ZA短編集
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※カラスバvsフラダリ
※フラダリ寄り
「ボスっッ!一大事です!」
昼間からサビ組の事務所に響く大きな声
仕事の書類に目を通していたカラスバは煩そうに眉を寄せ、こめかみを指先で撫でながら鋭い視線をジプソに向けた
「なんや騒々しい、また何処かのアホが喧嘩売ってきたんか?」
「いえっ、それが」
バタバタとカラスバのデスク前に駆け寄り肩で息をするジプソはまだ上手く声が出ないようだ
息が整うのを待ちつつカラスバはヤレヤレと次の書類に目を通す
「それともあれか?またガイの奴が金貸せとか言うんか?そんなら利子は前の倍に…」
「ナマエさんが…風邪をおひきになったそうです」
ダンッッ!!
「早よ言えやぁっッ!!」
持っていた書類を乱暴に机に押しつぶし立ち上がる彼は何本も青筋を顔に浮かべ叫びに近い怒声を事務所に響かせた
ナマエはMZ団のメンバーの一人でありミアレシティの人助けをよくしており
サビ組とはガイの問題で知り合い解決した後もカラスバが個人的にちょくちょく気にかけている少女だ
彼女の事と分かった途端、彼の行動は別人のように早くなり早々にエレベーターへと歩きだしジプソも後を追いかける
サビ組専用のリムジンに乗り辿り着いたのはホテルZ、フロアに入るなりガイにギョッとされたが今は気にしていられない
エレベーターを使い、二階にあるナマエの部屋へとゆっくりと歩いて向かう
カラスバは片手に大きな花束を持ち直し扉の前に着くとネクタイを空いてる手で締め直し左右に振り首を軽く鳴らした
「ジプソ…今日の俺はイケてるか?」
「はい!いつも通りビシッと決まってます!」
ニカッ!と、笑顔で答えればカラスバも静かに頷き
「っし!!乗り込むで!」
何故かバトル前のように気合いを入れなおし、態度とは真逆に優しく扉を数回ノックした
「俺や、ここ開けてや?」
名前なんて名乗らない
二人の間なら声で自分が分かるだろうと期待し若干の緊張を顔に浮かべ扉を見つめていると
ガチャ
「……………君は」
扉が開いて最初に見えたのは予想していた少女の笑顔ではなく誰かの胸元、視線を上げ見えたのは全く予想していなかった人物だった
「なっ、はぁっ?」
「フッフラダリさんっ!何故貴方がここに!」
そこにいたのはフラダリ、まさかの恩人との再会にジプソまで驚きカラスバの顔を見比べるが驚きすぎて固まっているようだ
すると遅れて足音が中からしフラダリの体の横からひょっこりと部屋の主が顔を見せてくれた
『フラダリさんっ、勝手に開けないでくださいっ!お客様は誰でしたか…ってあれ?カラスバさんにジプソさん!』
「お、おう、なんや風邪ひいたっちゅーから…近くまで来たついでに見舞いに来たんや」
漸く我に帰った彼は落ち着きを取り戻そうと眼鏡を直し持っていた花束を彼女に手渡した
「見舞いの品や」
『うわぁ、凄い綺麗な花束!ありがとうございます!』
大きな花束を受け取る彼女は花に負けない程、可愛らしく微笑みカラスバも自然と頬を緩めてしまう
「お前に似合いそうなのを選んだつもりやけど…気に入ってくれたんなら良かったわ」
『カラスバさんが選んでくれたんですか?とっても気に入りました!ちゃんと部屋に飾りますね』
嬉しそうに花束に顔を寄せ香りを楽しむ彼女をフラダリはじっと見下ろし、その視線に気がつく事もなくナマエはカラスバと会話を続けた
『お仕事忙しいのにわざわざすみません!良かったらお茶でも…あ、お時間大丈夫でしたらですが』
「ほな、ほんの少しお邪魔さしてもらうわ…ジプソ」
「はい!お茶なら自分が用意しますので!ナマエさんはボスとゆっくりしててください!」
『え?でもお客様にそんな』
「お任せをっ!!」
『はぁ、では…お願いします』
阿吽の呼吸というのだろうか
ジプソはカラスバが何を言いたいのか言葉にしなくても分かるようで、部屋の中に入るなりお茶の用意を率先して行った
ホテルの客室ではあるが、長い事泊まっているせいか室内は彼女好みに飾られている
ミアレシティの街で買った小物や本が棚に飾られベッドには可愛らしいぬいぐるみの数々が目を引いた
「体は大丈夫なんか?」
ベッドの側にある小さなテーブルと一つの椅子、そこに腰掛け脚を組み合わせるとカラスバは本題へと口を開いた
ジプソは会話の邪魔にならないようお茶を出し終えると壁側に避け気配を殺しカラスバが話をしやすいように気遣った
『昨日までは酷かったんですが、今朝起きたら熱も下がって調子がいいんです!』
両手に拳を作り元気いっぱいだとアピールすればカラスバはホッとし笑みを浮かべるが、彼女の後ろから近寄ってきた男によりそれもすぐに消えた
「油断してはならない…子供は夜になったら熱をぶり返すものだ、ちゃんと横になりなさい」
自然と肩を抱くフラダリの手
その手に苛立ちながらも恩人相手にどうこう出るわけにもいかない
ぴくりと眉に力を入れつつカラスバは腹の奥に渦巻く嫉妬を押し殺した
『子供扱いしないでください!もうりっぱなレディです!』
「レディ…なぁ?それにしてはめっちゃ可愛らしいお部屋やんなぁ」
チラリと視線を向けた先にあるベッド
そこにはところ狭しとぬいぐるみが飾られており誰用のベッドか分からない程だ
特に枕の横に置かれたピカチュウの大きなぬいぐるみは何処となく彼女に似て癒される
『こ、これは』
「ええんちゃう?お前に似て可愛ぇで」
『〜〜っ、カラスバさんったら!』
頬を赤め恥ずかしそうに口元を手の甲で隠す彼女はカラスバを直視できないのだろう
チラリと盗み見するつもりがパチリと彼と視線がぶつかりそそくさと何でもないフリを決め込みベッドに腰掛けた
その後ナマエとカラスバは軽く会話を続け、ジプソとフラダリは壁に背を押し付け無言だった
何かフラダリに話しかけようとジプソがチラリと横にいる彼を見ると胸の前で腕を組み合わせた手首に真新しいブレスレットを見つけた
「そのブレスレット…お似合いですね」
小声で話しかけるとフラダリは視線だけをジプソに一度向け自分の手首に着けたブレスレットに視線を落とし小さく微笑んだ
「ああ……特別にオーダーメイドしたものだが、気に入っている」
ブレスレットにはアクセント用の小さな石が付いておりダークレッドとライトグレーが美しい
フラダリが購入した物なら余程良い物だろうと一人納得し終えると丁度カラスバの話も終わったようだ
「ああ…長居してもうたな?お前と話すといつもこれや…とにかく早よ体治し?元気になったらまた美味いもんでも食いに連れてったるから」
『へへっ、ありがとうございます!』
カラスバが立ち上がると彼女も見送りをしようと立ち上がり彼の側にかけよった
ジプソは二人の数歩後ろからついていくが、ふと彼女の手首に光る物を見つける
「(ん?ナマエさんの手首についてるブレスレット…初めて見るような……ハッ!)」
それはつい先程見たフラダリと同じブレスレット、つまりはお揃いだ
オーダーメイドした物と彼は言っていた
それを彼女がつけているという事は…
「(見なかった事にしよう)」
頭を振り考えるのをやめる事にした
「ほなゆっくり休みぃ?」
部屋から出る前にカラスバは優しく彼女の頭を撫で微笑み、ナマエも抵抗する事なく嬉しそうに返事をした
扉が閉まるまでそのまま部屋の前で彼女を見つめ終えると、カラスバは自分の手のひらを眺め口角を上げた
「なぁ、ジプソ」
「はい」
「今日でナマエん中の俺への好感度上がったんちゃう?」
自信ありげにコチラに振り返った彼はきっと有意義な時間を楽しめたのだろう
「爆上がりです!ボス!」
ジプソは空気が読める男だ
上司を褒める事も求めている言葉もちゃんと理解できている
「せやろ?あんなブレスレットまでして…俺の事隠れて想ってるなんて健気な女やわぁ」
「ブレスレット?」
「なんや気が付かんの?ナマエの手首についとったブレスレットの石は俺のペンドラーの色やで?」
ダークレッドとライトグレー
言われてみればペンドラーのメガシンカした時の色に似ていないわけでもない……が…
きっと違うだろうとジプソは内心思う
「あーあ、モテる男はつらいでぇ」
長い前髪をかきあげる彼の頬はほんのりと赤く嬉しそうだ
「……っ!流石はボスです!!」
もう一度言おう、ジプソは空気が読める男だ
一方室内では……
「やはり熱がまた出てきていますね」
カラスバが触れたであろう頭をフラダリは同じように撫で彼の感触を上書きしているようだった
そんな事に気が付かない彼女はヘラリと笑い
『このくらい平気ですってば』
「いけません、風邪は治りかけが一番危ないのです」
ナマエを優しくベッドへとエスコートし寝かせると寒くないように胸元に布団をかけてやる
甲斐甲斐しい彼に照れてしまいナマエは一つわざと文句を口にした
『もぉ!それにしても、ぬいぐるみ増えすぎです!来るたびに持ってくるのやめてください』
「……貴方に似合うかと、嫌いですか?」
『嫌いじゃないですが、ベッドの上がぬいぐるみだらけで埋もれちゃいます』
フラダリはベッドに腰掛けると彼女の枕元の側にぬいぐるみを寄せクスッと小さく微笑んだ
「可愛い物に包まれた貴女はとても魅力的だ」
『〜〜っ、フラダリさんの趣味よくわかりませんっ』
「風邪が治ったらもう一度教えてあげましょうか?私の好きな物を」
そう言いながら背中を丸めた彼はナマエの耳元へと唇を寄せ何かを呟いた
言葉を理解した途端ナマエは耳まで真っ赤に染め上げ布団で徐ろに顔を隠し逃げ出す
『っ!また風邪ひく事になるのは嫌なのでっお手柔らかにしてくださいっ!』
クスクスと楽しげに笑う彼はブレスレットを着けた手で布団に隠れた彼女の頭を撫でる
私が好きな物…私だけが見る事ができる物
それは私の腕の中で可愛らしく鳴く貴女です
※フラダリ寄り
「ボスっッ!一大事です!」
昼間からサビ組の事務所に響く大きな声
仕事の書類に目を通していたカラスバは煩そうに眉を寄せ、こめかみを指先で撫でながら鋭い視線をジプソに向けた
「なんや騒々しい、また何処かのアホが喧嘩売ってきたんか?」
「いえっ、それが」
バタバタとカラスバのデスク前に駆け寄り肩で息をするジプソはまだ上手く声が出ないようだ
息が整うのを待ちつつカラスバはヤレヤレと次の書類に目を通す
「それともあれか?またガイの奴が金貸せとか言うんか?そんなら利子は前の倍に…」
「ナマエさんが…風邪をおひきになったそうです」
ダンッッ!!
「早よ言えやぁっッ!!」
持っていた書類を乱暴に机に押しつぶし立ち上がる彼は何本も青筋を顔に浮かべ叫びに近い怒声を事務所に響かせた
ナマエはMZ団のメンバーの一人でありミアレシティの人助けをよくしており
サビ組とはガイの問題で知り合い解決した後もカラスバが個人的にちょくちょく気にかけている少女だ
彼女の事と分かった途端、彼の行動は別人のように早くなり早々にエレベーターへと歩きだしジプソも後を追いかける
サビ組専用のリムジンに乗り辿り着いたのはホテルZ、フロアに入るなりガイにギョッとされたが今は気にしていられない
エレベーターを使い、二階にあるナマエの部屋へとゆっくりと歩いて向かう
カラスバは片手に大きな花束を持ち直し扉の前に着くとネクタイを空いてる手で締め直し左右に振り首を軽く鳴らした
「ジプソ…今日の俺はイケてるか?」
「はい!いつも通りビシッと決まってます!」
ニカッ!と、笑顔で答えればカラスバも静かに頷き
「っし!!乗り込むで!」
何故かバトル前のように気合いを入れなおし、態度とは真逆に優しく扉を数回ノックした
「俺や、ここ開けてや?」
名前なんて名乗らない
二人の間なら声で自分が分かるだろうと期待し若干の緊張を顔に浮かべ扉を見つめていると
ガチャ
「……………君は」
扉が開いて最初に見えたのは予想していた少女の笑顔ではなく誰かの胸元、視線を上げ見えたのは全く予想していなかった人物だった
「なっ、はぁっ?」
「フッフラダリさんっ!何故貴方がここに!」
そこにいたのはフラダリ、まさかの恩人との再会にジプソまで驚きカラスバの顔を見比べるが驚きすぎて固まっているようだ
すると遅れて足音が中からしフラダリの体の横からひょっこりと部屋の主が顔を見せてくれた
『フラダリさんっ、勝手に開けないでくださいっ!お客様は誰でしたか…ってあれ?カラスバさんにジプソさん!』
「お、おう、なんや風邪ひいたっちゅーから…近くまで来たついでに見舞いに来たんや」
漸く我に帰った彼は落ち着きを取り戻そうと眼鏡を直し持っていた花束を彼女に手渡した
「見舞いの品や」
『うわぁ、凄い綺麗な花束!ありがとうございます!』
大きな花束を受け取る彼女は花に負けない程、可愛らしく微笑みカラスバも自然と頬を緩めてしまう
「お前に似合いそうなのを選んだつもりやけど…気に入ってくれたんなら良かったわ」
『カラスバさんが選んでくれたんですか?とっても気に入りました!ちゃんと部屋に飾りますね』
嬉しそうに花束に顔を寄せ香りを楽しむ彼女をフラダリはじっと見下ろし、その視線に気がつく事もなくナマエはカラスバと会話を続けた
『お仕事忙しいのにわざわざすみません!良かったらお茶でも…あ、お時間大丈夫でしたらですが』
「ほな、ほんの少しお邪魔さしてもらうわ…ジプソ」
「はい!お茶なら自分が用意しますので!ナマエさんはボスとゆっくりしててください!」
『え?でもお客様にそんな』
「お任せをっ!!」
『はぁ、では…お願いします』
阿吽の呼吸というのだろうか
ジプソはカラスバが何を言いたいのか言葉にしなくても分かるようで、部屋の中に入るなりお茶の用意を率先して行った
ホテルの客室ではあるが、長い事泊まっているせいか室内は彼女好みに飾られている
ミアレシティの街で買った小物や本が棚に飾られベッドには可愛らしいぬいぐるみの数々が目を引いた
「体は大丈夫なんか?」
ベッドの側にある小さなテーブルと一つの椅子、そこに腰掛け脚を組み合わせるとカラスバは本題へと口を開いた
ジプソは会話の邪魔にならないようお茶を出し終えると壁側に避け気配を殺しカラスバが話をしやすいように気遣った
『昨日までは酷かったんですが、今朝起きたら熱も下がって調子がいいんです!』
両手に拳を作り元気いっぱいだとアピールすればカラスバはホッとし笑みを浮かべるが、彼女の後ろから近寄ってきた男によりそれもすぐに消えた
「油断してはならない…子供は夜になったら熱をぶり返すものだ、ちゃんと横になりなさい」
自然と肩を抱くフラダリの手
その手に苛立ちながらも恩人相手にどうこう出るわけにもいかない
ぴくりと眉に力を入れつつカラスバは腹の奥に渦巻く嫉妬を押し殺した
『子供扱いしないでください!もうりっぱなレディです!』
「レディ…なぁ?それにしてはめっちゃ可愛らしいお部屋やんなぁ」
チラリと視線を向けた先にあるベッド
そこにはところ狭しとぬいぐるみが飾られており誰用のベッドか分からない程だ
特に枕の横に置かれたピカチュウの大きなぬいぐるみは何処となく彼女に似て癒される
『こ、これは』
「ええんちゃう?お前に似て可愛ぇで」
『〜〜っ、カラスバさんったら!』
頬を赤め恥ずかしそうに口元を手の甲で隠す彼女はカラスバを直視できないのだろう
チラリと盗み見するつもりがパチリと彼と視線がぶつかりそそくさと何でもないフリを決め込みベッドに腰掛けた
その後ナマエとカラスバは軽く会話を続け、ジプソとフラダリは壁に背を押し付け無言だった
何かフラダリに話しかけようとジプソがチラリと横にいる彼を見ると胸の前で腕を組み合わせた手首に真新しいブレスレットを見つけた
「そのブレスレット…お似合いですね」
小声で話しかけるとフラダリは視線だけをジプソに一度向け自分の手首に着けたブレスレットに視線を落とし小さく微笑んだ
「ああ……特別にオーダーメイドしたものだが、気に入っている」
ブレスレットにはアクセント用の小さな石が付いておりダークレッドとライトグレーが美しい
フラダリが購入した物なら余程良い物だろうと一人納得し終えると丁度カラスバの話も終わったようだ
「ああ…長居してもうたな?お前と話すといつもこれや…とにかく早よ体治し?元気になったらまた美味いもんでも食いに連れてったるから」
『へへっ、ありがとうございます!』
カラスバが立ち上がると彼女も見送りをしようと立ち上がり彼の側にかけよった
ジプソは二人の数歩後ろからついていくが、ふと彼女の手首に光る物を見つける
「(ん?ナマエさんの手首についてるブレスレット…初めて見るような……ハッ!)」
それはつい先程見たフラダリと同じブレスレット、つまりはお揃いだ
オーダーメイドした物と彼は言っていた
それを彼女がつけているという事は…
「(見なかった事にしよう)」
頭を振り考えるのをやめる事にした
「ほなゆっくり休みぃ?」
部屋から出る前にカラスバは優しく彼女の頭を撫で微笑み、ナマエも抵抗する事なく嬉しそうに返事をした
扉が閉まるまでそのまま部屋の前で彼女を見つめ終えると、カラスバは自分の手のひらを眺め口角を上げた
「なぁ、ジプソ」
「はい」
「今日でナマエん中の俺への好感度上がったんちゃう?」
自信ありげにコチラに振り返った彼はきっと有意義な時間を楽しめたのだろう
「爆上がりです!ボス!」
ジプソは空気が読める男だ
上司を褒める事も求めている言葉もちゃんと理解できている
「せやろ?あんなブレスレットまでして…俺の事隠れて想ってるなんて健気な女やわぁ」
「ブレスレット?」
「なんや気が付かんの?ナマエの手首についとったブレスレットの石は俺のペンドラーの色やで?」
ダークレッドとライトグレー
言われてみればペンドラーのメガシンカした時の色に似ていないわけでもない……が…
きっと違うだろうとジプソは内心思う
「あーあ、モテる男はつらいでぇ」
長い前髪をかきあげる彼の頬はほんのりと赤く嬉しそうだ
「……っ!流石はボスです!!」
もう一度言おう、ジプソは空気が読める男だ
一方室内では……
「やはり熱がまた出てきていますね」
カラスバが触れたであろう頭をフラダリは同じように撫で彼の感触を上書きしているようだった
そんな事に気が付かない彼女はヘラリと笑い
『このくらい平気ですってば』
「いけません、風邪は治りかけが一番危ないのです」
ナマエを優しくベッドへとエスコートし寝かせると寒くないように胸元に布団をかけてやる
甲斐甲斐しい彼に照れてしまいナマエは一つわざと文句を口にした
『もぉ!それにしても、ぬいぐるみ増えすぎです!来るたびに持ってくるのやめてください』
「……貴方に似合うかと、嫌いですか?」
『嫌いじゃないですが、ベッドの上がぬいぐるみだらけで埋もれちゃいます』
フラダリはベッドに腰掛けると彼女の枕元の側にぬいぐるみを寄せクスッと小さく微笑んだ
「可愛い物に包まれた貴女はとても魅力的だ」
『〜〜っ、フラダリさんの趣味よくわかりませんっ』
「風邪が治ったらもう一度教えてあげましょうか?私の好きな物を」
そう言いながら背中を丸めた彼はナマエの耳元へと唇を寄せ何かを呟いた
言葉を理解した途端ナマエは耳まで真っ赤に染め上げ布団で徐ろに顔を隠し逃げ出す
『っ!また風邪ひく事になるのは嫌なのでっお手柔らかにしてくださいっ!』
クスクスと楽しげに笑う彼はブレスレットを着けた手で布団に隠れた彼女の頭を撫でる
私が好きな物…私だけが見る事ができる物
それは私の腕の中で可愛らしく鳴く貴女です
