夢短編集SS
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かぶき町の路地裏。
ナマエはしゃがみ込み、段ボールの横にいる猫を撫でていた。
「お前かわいいにゃー」
猫「にゃー」
「どこの子にゃー?」
猫「にゃー」
「お腹すいてるにゃー?」
猫「にゃー」
完全に猫語で会話している。その時、後ろから声がする。
「へえ」
ナマエの手が止まる。
振り向くとそこに立っていたのは銀時。腕を組み、ニヤニヤしている。
「お前って猫に話しかける時、にゃーって言うんだ」
口をぱくぱくさせるナマエ。銀時はさらにニヤニヤ。
「ふーん」
ナマエの顔が一瞬で赤くなる。
「ぬ、盗み聞きとかずるい!!」
「盗み聞きじゃありませんー、聞こえるくらいでけー声で言ったそっちが悪いんですー」
「うるさい!」
ナマエの声に猫がびっくりして逃げる。
「ほら逃げた!!」
「俺のせいじゃねーよ」
「絶対あんたのせい!!」
銀時はしゃがみ込み、さっきの猫を真似して手をひらひらさせる。
「お前かわいいにゃー」
「やめて!!」
「どこの子にゃー?」
「やめろ!!」
「お腹すいてるにゃー?」
「やめろって!!」
ナマエは顔を真っ赤にして地面を蹴る。
銀時は笑いを堪えている。
「いやー知らなかったわ」
「何が」
「普段クールぶってる奴が、猫に話しかける時、にゃーって言うなんてよ」
「うるさい!!」
「にゃー」
「うるさい!!」
「にゃー」
「うるさい!!!!」
銀時がくくっと笑う。
「つーかお前さ、猫にだけ優しいよな」
ナマエはむっとする。
「人にも優しいわよ」
「俺には?」
ナマエはそっぽを向く。
「……気が向いたら」
銀時が小さく笑う。
「じゃあ」
彼は手を差し出した。
「俺にも言ってみ?」
「は?」
「かわいいにゃー」
「言うわけないでしょ!!」
その時、さっきの猫が戻ってきて銀時の足にすり寄る。
猫「にゃー」
「お前かわいいにゃー」
「猫には言うんかい!!」
「猫だからな」
「じゃあ私は!?」
銀時は少しだけ笑って言う。
「……猫よりめんどくさい」
「喧嘩売ってる!?」
「にゃー」
「もう帰る!!」
銀時の笑い声が、路地裏に響いた。
