夢短編集SS
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夕暮れのかぶき町。
並んで歩くナマエと銀時。
お互いに何もしゃべらないが、悪くない沈黙。
むしろ、ちょっといい雰囲気。
銀時(……なんだこれ。なんか、いい感じじゃね?)
ナマエがちらっと銀時を見る。
「今日さ、楽しかったね」
(来たァァァァァ!! この流れはアレだ、そういうやつだ!! ラブコメでよくあるやつだ!!)
銀時はあくまでも平静を装う。
「ねえ、銀時の家ってこの先だよね」
(ほら来たァァァァァァァ!!!!!! これ完全にアレだろ!? お泊まりイベントだろ!? ラブコメの黄金ルートだろ!?)
「……まァ」
「そっか」
ナマエは少し照れたように笑う。
(やばい。めっちゃ可愛い。これ今日いっちゃうのか俺。大人の階段登っちゃうのか俺)
「あ」
ナマエが慌てた様子でスマホを見る。
「やば」
「どうした?」
「今日の晩ご飯、親がうなぎ食べさせてくれるんだった」
「……え」
「そろそろ帰るね!」
「…………え?」
「じゃ、またね!」
手を振って走って帰るナマエ。取り残される銀時。カラスの鳴き声が悲しく夕焼けに響き渡る。
「……俺、うなぎに……負けたの?」
その時、後ろから声がかかる。
「銀さん、何してるんですか?」
「……新八。人間はうなぎに勝てない」
「何の話ですか」
「俺は今日、うなぎに敗北した」
「意味わかんないです」
「くそ……」
空を見上げる。
「くそォォォォォ!! うなぎィィィィィ!!! うなぎなんて滅んでしまえ!!」
「うなぎ屋に喧嘩売るのやめてください」
「くそォォォ!!!!」
夕焼けのかぶき町に、銀時の叫びが響いた。
