さよグラ



はぁと息を吐くと白い息が出てくる。
俺たちは今、ライブの帰りで日が落ちた外はとても寒い。

「寒いね〜」
「うん、寒い」

アミダは寒いがその場を楽しんでるかのようににこにこしていた。
ネオは元々寒さが苦手のせいでとても不機嫌な顔をしながらXを抱っこしていた。

「帰ったら、お鍋やろうか」

俺がそう言うと3人とも顔を輝かせながらこちらを見た。

「ならなら!とんこつラーメン鍋やろうよ!」
「ここでもとんこつラーメンか!アミダは!」
「いいじゃーん!」

ムスッと口をとがらせるアミダとXはやれやれとしている。
そんな2人を見ていると微笑ましくて心が暖かくなる。

「ふふふ…」

先程まで寒さで不機嫌だったネオもXを抱っこしながら微笑んでいた。

「こう寒いとさ〜マフラー欲しいね!」
「どんなマフラー?」
「ふっかふかで!皆で巻ける長いやつ!」
「そんな長いの、売っているわけないだろう」

ジト目でアミダを見ながら言うX。
ネオはなにか思いついた様に言う。

「別に…買わなくていいのかも、作る…とか」

そう言った後に3人とも一気に俺の方を見る。
大体言いたい事はわかる。

「俺が作るの?!」
「「「うん!」」」

やはりこう来たか…と俺ははぁとため息をつく。
でも、頼られる事は嫌では無いし、それにマフラーぐらいならば前の世界にいた時も作ったことがある。

「わかった、みんなが巻けるぐらい長いの作るよ」

そう言うと、皆の顔がぱああっと明るくなった。

「やったー!マフラー出来たら皆で沢山お出かけしようね!」
「寒いの嫌だけどもみんなと一緒なら楽しみ…」
「仕方なく付き合うぞ」

皆が嬉しそうだと俺も嬉しい。

ハウスへ帰ったら早速どんな色にするとか考えないとな…と思いながら俺は一つ白い息を吐いた。

1/1ページ
    スキ