ZA短編集
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※両片想い中な二人
「……珍しいですね、貴女がこういった店に行きたがるなんて」
薄暗く柔らかい店内の灯りとアルコールの匂い
カチャカチャとグラスのぶつかる音と控えめな笑い声は店内に流れる静かなジャズと混ざり雰囲気作りに役立つ
ミアレシティでもっとも大きなバーに来たフラダリは自分を誘ってくれたナマエをじっと見下ろした
『そ、そうかな?』
「何か企んでますか?」
『企むだなんて!あたしはただフラダリさんと大人の付き合いをしてみたいと思っただけです!』
「大人の付き合い……ですか」
いそいそと空いていたカウンター席に先に座る彼女はやはり何か隠しているのだろう
言葉にしなくてもやたら耳に髪をかける仕草がその証拠だと彼は気づいているが
懸命に隠そうとする姿をもう少し眺めたくて敢えて知らぬふりをし隣に腰掛けた
『なんか色々ありますね』
酒を飲める歳ではあるが実際にバーで飲むのは初めてだ
名前からは味を想像する事も出来ない酒のメニューとにらめっこをし困っているとフラダリが先にバーテンダーに何やら注文をし一つのグラスをナマエに差し出した
「君にはこの辺りがいいだろう、甘いので飲みやすいと思いますよ」
差し出されたオレンジ色の酒が入ったグラスには輪切りされたオレンの実と花が飾られており見た目も美しい
ひんやりとしたグラスを受け取り恐る恐る喉へと一口流し込むとふわりとした柑橘系の風味が口内を包んだ
『ん…あ…美味しいっ』
「それはよかった」
彼女が喜んだ事に満足した彼は自分のグラスに手を伸ばしカラリと氷の音をさせながら琥珀色の酒を喉へと流し込んだ
酒が喉を通る度に上下する喉仏をぼんやりと見つめてしまい、グラスから口を離し上げていた顎を元の位置戻した彼と目が合った
『あ、フラダリさんのお酒は何ですか?』
「ただのウィスキーですよ、一口飲みますか?」
向けられた琥珀色の酒は透明な氷と共に店内の光を反射し綺麗だった
この酒も自分の酒のように甘くて美味いのかもしれないと期待し冷えたグラスを受け取り一口喉に流し込むが…
『……ぅ』
一瞬で期待は裏切られ顔全体がキュッと強張った気がした
「ふふっ…君にはまだ早かったか」
独特の苦味はナマエにはまだ美味いと感じる事ができず口直しにオレンジ色の酒を急いで喉に流し込む
ナマエの行動を酒のつまみにフラダリは優しく微笑みながらウィスキーを暫く楽しんだ
何度か酒を注文した頃だ
隣に腰掛けた彼女の様子がおかしくなり出す
『うぅ…なんか…体がふわふわする』
「ナマエさん?」
『なんれすか〜?』
座っているのにフラフラと頭を揺らし笑っている彼女は頬をほんのりと赤らめ、首の後ろの肌もほんのりと熱を発している
蕩けた瞳は色気を帯びており、誰から見ても酔っ払いだ
「……随分酔いましたね」
カウンター席は低いながらも背もたれがある
だが今の彼女では安心する事ができず、フラダリはそっとナマエの背中に手を添え後ろに倒れないよう気を配った
『酔ってません!今日はぁ…フラダリさんが酔うまで飲みます!』
「なるほど…それが目的だったか」
『んぇ?なんで分かったんですか?凄いですね〜!』
今さっき自分が言った事さえ分かっていないのか、ナマエは心から驚いたように反応しケタケタと笑い出す
「生憎…私はこんな場所では酔いませんよ」
『ちぇっ!ねぇ〜フラダリさん、フラダリさんはぁ〜どんな人がタイプなんですか?』
「タイプ?」
今度は何を言うのかと彼女に顔だけを振り向かせるとナマエは身を乗り出しフラダリの顔を覗き込んだ
『好みの、女性れす!フラダリさんモテそうだし…選びたいほうだいでひょ?』
「……隨分酔いましたね、チェイサーを貰いましょうか」
『チェイ?なぁに?おさけ?』
「口直しの水ですよ」
『いらなぁいっ!ていうかフラダリさんのタイプきいてなぁい!』
「おや……忘れていませんでしたか」
話をはぐらかそうとしたが失敗だったようだ
クスクスと小さく笑ったフラダリは軽く彼女の背中を撫で空いている方の手で頬杖を作った
「どうして気になるんですか?」
その目は獲物を見つめる肉食動物のようだった
普段よりも熱のこもったライトグレーの瞳に気が付かずナマエはヘラリと笑い
『だってあたしフラダリさんの事好きだもん』
ごく自然に告げた告白だった
出会ってから何度もこうして会い言葉を交わしてきたが友人止まり、お互いに好意を募らせていたが愛の告白まではしたことが無かった
ずっと言いたくても言えなかった言葉をまさかこのタイミングで聞く事になるとは思わずフラダリは珍しく驚いてしまう
「………まさか、本気だというのか?」
『ほんきぃ〜、ずっとチューしたくて大変なんれす!あ…へへっ、言っちゃった〜フラダリさんには内緒ですよ?』
どれ程酔っているのだろう
誰に話しているつもりなのか、目の前にいる本人に秘密だと告げ自分の唇に人差し指を添えて笑う彼女が愛らしくて…フラダリは彼女の背中から手を下ろし
「クッ、………はぁ……君は…本当に」
代わりにカウンターテーブルの上に置かれた彼女の手を上から握り包み込む
大きな手は熱くそれでいてゴツゴツしており男性らしく硬い
そんな手が壊れ物を扱うように彼女の手に指を絡めだし、細く白い指を中指の先で優しくなぞった
『んん?なんれすか?この手は〜えっちですね〜』
「…私なりに誘ってるつもりだが?」
「ん〜?」
小首を傾げまだ理解しない彼女に焦れったさを感じフラダリはナマエの手を掴み自分の顔へと向けると唇を近寄らせ、小さな手のひらにリップ音を鳴らした
啄むように
何度もリップ音を鳴らし続けると唇が触れる感触が擽ったいのかナマエが甘い声を漏らしながら小さく震えだす
『っ、ん、ぅ?』
手のひらから指の付け根にキスを贈り、その手の向こう側からコチラをみたフラダリは眉を寄せ切なげに熱を孕んだ瞳をナマエに向ける
「見たくありませんか?」
『ん…んん?』
囁かれる渋めの低音ボイス
店内の音に邪魔されたくなくて無意識に顔を寄せよく声を聞こうとすると手のひらから顔を離したフラダリの顔が同じく近寄り
「……私が……君だけに酔っている姿を」
漸く彼が何を言っているのか理解した
こんな場所で…他にも客がいるというのになんて言う誘いだろうか
驚きとは別に胸をドキドキと高鳴らせた彼女は酔いとは別に頬を真っ赤にさせ勢いよく身を後ろへと引いた
『にゃ、なっ、フラダリさん?何をっ』
少しだけ正気に戻ったのだろう
慌てて距離を取ろうとするがフラダリは彼女をもう逃がす気はない
「それともこんなオジサンが相手では不満か?」
まだ握っていた彼女の手を力強く引き、自分の胸元に押し当て問いかける
服の上からでも分かる厚い胸板は歳を感じさせない程逞しく
大きな手と首筋の筋肉にかかる陰影の濃さに服の中に隠れた筋肉美を想像してしまう
『ふまんだなんてっあたしこそ…なんにもいいとこないし…』
「君は十分魅力的だ、だからこそ今まで私は距離を置いていたんだ」
胸に押し当てた手を左側へ…心臓のある方へと寄せるとフラダリは彼女の耳元へと唇を寄せ
「私は人一倍……独占欲の強い男だからな」
『〜〜〜っ!!』
もう駄目だった
これ以上何も抵抗できそうにない
完全に堕ちてしまったナマエは顔から湯気をだしフラフラと彼の肩に額を寄せた
「……私の愛を受け取ってくれないか?」
耳から腰に響きそうな渋い声、まだ何も始まっていないはず無のに既に愛撫が開始されたような錯覚を感じてしまう
「ここを出よう…君とキスがしたい」
小さく頷いた彼女はその後フラダリと共に店を後にしカウンターに並ぶ二つのグラスが店内の灯りを美しく反射させていた
グラスの中に残された氷は店の外で深いキスを交わす二人のようにカラリと音を鳴らしゆっくりと酒と溶けあっていった
「……珍しいですね、貴女がこういった店に行きたがるなんて」
薄暗く柔らかい店内の灯りとアルコールの匂い
カチャカチャとグラスのぶつかる音と控えめな笑い声は店内に流れる静かなジャズと混ざり雰囲気作りに役立つ
ミアレシティでもっとも大きなバーに来たフラダリは自分を誘ってくれたナマエをじっと見下ろした
『そ、そうかな?』
「何か企んでますか?」
『企むだなんて!あたしはただフラダリさんと大人の付き合いをしてみたいと思っただけです!』
「大人の付き合い……ですか」
いそいそと空いていたカウンター席に先に座る彼女はやはり何か隠しているのだろう
言葉にしなくてもやたら耳に髪をかける仕草がその証拠だと彼は気づいているが
懸命に隠そうとする姿をもう少し眺めたくて敢えて知らぬふりをし隣に腰掛けた
『なんか色々ありますね』
酒を飲める歳ではあるが実際にバーで飲むのは初めてだ
名前からは味を想像する事も出来ない酒のメニューとにらめっこをし困っているとフラダリが先にバーテンダーに何やら注文をし一つのグラスをナマエに差し出した
「君にはこの辺りがいいだろう、甘いので飲みやすいと思いますよ」
差し出されたオレンジ色の酒が入ったグラスには輪切りされたオレンの実と花が飾られており見た目も美しい
ひんやりとしたグラスを受け取り恐る恐る喉へと一口流し込むとふわりとした柑橘系の風味が口内を包んだ
『ん…あ…美味しいっ』
「それはよかった」
彼女が喜んだ事に満足した彼は自分のグラスに手を伸ばしカラリと氷の音をさせながら琥珀色の酒を喉へと流し込んだ
酒が喉を通る度に上下する喉仏をぼんやりと見つめてしまい、グラスから口を離し上げていた顎を元の位置戻した彼と目が合った
『あ、フラダリさんのお酒は何ですか?』
「ただのウィスキーですよ、一口飲みますか?」
向けられた琥珀色の酒は透明な氷と共に店内の光を反射し綺麗だった
この酒も自分の酒のように甘くて美味いのかもしれないと期待し冷えたグラスを受け取り一口喉に流し込むが…
『……ぅ』
一瞬で期待は裏切られ顔全体がキュッと強張った気がした
「ふふっ…君にはまだ早かったか」
独特の苦味はナマエにはまだ美味いと感じる事ができず口直しにオレンジ色の酒を急いで喉に流し込む
ナマエの行動を酒のつまみにフラダリは優しく微笑みながらウィスキーを暫く楽しんだ
何度か酒を注文した頃だ
隣に腰掛けた彼女の様子がおかしくなり出す
『うぅ…なんか…体がふわふわする』
「ナマエさん?」
『なんれすか〜?』
座っているのにフラフラと頭を揺らし笑っている彼女は頬をほんのりと赤らめ、首の後ろの肌もほんのりと熱を発している
蕩けた瞳は色気を帯びており、誰から見ても酔っ払いだ
「……随分酔いましたね」
カウンター席は低いながらも背もたれがある
だが今の彼女では安心する事ができず、フラダリはそっとナマエの背中に手を添え後ろに倒れないよう気を配った
『酔ってません!今日はぁ…フラダリさんが酔うまで飲みます!』
「なるほど…それが目的だったか」
『んぇ?なんで分かったんですか?凄いですね〜!』
今さっき自分が言った事さえ分かっていないのか、ナマエは心から驚いたように反応しケタケタと笑い出す
「生憎…私はこんな場所では酔いませんよ」
『ちぇっ!ねぇ〜フラダリさん、フラダリさんはぁ〜どんな人がタイプなんですか?』
「タイプ?」
今度は何を言うのかと彼女に顔だけを振り向かせるとナマエは身を乗り出しフラダリの顔を覗き込んだ
『好みの、女性れす!フラダリさんモテそうだし…選びたいほうだいでひょ?』
「……隨分酔いましたね、チェイサーを貰いましょうか」
『チェイ?なぁに?おさけ?』
「口直しの水ですよ」
『いらなぁいっ!ていうかフラダリさんのタイプきいてなぁい!』
「おや……忘れていませんでしたか」
話をはぐらかそうとしたが失敗だったようだ
クスクスと小さく笑ったフラダリは軽く彼女の背中を撫で空いている方の手で頬杖を作った
「どうして気になるんですか?」
その目は獲物を見つめる肉食動物のようだった
普段よりも熱のこもったライトグレーの瞳に気が付かずナマエはヘラリと笑い
『だってあたしフラダリさんの事好きだもん』
ごく自然に告げた告白だった
出会ってから何度もこうして会い言葉を交わしてきたが友人止まり、お互いに好意を募らせていたが愛の告白まではしたことが無かった
ずっと言いたくても言えなかった言葉をまさかこのタイミングで聞く事になるとは思わずフラダリは珍しく驚いてしまう
「………まさか、本気だというのか?」
『ほんきぃ〜、ずっとチューしたくて大変なんれす!あ…へへっ、言っちゃった〜フラダリさんには内緒ですよ?』
どれ程酔っているのだろう
誰に話しているつもりなのか、目の前にいる本人に秘密だと告げ自分の唇に人差し指を添えて笑う彼女が愛らしくて…フラダリは彼女の背中から手を下ろし
「クッ、………はぁ……君は…本当に」
代わりにカウンターテーブルの上に置かれた彼女の手を上から握り包み込む
大きな手は熱くそれでいてゴツゴツしており男性らしく硬い
そんな手が壊れ物を扱うように彼女の手に指を絡めだし、細く白い指を中指の先で優しくなぞった
『んん?なんれすか?この手は〜えっちですね〜』
「…私なりに誘ってるつもりだが?」
「ん〜?」
小首を傾げまだ理解しない彼女に焦れったさを感じフラダリはナマエの手を掴み自分の顔へと向けると唇を近寄らせ、小さな手のひらにリップ音を鳴らした
啄むように
何度もリップ音を鳴らし続けると唇が触れる感触が擽ったいのかナマエが甘い声を漏らしながら小さく震えだす
『っ、ん、ぅ?』
手のひらから指の付け根にキスを贈り、その手の向こう側からコチラをみたフラダリは眉を寄せ切なげに熱を孕んだ瞳をナマエに向ける
「見たくありませんか?」
『ん…んん?』
囁かれる渋めの低音ボイス
店内の音に邪魔されたくなくて無意識に顔を寄せよく声を聞こうとすると手のひらから顔を離したフラダリの顔が同じく近寄り
「……私が……君だけに酔っている姿を」
漸く彼が何を言っているのか理解した
こんな場所で…他にも客がいるというのになんて言う誘いだろうか
驚きとは別に胸をドキドキと高鳴らせた彼女は酔いとは別に頬を真っ赤にさせ勢いよく身を後ろへと引いた
『にゃ、なっ、フラダリさん?何をっ』
少しだけ正気に戻ったのだろう
慌てて距離を取ろうとするがフラダリは彼女をもう逃がす気はない
「それともこんなオジサンが相手では不満か?」
まだ握っていた彼女の手を力強く引き、自分の胸元に押し当て問いかける
服の上からでも分かる厚い胸板は歳を感じさせない程逞しく
大きな手と首筋の筋肉にかかる陰影の濃さに服の中に隠れた筋肉美を想像してしまう
『ふまんだなんてっあたしこそ…なんにもいいとこないし…』
「君は十分魅力的だ、だからこそ今まで私は距離を置いていたんだ」
胸に押し当てた手を左側へ…心臓のある方へと寄せるとフラダリは彼女の耳元へと唇を寄せ
「私は人一倍……独占欲の強い男だからな」
『〜〜〜っ!!』
もう駄目だった
これ以上何も抵抗できそうにない
完全に堕ちてしまったナマエは顔から湯気をだしフラフラと彼の肩に額を寄せた
「……私の愛を受け取ってくれないか?」
耳から腰に響きそうな渋い声、まだ何も始まっていないはず無のに既に愛撫が開始されたような錯覚を感じてしまう
「ここを出よう…君とキスがしたい」
小さく頷いた彼女はその後フラダリと共に店を後にしカウンターに並ぶ二つのグラスが店内の灯りを美しく反射させていた
グラスの中に残された氷は店の外で深いキスを交わす二人のようにカラリと音を鳴らしゆっくりと酒と溶けあっていった
