第一章
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年に一回のジムチャレンジ
開会式はエンジンシティで行われた
スタジアムを埋め尽くす観客の歓声は地響きのように会場に振動し、緊張に顔を強張らせた選手達を歓迎する
今年の選手の中には俺の推薦した選手達がいるせいもあり特に楽しみで仕方ない
「キバナ、いいところにいたな!フロアまで連れてってくれ!」
「オマエ…いい加減出口くらい覚えろよ」
キバナが言うにはフロアとは真逆の廊下を俺は進んでいたようだ
お陰で控室から出たばかりの彼と会う事ができたから運がいい
でないときっとまだ迷っていただろうから
「そういやぁオマエの弟久しぶりに見たがデカくなったじゃん、トレーナーとしての腕も成長したか?」
「ああ!ホップはまだトレーナーとして未熟な部分もあるが、兄弟という点を除いても推薦状を渡すに値する選手だぜ」
開会式を俺はコートではなく上にある特等席で見ていた、選手一人一人の顔をちゃんと見るのが俺なりの礼儀だからだ
数多くの選手もバッチを揃えて最後のトーナメントに辿り着く頃には一人か二人がいいところ、だからこそ途中でリタイアした彼らが挑戦した事を忘れないように眺めた
選手の一人としてコートに立つホップは庭で遊んでいた頃の姿と重なり少し感動してしまった
ウールーと遊んでいた小さな弟が今は立派に選手としてユニフォームに包まれている、兄弟なのに自分の子供が独り立ちしたような成長を感じてしまうなんて変だよな
「もう一人は確か…」
「ナマエだ!彼女は特にこれからの成長が楽しみな選手なんだ」
もう一人の俺の推薦した選手
彼女の事を話したくなると、なんだか胸の中に温かいものが広がるから不思議だ
「ふーん確かプラチナブロンドの子だっけ?」
「忘れたのか?あんなに特徴的なプラチナブロンドの髪をした選手なのに!瞳の色だってブルーベリーみたいでとても美味しそうだし…あの髪の毛だって綺麗な色合いで指通りも滑らかそうで思わず触りたくなるくらいだ」
どうしてキバナは彼女の事を覚えてないんだ?
あんなに目立つのに
俺は彼女の事を忘れたというキバナに教えてやったという達成感と誇らしさで胸がいっぱいなった
顎を上げ満足気にしていると隣に立つキバナはニヤリと笑い俺を青い瞳で見下ろしてくる
「ほぉ?よっぽど惚れ込んでるじゃん」
「惚れ?いや選手として期待しているだけだぜ?」
何故惚れ込んでいるなんて言うんだ?
俺は平等に見ているつもりだし、期待しているのは否定しないがそれを言うならホップの事も期待している
「オマエ気がついてないのか?」
「何がだ?」
「じゃあ、問題!二ヶ月前のバウタウンでのイベントバトル!二回戦で出たポケモンは?」
「ギャラドス!」
「なら、そのイベントで司会を務めた女の髪の色は?」
「……………黒髪…いや、茶色の女性だったか?」
とても楽しいバトルなのは覚えていた
ギャラドスのはかいこうせんのタイミングも覚えていたが、司会者の細かい特徴を聞かれるとどうしても記憶がぼやける
「ぶっぶーシルバーだよ、ほらな?あれだけ楽しそうにインタビューしたってのに司会の女の事は覚えてないだろ?特徴的な髪色だってのに」
さっき俺が言った言葉を使われてしまいぐうの音も出ない
そうだ…確かにシルバーだったな
言われれば漸く相手の顔を思い出したが…
「うっ、それは二ヶ月も前だしトレーナーじゃないからだろ?少し忘れる事もあるさ!この話とナマエとどういう関係があるんだ」
「はぁ〜そこは自分で考えてみなよ、ずっと覚えていられる女と覚えてない女の違い」
キバナの言う事はいまいちハッキリしない
答えがあるなら言えばいいのに意地悪だぜ
不満に頬を膨らませながらキバナに案内され暫く廊下を歩くと目的のフロアに辿り着いた
「おっと、もう少し早く来たほうがよかったかもな?」
「何を言って……」
キバナの視線の先に顔を向けると俺の口は動きが勝手に止まってしまった
フロアには開会式を終えた選手達がそれぞれ楽しげに話していた
緊張しただの、憧れのジムリーダーに会えただの喜びに溢れた声が包む中
俺の目はナマエの肩を掴む男の手に釘付けになり、キバナの横を無言で去り真っ直ぐに彼女の元へ向かっていた
ナマエは引き攣った笑みを浮かべながら後退しようとしていたが男の手が邪魔で逃げられないのだろう
だんだんと聞こえてくる二人の声に胃が燃えるような感覚を感じ俺は拳を強く握りなおした
「だからさ、連絡先くらい教えてくれてもいいじゃん」
『さっきから言ってるじゃないですかっ!無理ですってば!』
「なんだよ!こっちが下手にでりゃいい気になって!!」
男の手が肩から離れて彼女の体を強く押した
軽い体はバランスを崩し後ろへと倒れそうになるが…
『うっ!ぁ……あれ?』
倒れる前に彼女の体を支える事ができてよかった、ナマエは背中に回された俺の片腕に気がつくとコチラを見てギョッと目を大きくさせた
驚くのは分かるが……なんか酷くないか?
『ダンデさん!』
「大丈夫か?偶然俺が来たから良かったものの…これはどういう事だ?」
彼女を隣に抱き寄せ改めて突き飛ばした男に視線を向ける、ああ…君もさっき開会式にいたな
まだちゃんと覚えているぜ?
目を細め相手を見下ろしていると男はヘラヘラと苦笑いを浮かべた
「ちょっと間違って…悪気はなかったんですよ?本当に!ちょっと押しただけでそいつが大袈裟にっ」
「まず君は…女性に謝る事を覚えたらどうだ?どう言い逃れを探そうと君が嫌がる女性の体に触れたのは間違いないだろ?」
俺だって会話を全て聞いたわけじゃない
だが確かに嫌がっていた彼女に無理矢理触れていたのはこの男だ
連絡先を教えろと言っていたな
彼女に気があるのか?
だからと言って何をしてもいいわけじゃない
こんな男はナマエに相応しくないぜ
さっきまで掴まれていたナマエの肩にそっと自分の手をそえ、男の感触を上書きするように優しく掴んだ
「ぅっ、それはっ」
まだ謝らないのか?
それ程自分の非を認めたくないというのか
苛立ちに深いため息が出てしまい焦れったさに眉間にしわができた頃
「ハイハイ、オマエはオレさまとちょーと話そうな?」
俺達の会話に堂々と入り込んだのはキバナだった
「ドラゴンストーム!!なんでっ」
「いいから来なよ、話は別の部屋で聞くわ」
首根っこを掴まれズルズルと引き摺られながらフロアを後にした彼を見送り、俺は漸く体から力が抜けた気がした
「ナマエ、大丈夫だったか?」
『ぁ、はい、あたしは平気です』
「何があったんだ?随分しつこく絡まられていたようだが」
もし君が望むなら俺があの男を罰する事もできる、何でも言ってくれて構わないと心に決めナマエの言葉を待つが予想とはまるで違ったものだった
『あ〜ダンデさんの連絡先を教えろってうるさかったんです』
「………ん?俺の?」
『ダンデさんの推薦貰った奴なんだから連絡先くらい知ってるだろって、あたしが知るわけないのに…知らないって何度も言ったのに信じて貰えなくて』
うーん、と、唸りながら考え込んだ彼女は困ったように眉を下げ
『よっぽどダンデさんと親しくなりたかったんだと思います、だからあの人をあまり怒らないでくれませんか?』
「……君はそれでいいのか?」
『え?はい、だってただの誤解ですから』
さも当たり前に男を許す君は本当に変わっている
力も弱くて体も小さくて…
何処から見ても小動物のような見た目の癖に中身は大きく広い
本当に面白くて目が離せないな…君は
「……………はぁぁ……困ったな」
『はい?なんかよく分かりませんが…もう大丈夫なので離れてくれますか?』
「……分かったぜ」
彼女の肩から手を退かしさり気なく背中に伸びたプラチナブロンドを指でなぞった
想像通り指通りのいいそれは気持ちよくて俺の髪とは別物だ
もっと触りたいが
これではあの男と同じになってしまうだろう
物足りなさを感じながらも手を下ろし彼女から少し離れると触れた余韻の残る手で拳を作りマントの中に隠した
もっと触れたい
この感情は……?
オマケ
「ごめんなさいっ誤解なんですっ!本当に俺はただダンデさんに推薦された奴が羨ましくてっ!」
「あ〜〜ハイハイ、分かったから離れてくれ!ったく…余計なお節介するんじゃなかったわ」
別部屋では事情を話して泣く選手に抱きつかれ困っているキバナがいたらしい
開会式はエンジンシティで行われた
スタジアムを埋め尽くす観客の歓声は地響きのように会場に振動し、緊張に顔を強張らせた選手達を歓迎する
今年の選手の中には俺の推薦した選手達がいるせいもあり特に楽しみで仕方ない
「キバナ、いいところにいたな!フロアまで連れてってくれ!」
「オマエ…いい加減出口くらい覚えろよ」
キバナが言うにはフロアとは真逆の廊下を俺は進んでいたようだ
お陰で控室から出たばかりの彼と会う事ができたから運がいい
でないときっとまだ迷っていただろうから
「そういやぁオマエの弟久しぶりに見たがデカくなったじゃん、トレーナーとしての腕も成長したか?」
「ああ!ホップはまだトレーナーとして未熟な部分もあるが、兄弟という点を除いても推薦状を渡すに値する選手だぜ」
開会式を俺はコートではなく上にある特等席で見ていた、選手一人一人の顔をちゃんと見るのが俺なりの礼儀だからだ
数多くの選手もバッチを揃えて最後のトーナメントに辿り着く頃には一人か二人がいいところ、だからこそ途中でリタイアした彼らが挑戦した事を忘れないように眺めた
選手の一人としてコートに立つホップは庭で遊んでいた頃の姿と重なり少し感動してしまった
ウールーと遊んでいた小さな弟が今は立派に選手としてユニフォームに包まれている、兄弟なのに自分の子供が独り立ちしたような成長を感じてしまうなんて変だよな
「もう一人は確か…」
「ナマエだ!彼女は特にこれからの成長が楽しみな選手なんだ」
もう一人の俺の推薦した選手
彼女の事を話したくなると、なんだか胸の中に温かいものが広がるから不思議だ
「ふーん確かプラチナブロンドの子だっけ?」
「忘れたのか?あんなに特徴的なプラチナブロンドの髪をした選手なのに!瞳の色だってブルーベリーみたいでとても美味しそうだし…あの髪の毛だって綺麗な色合いで指通りも滑らかそうで思わず触りたくなるくらいだ」
どうしてキバナは彼女の事を覚えてないんだ?
あんなに目立つのに
俺は彼女の事を忘れたというキバナに教えてやったという達成感と誇らしさで胸がいっぱいなった
顎を上げ満足気にしていると隣に立つキバナはニヤリと笑い俺を青い瞳で見下ろしてくる
「ほぉ?よっぽど惚れ込んでるじゃん」
「惚れ?いや選手として期待しているだけだぜ?」
何故惚れ込んでいるなんて言うんだ?
俺は平等に見ているつもりだし、期待しているのは否定しないがそれを言うならホップの事も期待している
「オマエ気がついてないのか?」
「何がだ?」
「じゃあ、問題!二ヶ月前のバウタウンでのイベントバトル!二回戦で出たポケモンは?」
「ギャラドス!」
「なら、そのイベントで司会を務めた女の髪の色は?」
「……………黒髪…いや、茶色の女性だったか?」
とても楽しいバトルなのは覚えていた
ギャラドスのはかいこうせんのタイミングも覚えていたが、司会者の細かい特徴を聞かれるとどうしても記憶がぼやける
「ぶっぶーシルバーだよ、ほらな?あれだけ楽しそうにインタビューしたってのに司会の女の事は覚えてないだろ?特徴的な髪色だってのに」
さっき俺が言った言葉を使われてしまいぐうの音も出ない
そうだ…確かにシルバーだったな
言われれば漸く相手の顔を思い出したが…
「うっ、それは二ヶ月も前だしトレーナーじゃないからだろ?少し忘れる事もあるさ!この話とナマエとどういう関係があるんだ」
「はぁ〜そこは自分で考えてみなよ、ずっと覚えていられる女と覚えてない女の違い」
キバナの言う事はいまいちハッキリしない
答えがあるなら言えばいいのに意地悪だぜ
不満に頬を膨らませながらキバナに案内され暫く廊下を歩くと目的のフロアに辿り着いた
「おっと、もう少し早く来たほうがよかったかもな?」
「何を言って……」
キバナの視線の先に顔を向けると俺の口は動きが勝手に止まってしまった
フロアには開会式を終えた選手達がそれぞれ楽しげに話していた
緊張しただの、憧れのジムリーダーに会えただの喜びに溢れた声が包む中
俺の目はナマエの肩を掴む男の手に釘付けになり、キバナの横を無言で去り真っ直ぐに彼女の元へ向かっていた
ナマエは引き攣った笑みを浮かべながら後退しようとしていたが男の手が邪魔で逃げられないのだろう
だんだんと聞こえてくる二人の声に胃が燃えるような感覚を感じ俺は拳を強く握りなおした
「だからさ、連絡先くらい教えてくれてもいいじゃん」
『さっきから言ってるじゃないですかっ!無理ですってば!』
「なんだよ!こっちが下手にでりゃいい気になって!!」
男の手が肩から離れて彼女の体を強く押した
軽い体はバランスを崩し後ろへと倒れそうになるが…
『うっ!ぁ……あれ?』
倒れる前に彼女の体を支える事ができてよかった、ナマエは背中に回された俺の片腕に気がつくとコチラを見てギョッと目を大きくさせた
驚くのは分かるが……なんか酷くないか?
『ダンデさん!』
「大丈夫か?偶然俺が来たから良かったものの…これはどういう事だ?」
彼女を隣に抱き寄せ改めて突き飛ばした男に視線を向ける、ああ…君もさっき開会式にいたな
まだちゃんと覚えているぜ?
目を細め相手を見下ろしていると男はヘラヘラと苦笑いを浮かべた
「ちょっと間違って…悪気はなかったんですよ?本当に!ちょっと押しただけでそいつが大袈裟にっ」
「まず君は…女性に謝る事を覚えたらどうだ?どう言い逃れを探そうと君が嫌がる女性の体に触れたのは間違いないだろ?」
俺だって会話を全て聞いたわけじゃない
だが確かに嫌がっていた彼女に無理矢理触れていたのはこの男だ
連絡先を教えろと言っていたな
彼女に気があるのか?
だからと言って何をしてもいいわけじゃない
こんな男はナマエに相応しくないぜ
さっきまで掴まれていたナマエの肩にそっと自分の手をそえ、男の感触を上書きするように優しく掴んだ
「ぅっ、それはっ」
まだ謝らないのか?
それ程自分の非を認めたくないというのか
苛立ちに深いため息が出てしまい焦れったさに眉間にしわができた頃
「ハイハイ、オマエはオレさまとちょーと話そうな?」
俺達の会話に堂々と入り込んだのはキバナだった
「ドラゴンストーム!!なんでっ」
「いいから来なよ、話は別の部屋で聞くわ」
首根っこを掴まれズルズルと引き摺られながらフロアを後にした彼を見送り、俺は漸く体から力が抜けた気がした
「ナマエ、大丈夫だったか?」
『ぁ、はい、あたしは平気です』
「何があったんだ?随分しつこく絡まられていたようだが」
もし君が望むなら俺があの男を罰する事もできる、何でも言ってくれて構わないと心に決めナマエの言葉を待つが予想とはまるで違ったものだった
『あ〜ダンデさんの連絡先を教えろってうるさかったんです』
「………ん?俺の?」
『ダンデさんの推薦貰った奴なんだから連絡先くらい知ってるだろって、あたしが知るわけないのに…知らないって何度も言ったのに信じて貰えなくて』
うーん、と、唸りながら考え込んだ彼女は困ったように眉を下げ
『よっぽどダンデさんと親しくなりたかったんだと思います、だからあの人をあまり怒らないでくれませんか?』
「……君はそれでいいのか?」
『え?はい、だってただの誤解ですから』
さも当たり前に男を許す君は本当に変わっている
力も弱くて体も小さくて…
何処から見ても小動物のような見た目の癖に中身は大きく広い
本当に面白くて目が離せないな…君は
「……………はぁぁ……困ったな」
『はい?なんかよく分かりませんが…もう大丈夫なので離れてくれますか?』
「……分かったぜ」
彼女の肩から手を退かしさり気なく背中に伸びたプラチナブロンドを指でなぞった
想像通り指通りのいいそれは気持ちよくて俺の髪とは別物だ
もっと触りたいが
これではあの男と同じになってしまうだろう
物足りなさを感じながらも手を下ろし彼女から少し離れると触れた余韻の残る手で拳を作りマントの中に隠した
もっと触れたい
この感情は……?
オマケ
「ごめんなさいっ誤解なんですっ!本当に俺はただダンデさんに推薦された奴が羨ましくてっ!」
「あ〜〜ハイハイ、分かったから離れてくれ!ったく…余計なお節介するんじゃなかったわ」
別部屋では事情を話して泣く選手に抱きつかれ困っているキバナがいたらしい
