響いた
「悪いがちょっといいか?」
『〜っ!も〜今度は何!』
脱ぎかけた服を戻し少し苛立ったまま扉を開くと廊下で待っていたガイはまたお辞儀するようにホテルマンの挨拶をし
「お客様、当ホテル自慢のビュースポットをご案内します」
『……今じゃなきゃ駄目なの?』
「いいから来いよ、屋上でいいもん見せてやるからさ」
ホテルマンの真似事をするなら最後まで演じきってほしいものだが、彼はすぐに素になると早く来いとばかりに彼女の手首を掴みエレベーターへ引き連れた
狭いエレベーターの中で浮遊感を感じながらも頬を膨らませたままのナマエは壁側に気怠げに寄りかかる
「んな怒るなよ、見たら絶対機嫌治るって」
『お風呂入りたかったの、服だって脱いでるとこだったんだよ?』
「そ、そりゃ悪かったな、あー、でも絶対後悔させねぇから!な!」
年頃の少年に女性の風呂事情は刺激が強かったのかドギマギとぎこちなく笑う彼は自分の頬を指先でかき視線を泳がせる
若干の気不味さが流れたエレベーターはすぐに屋上につきチーンと高いベルの音を鳴らした
案内された屋上は観光用の場所というより秘密基地のような狭い場所だった
小さな花壇に2人用のソファとクッション、テーブルには飲み物が置かれておりガイに案内されるがままにソファの側に歩み寄ると夜景の中で白く輝くタワーが目に入った
『……綺麗』
「だろ?何だかんだ言ってミアレシティって良いところでさ…オレ好きなんだ」
昼間の出来事だけならミアレシティには悪いイメージを持ちかけたが…この景色は格別に美しく見惚れてしまう
暫く二人で眺めているとガイがタワーを見つめたまま口を開き
「オレさ…AZさんに恩があるんだ、だから恩を返したい!でも一人じゃできなくて…お前も手を貸してくれないか?」
『あたしが?でも余所者だし…』
「頼む!この通り!」
彼が恩を返したいというなら
自分も今回の事についてガイには恩がある…と、言えばあるような気もする
少し考えナマエは自分に言い聞かせると頭を下げているガイに顔を向け直し
『分かった、出来る事は手伝うよ』
「サンキュー!」
拳を作りコチラに向けてきた彼は満面の笑みを浮かべており彼のしたい事に気がついたナマエは同じように拳を作り彼の拳に合わせた
コツンっと拳同士がぶつかると昼間振りむいた怪我がチクリと痛み眉がぴくりと揺れてしまった
『っ』
「ん?どうしたんだ?」
『あ、ちょっと怪我が…ね』
「え!おい!見せてみろよ!まさかバトルゾーンでか?なんで早く言わなかったんだよ!」
慌てた彼はナマエの手を掴み手のひらを見下ろし眉を寄せた
『ガイに会う前に転んじゃってさ、その時の怪我なの…見事に膝から転んでさ?あはは、ダサいよね?』
血は止まっていたが擦りむいた傷は赤く痛々しい、怪我をしていたのも気が付かず走らせた事に今更気が付きガイは罪悪感に胸を締め付けられ歯を強く噛み締め顔を険しくさせる
「そこ座ってろ!傷薬貰ってくる!」
『いいよ、もう血も止まってるし』
「良くねぇ!!いいから待ってろ!」
年上に向かってなんて口だろうか
怒りながらエレベーターに乗って消えてしまった彼を見送りナマエはヤレヤレとソファに深く座り夜空を見上げた
屋上だから空が近く開放的だ、花の香りが涼しい風に乗って肌をなぞり気持ちがいい
『……ふふ、変な子』
自分勝手な少年かと思えば優しい一面もある
ついさっきまでの苛立ちなんて消え去りガイが戻るまで大人しく待つ事にし、そんな彼女を少し離れた場所から黄緑色の何かが見つめていたそうだ
オマケ
『え?足も診るの?』
「だって膝も怪我したんだろ?早く出せよ」
『……えっち』
「っ!なんでそうなるんだよ!!」
