ZA短編集
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※リクエスト作品
※女性の扱いに慣れているシロー
※恋人夢主
「ようこそ!お待ちしておりました!」
天気のいい休日の昼間
玄関の扉を勢いよく開いたシローは自宅に遊びに来てくれた恋人を笑顔で歓迎した
いつもとは違う黒いTシャツにズボンのラフな姿の彼は本当に嬉しいのだろう
早く中へ来てくれと言わんばかりにナマエの腰に手をそっと添え家の中へと招いた
『こんにちはシローさん!お邪魔しますね』
恋人であるシローの家に一人で来るのは初めてだ、いつもならカナリィやデウロも呼びムクを交えて遊ぶのだが…
『あれ?ムクちゃんは?』
「ムクでしたら今日はカナリィさんの家でお泊りパーティーだと言ってましたよ」
ムクには今日遊びに行くことを伝えていた
と言うことは…わざと二人っきりに彼女がしたのだろう
『(てことは…シローさんと二人っきり!)』
急に意識してしまい足が止まると、シローは小首を傾げナマエの顔を覗き込む
「どうしました?さあリビングへ入ってください」
シローと恋人になって半年が経つがどうにも恋人らしい事ができていない
元々力加減が苦手だと言っていたせいもあるが手を握ったり腰に手を添えるのも最近になって漸く出来るようになった程度だ
そんなシローをナマエは恋愛に対して不器用なのだろうと勝手に納得している
『(これはチャンスだ!今日持ってきたこのDVDでいい雰囲気になって…シローさんがチューをしやすいようにしてあげなきゃ!)』
自分がして欲しいだけだが…あくまで恋人の雰囲気を教えるという使命感に燃えるナマエだった
「ほう?それが前に話していたDVDですか?なかなか面白そうな映画ですね」
用意してきたDVDのパッケージを眺め期待に目を輝かせるシローは早く見たいと彼女に目で訴える
『でしょ!ネットでも人気だったしアクションたっぷりでシローさん好きそうだな〜と思って』
リビングの真ん中に置かれた三人掛けの大きめのソファと低いテーブル、その向かい側のテレビにDVDをセットし終えると先にソファに座ったシローが隣の場所を手で軽く叩いた
「ナマエさん、こちらへ」
『う、うん』
隣に座るのは何故か照れる
つい少し距離を置いて座るとシローは何も言わなかったが、空いたスペースを密かに見つめていた
「飲み物とお菓子も用意しましたので、遠慮せず食べてくださいね」
『うん、ありがとう!』
文句を彼女に言うでもなくリモコンで操作すると映画が始まり二人は無言で暫くテレビに集中する事にした
拳や凶器が激しく交わり男同士の戦いが多いバトルシーン、その合間に流れるミステリアスな不穏な空気や主人公の恋人への葛藤
それらをシローはソファの肘当てで頬杖を作り無表情で眺めていた
『(……凄い真剣に見てるなぁ)』
ナマエは映画よりもシローが気になり横顔をチラリと盗み見し、普段はじっと見れない顔を眺めてしまう
『(シローさんてやっぱりまつ毛長いなぁ…鼻筋も高くて唇も形がいいし、ホクロも色っぽいよね…門下生にモテる理由が盛り沢山だなぁ)』
シローの見た目と爽やかな性格に惹かれジャスティスの会に入る女性も多く、彼の鍛錬中は黄色い声が飛んでいる場面を何度も見たことがあった
そんな彼と付き合った時、シローが堂々と門下生達の前で恋人だと紹介した時は視線で殺されるんじゃないかとヒヤヒヤしたものだ
『(告白したのはあたしだけど…シローさんは恋愛ってよく分かってるのかな?)』
横目で彼を見ては力なく視線を泳がせ目に入らないテレビへと視線を戻す
もし彼がただの友人としての好意を恋愛だと勘違いしていたら?
もしもを考え不安が胸に広がりだす
『(シローさんて恋愛の経験なさそうだし…映画のラブシーンで少しは意識してくれるかな?)』
もう一度チラリと盗み見しようとすると、画面を見ていた筈のシローと視線がバチッとぶつかってしまった
「なんです?自分の顔ばかりチラチラ見て」
『え、あ、映画!気に入ってくれたかな〜って』
ぎこちなく笑い当たり障りない事を口にすればシローはじっと彼女を見つめ、すぐにニッコリと微笑んだ
「ええ、この俳優とポケモンの拳を使った戦い方は勉強になりますしお話も先が読めなくて楽しめてますよ!」
『それならよかった!うんうん!』
彼が楽しめているなら今は良しとしよう
自分も少しは映画を楽しもうと画面を眺めていると、激しかったバトルシーンはいつの間にか終わり何やら甘い雰囲気になっていた
主人公とヒロインが口喧嘩をし、叩こうとした女性の手を抑えると男は床に彼女を押し倒した
そのままお互いを見つめキスを始めたのだが…何やらそれ以上に事が進み……
『(あれ、あれあれあれあれ!なんか思ったよりも濃厚じゃない?キスだけかと思ったのに…なんか……わ……うわぁあ!)』
画面が肌色に染まりだり慌ててシローへと視線を向けるも、彼は先程と変わらず無表情で画面を見つめていた
『(なんでシローさん平常心で見れるの!てっきり破廉恥です!とか言って慌てるかと思ったのに)』
普段の彼ならばカラ笑いでもしてこの場の雰囲気を壊そうと真っ赤な顔で慌てると思っていた
だが実際はもっと大人で…
「……ん?どうしました?」
『ひょ!いえ!いえいえ、なんでも?』
逆にコチラが顔を真っ赤にしてしまい慌てて背筋を伸ばしテレビへと顔を向けるも
肌色の画面と官能的な甘い声が室内に広がり気不味さがじわじわと込み上げ体が熱くなる
男女の愛の行為を知らないわけではないが
まだキスもした事がない恋人が隣にいるせいで妙に意識してしまう
「もしかして……映画のせいで意識してます?」
『ななななななななんの事でしょうか!』
テレビを見たまま動揺しつつ答えれば隣からクスッと小さく笑った声が聞こえ、衣擦れをさせながら頬杖をやめたシローがナマエへと体を寄せた
「お顔が真っ赤ですよ?」
指の背で熱い頬を撫でた彼は彼女の顔を覗き込み微笑む
いつもの元気な笑顔ではなく、何処か男臭い色気を出す彼の微笑みにナマエの心臓は痛い程高鳴り上手く言葉が出ない
『ぁ…え……っ?』
頬を滑り落ちた手は彼女の腰に回され
「もっと側に来てください、寂しいじゃないですか」
片手で彼女の体を力強く引き寄せると空いていたスペースはなくなり、シローの胸に頬がぶつかった
『っ!』
「この方が貴女を側に感じられてホッとします」
自分に寄りかかるように彼女を抱き寄せると満足した彼は頭をナマエの頭にコツンと優しくぶつけ恋人の存在を楽しみ出す
「……う〜ん、ホッとするとはちょっと違いますね」
ふと、何かに気がついたように顔を離すと空いている方の手でコチラを見ない彼女の顎を指で掬い上げ
「とても…ドキドキします」
じっと見つめたまつ毛の長い瞳は蕩けそうな程色濃く光り、いつもよりも色気を含ませた声がナマエの背筋にぞくりとしたものを走らせる
『〜〜っ!』
「ナマエさんも…自分にドキドキしてくれますか?」
問いかけつつも顔を傾け迫ってくる整った顔
本能で分かった
今彼は自分にキスをしようとしている
ずっと期待していた事の筈なのに、いざその瞬間を迎えると緊張と恥ずかしさが爆発してしまいナマエは咄嗟に声を上げてしまった
『あ、あのシローさん!映画、映画をみましょ!』
画面を指差し必死な顔で訴える恋人をシローは至近距離で顔を止め見つめた
後ほんの少しで触れそうだった唇に何を思ったのか…彼は鼻で笑うと背筋を静かに戻していった
「そうでしたね」
『ふぅ…』
漸くいつもの彼に戻ったと安心していると
ちゅっ
『……へ?』
空気が揺れたのを感じる間に頬に柔らかい物が触れすぐに離れていった
耳に残るリップ音と頬に残る感触
何事かとシローへと振り向くと彼は自分の唇を指で撫で意地悪く微笑んでいた
「なるほど、話には聞いてましたがキスとは急にしたくなるものなのですね!映画が終わったら続きをしてもいいですか?」
『〜〜〜!』
楽しげに自分の唇を指の腹で撫でニンマリと笑う彼は頬をほんのりと赤めており、初めての感触に喜んでいるようだ
急な事について行けないナマエはパクパクと口を開けては言葉が出ず、ただ顔を真っ赤に染め上げていた
「ご心配なく、終わるまでは我慢しますから…ですから今度は唇にさせてください」
映画へとまた意識を戻す彼は本当に終わるまでは我慢するつもりなのだろう
だがここまで煽られたナマエはそんなに待てそうにない
『ぁ…あの、シローさん』
彼の胸元の服を軽く引っ張るとシローは何ですか?と彼女へと視線を戻した
『……ま…待たなくて……いいよ?』
蚊がなくような小さな声で告げるとシローはすぐさま両手でナマエの頬を掴み顔を傾け…
唇をそこへ重ねた
『(………キス…しちゃった)』
ずっとしたかった恋人とのキス
触れるだけのキスをし、一度唇を離すとシローはもう一度と言わんばかりに角度を変えまた唇を重ねた
画面の向こうではラブシーンは終わっておりバトルシーンになっていたが、激しい音も気にならない程シローから与えられるキスとリップ音に蕩けていた
『……ぅ……ん……っ』
「……っ………ナマエさん……口を開けて?」
『え?……こ……こう?』
どうしたらいいのか分からず薄っすらと開くとシローは噛みつくようにそこに唇を重ねぬるりとした舌を捩じ込まれた
『んんっ!』
急な感触に驚き体を強張らせるとシローは片手で彼女を抱き寄せ、背中からゆっくりと腰へと手のひらを滑らせる
その間も口内では舌を絡めて撫で合い、上顎まで舐め取られゾクゾクとしたいけない物がナマエの体を走った
ちゅ、ちゅ……ぷ…
『ん…ぁ………』
唇を離せば透明な細い糸が二人の唇を繋ぎ、プツンと切れていく
息を荒げいつの間にか両手でシローの服を掴んでいた彼女はトロンとした顔をし彼を見上げた
「キスは初めてですが…ナマエさんは自分のキスを気に入ってくれたようですね」
『うそ…本当に初めて?こんなに…気持ちいいのに…』
「ええ、全て初めてです…貴女に全て捧げたい」
シローは彼女の唇に触れるだけのキスをもう一度贈ると愛しげに何度も啄んだ
「恋もキスも……それ以上の事も全て貴女に…」
大きな手は腰から下へと下がり小ぶりな尻をぐっと掴む
『ひゃあんっ!な、なに?』
「すみません…自分も男なので…」
強請るよう熱い瞳
チラリと見た彼のそこは既に反応しておりナマエは余計に顔を熱くさせた
「上手くできるかは分かりませんが…受け止めてくれますか?」
唇を離しじっと見つめてくる彼
嫌だとは言わせない圧を感じ頷くとシローは嬉しそうに笑い、静かにソファへとナマエを押し倒した
オマケ
「何故ソファを外に出している?」
翌日、お泊りから帰ってきたムクは外に出されたソファに顔を険しくさせた
『えっと、それはっ…』
「濡らしてしまったのでな!洗ったついでにお日様にあてているのです!」
「ジュースでも零したのか?」
「ジュースではなくナマエさんのっ」
『ジュースだよ!ジュース!昨日の映画でつい熱くなっちゃって零したの!本当にごめんねムクちゃんっっっ!!』
爆弾発言をしようとするシローの横腹を叩き阻止させると慌てて誤魔化す
ムクはまだ納得してないようだがその場を離れるとシローはニヤニヤとした顔をナマエへと向けた
「確かにとても熱くなりましたね?」
『黙っててくださいっ!』
何処となく恋人として距離の近くなった二人
ナマエも二度とシローが友情と恋愛を間違えているとは思わなくなったようだ
※女性の扱いに慣れているシロー
※恋人夢主
「ようこそ!お待ちしておりました!」
天気のいい休日の昼間
玄関の扉を勢いよく開いたシローは自宅に遊びに来てくれた恋人を笑顔で歓迎した
いつもとは違う黒いTシャツにズボンのラフな姿の彼は本当に嬉しいのだろう
早く中へ来てくれと言わんばかりにナマエの腰に手をそっと添え家の中へと招いた
『こんにちはシローさん!お邪魔しますね』
恋人であるシローの家に一人で来るのは初めてだ、いつもならカナリィやデウロも呼びムクを交えて遊ぶのだが…
『あれ?ムクちゃんは?』
「ムクでしたら今日はカナリィさんの家でお泊りパーティーだと言ってましたよ」
ムクには今日遊びに行くことを伝えていた
と言うことは…わざと二人っきりに彼女がしたのだろう
『(てことは…シローさんと二人っきり!)』
急に意識してしまい足が止まると、シローは小首を傾げナマエの顔を覗き込む
「どうしました?さあリビングへ入ってください」
シローと恋人になって半年が経つがどうにも恋人らしい事ができていない
元々力加減が苦手だと言っていたせいもあるが手を握ったり腰に手を添えるのも最近になって漸く出来るようになった程度だ
そんなシローをナマエは恋愛に対して不器用なのだろうと勝手に納得している
『(これはチャンスだ!今日持ってきたこのDVDでいい雰囲気になって…シローさんがチューをしやすいようにしてあげなきゃ!)』
自分がして欲しいだけだが…あくまで恋人の雰囲気を教えるという使命感に燃えるナマエだった
「ほう?それが前に話していたDVDですか?なかなか面白そうな映画ですね」
用意してきたDVDのパッケージを眺め期待に目を輝かせるシローは早く見たいと彼女に目で訴える
『でしょ!ネットでも人気だったしアクションたっぷりでシローさん好きそうだな〜と思って』
リビングの真ん中に置かれた三人掛けの大きめのソファと低いテーブル、その向かい側のテレビにDVDをセットし終えると先にソファに座ったシローが隣の場所を手で軽く叩いた
「ナマエさん、こちらへ」
『う、うん』
隣に座るのは何故か照れる
つい少し距離を置いて座るとシローは何も言わなかったが、空いたスペースを密かに見つめていた
「飲み物とお菓子も用意しましたので、遠慮せず食べてくださいね」
『うん、ありがとう!』
文句を彼女に言うでもなくリモコンで操作すると映画が始まり二人は無言で暫くテレビに集中する事にした
拳や凶器が激しく交わり男同士の戦いが多いバトルシーン、その合間に流れるミステリアスな不穏な空気や主人公の恋人への葛藤
それらをシローはソファの肘当てで頬杖を作り無表情で眺めていた
『(……凄い真剣に見てるなぁ)』
ナマエは映画よりもシローが気になり横顔をチラリと盗み見し、普段はじっと見れない顔を眺めてしまう
『(シローさんてやっぱりまつ毛長いなぁ…鼻筋も高くて唇も形がいいし、ホクロも色っぽいよね…門下生にモテる理由が盛り沢山だなぁ)』
シローの見た目と爽やかな性格に惹かれジャスティスの会に入る女性も多く、彼の鍛錬中は黄色い声が飛んでいる場面を何度も見たことがあった
そんな彼と付き合った時、シローが堂々と門下生達の前で恋人だと紹介した時は視線で殺されるんじゃないかとヒヤヒヤしたものだ
『(告白したのはあたしだけど…シローさんは恋愛ってよく分かってるのかな?)』
横目で彼を見ては力なく視線を泳がせ目に入らないテレビへと視線を戻す
もし彼がただの友人としての好意を恋愛だと勘違いしていたら?
もしもを考え不安が胸に広がりだす
『(シローさんて恋愛の経験なさそうだし…映画のラブシーンで少しは意識してくれるかな?)』
もう一度チラリと盗み見しようとすると、画面を見ていた筈のシローと視線がバチッとぶつかってしまった
「なんです?自分の顔ばかりチラチラ見て」
『え、あ、映画!気に入ってくれたかな〜って』
ぎこちなく笑い当たり障りない事を口にすればシローはじっと彼女を見つめ、すぐにニッコリと微笑んだ
「ええ、この俳優とポケモンの拳を使った戦い方は勉強になりますしお話も先が読めなくて楽しめてますよ!」
『それならよかった!うんうん!』
彼が楽しめているなら今は良しとしよう
自分も少しは映画を楽しもうと画面を眺めていると、激しかったバトルシーンはいつの間にか終わり何やら甘い雰囲気になっていた
主人公とヒロインが口喧嘩をし、叩こうとした女性の手を抑えると男は床に彼女を押し倒した
そのままお互いを見つめキスを始めたのだが…何やらそれ以上に事が進み……
『(あれ、あれあれあれあれ!なんか思ったよりも濃厚じゃない?キスだけかと思ったのに…なんか……わ……うわぁあ!)』
画面が肌色に染まりだり慌ててシローへと視線を向けるも、彼は先程と変わらず無表情で画面を見つめていた
『(なんでシローさん平常心で見れるの!てっきり破廉恥です!とか言って慌てるかと思ったのに)』
普段の彼ならばカラ笑いでもしてこの場の雰囲気を壊そうと真っ赤な顔で慌てると思っていた
だが実際はもっと大人で…
「……ん?どうしました?」
『ひょ!いえ!いえいえ、なんでも?』
逆にコチラが顔を真っ赤にしてしまい慌てて背筋を伸ばしテレビへと顔を向けるも
肌色の画面と官能的な甘い声が室内に広がり気不味さがじわじわと込み上げ体が熱くなる
男女の愛の行為を知らないわけではないが
まだキスもした事がない恋人が隣にいるせいで妙に意識してしまう
「もしかして……映画のせいで意識してます?」
『ななななななななんの事でしょうか!』
テレビを見たまま動揺しつつ答えれば隣からクスッと小さく笑った声が聞こえ、衣擦れをさせながら頬杖をやめたシローがナマエへと体を寄せた
「お顔が真っ赤ですよ?」
指の背で熱い頬を撫でた彼は彼女の顔を覗き込み微笑む
いつもの元気な笑顔ではなく、何処か男臭い色気を出す彼の微笑みにナマエの心臓は痛い程高鳴り上手く言葉が出ない
『ぁ…え……っ?』
頬を滑り落ちた手は彼女の腰に回され
「もっと側に来てください、寂しいじゃないですか」
片手で彼女の体を力強く引き寄せると空いていたスペースはなくなり、シローの胸に頬がぶつかった
『っ!』
「この方が貴女を側に感じられてホッとします」
自分に寄りかかるように彼女を抱き寄せると満足した彼は頭をナマエの頭にコツンと優しくぶつけ恋人の存在を楽しみ出す
「……う〜ん、ホッとするとはちょっと違いますね」
ふと、何かに気がついたように顔を離すと空いている方の手でコチラを見ない彼女の顎を指で掬い上げ
「とても…ドキドキします」
じっと見つめたまつ毛の長い瞳は蕩けそうな程色濃く光り、いつもよりも色気を含ませた声がナマエの背筋にぞくりとしたものを走らせる
『〜〜っ!』
「ナマエさんも…自分にドキドキしてくれますか?」
問いかけつつも顔を傾け迫ってくる整った顔
本能で分かった
今彼は自分にキスをしようとしている
ずっと期待していた事の筈なのに、いざその瞬間を迎えると緊張と恥ずかしさが爆発してしまいナマエは咄嗟に声を上げてしまった
『あ、あのシローさん!映画、映画をみましょ!』
画面を指差し必死な顔で訴える恋人をシローは至近距離で顔を止め見つめた
後ほんの少しで触れそうだった唇に何を思ったのか…彼は鼻で笑うと背筋を静かに戻していった
「そうでしたね」
『ふぅ…』
漸くいつもの彼に戻ったと安心していると
ちゅっ
『……へ?』
空気が揺れたのを感じる間に頬に柔らかい物が触れすぐに離れていった
耳に残るリップ音と頬に残る感触
何事かとシローへと振り向くと彼は自分の唇を指で撫で意地悪く微笑んでいた
「なるほど、話には聞いてましたがキスとは急にしたくなるものなのですね!映画が終わったら続きをしてもいいですか?」
『〜〜〜!』
楽しげに自分の唇を指の腹で撫でニンマリと笑う彼は頬をほんのりと赤めており、初めての感触に喜んでいるようだ
急な事について行けないナマエはパクパクと口を開けては言葉が出ず、ただ顔を真っ赤に染め上げていた
「ご心配なく、終わるまでは我慢しますから…ですから今度は唇にさせてください」
映画へとまた意識を戻す彼は本当に終わるまでは我慢するつもりなのだろう
だがここまで煽られたナマエはそんなに待てそうにない
『ぁ…あの、シローさん』
彼の胸元の服を軽く引っ張るとシローは何ですか?と彼女へと視線を戻した
『……ま…待たなくて……いいよ?』
蚊がなくような小さな声で告げるとシローはすぐさま両手でナマエの頬を掴み顔を傾け…
唇をそこへ重ねた
『(………キス…しちゃった)』
ずっとしたかった恋人とのキス
触れるだけのキスをし、一度唇を離すとシローはもう一度と言わんばかりに角度を変えまた唇を重ねた
画面の向こうではラブシーンは終わっておりバトルシーンになっていたが、激しい音も気にならない程シローから与えられるキスとリップ音に蕩けていた
『……ぅ……ん……っ』
「……っ………ナマエさん……口を開けて?」
『え?……こ……こう?』
どうしたらいいのか分からず薄っすらと開くとシローは噛みつくようにそこに唇を重ねぬるりとした舌を捩じ込まれた
『んんっ!』
急な感触に驚き体を強張らせるとシローは片手で彼女を抱き寄せ、背中からゆっくりと腰へと手のひらを滑らせる
その間も口内では舌を絡めて撫で合い、上顎まで舐め取られゾクゾクとしたいけない物がナマエの体を走った
ちゅ、ちゅ……ぷ…
『ん…ぁ………』
唇を離せば透明な細い糸が二人の唇を繋ぎ、プツンと切れていく
息を荒げいつの間にか両手でシローの服を掴んでいた彼女はトロンとした顔をし彼を見上げた
「キスは初めてですが…ナマエさんは自分のキスを気に入ってくれたようですね」
『うそ…本当に初めて?こんなに…気持ちいいのに…』
「ええ、全て初めてです…貴女に全て捧げたい」
シローは彼女の唇に触れるだけのキスをもう一度贈ると愛しげに何度も啄んだ
「恋もキスも……それ以上の事も全て貴女に…」
大きな手は腰から下へと下がり小ぶりな尻をぐっと掴む
『ひゃあんっ!な、なに?』
「すみません…自分も男なので…」
強請るよう熱い瞳
チラリと見た彼のそこは既に反応しておりナマエは余計に顔を熱くさせた
「上手くできるかは分かりませんが…受け止めてくれますか?」
唇を離しじっと見つめてくる彼
嫌だとは言わせない圧を感じ頷くとシローは嬉しそうに笑い、静かにソファへとナマエを押し倒した
オマケ
「何故ソファを外に出している?」
翌日、お泊りから帰ってきたムクは外に出されたソファに顔を険しくさせた
『えっと、それはっ…』
「濡らしてしまったのでな!洗ったついでにお日様にあてているのです!」
「ジュースでも零したのか?」
「ジュースではなくナマエさんのっ」
『ジュースだよ!ジュース!昨日の映画でつい熱くなっちゃって零したの!本当にごめんねムクちゃんっっっ!!』
爆弾発言をしようとするシローの横腹を叩き阻止させると慌てて誤魔化す
ムクはまだ納得してないようだがその場を離れるとシローはニヤニヤとした顔をナマエへと向けた
「確かにとても熱くなりましたね?」
『黙っててくださいっ!』
何処となく恋人として距離の近くなった二人
ナマエも二度とシローが友情と恋愛を間違えているとは思わなくなったようだ
