土器土器体育祭

本日の食卓



本日の晩飯は炒飯。
えび、ねぎ、豚肉、ピーマン、しめじ、たまご、玉ねぎ、きゃべつ、と具沢山な一品。カサ増しにもなっていい。それからわかめスープも添えて。
これはインスタント。

◯っちのプチのプチはどうやら妹も飽きたらしく、今度は弟のお熱なポケモンを手伝っているらしい惶は対になってる方を進めていた手を止め、皿を机に運んでくれる。

手を合わせ、恒例となった一緒に晩飯の時間。
「…例の目立つ1年がお前の教室に行ったらしいな」
「ゴフッ」
唐突に話しかけてきたことと、その内容に驚いてわかめスープが口から出そうになった。
無言でティシュの箱を渡してくるのに感謝してそのまま一枚引っ張って口元を拭く。
例になってんの?…風紀だからか。

「来ましたね…。風紀としてはどういう感じ?」
俺が口を拭いてから話すのを待つ間に、スプーンを皿と口に往復させていた惶。
「保護対象として検討中らしい」
はぁ…だよな。毛玉とまた違った嵐に頭を抱える塩島先輩が目に浮かぶ。
「で、柚木は"ゆずき"なのか」
手を止めて俺を見る視線と目が合う。
断言するか。
視線に負けて苦笑いしてしまう。
「あーー…ぽい?」

それから、お義兄さんからいとこが入学してきたこと、その外見、俺を探すと宣言していたことを話した。

「100お前だろ」
はっはっは。っすよね〜!!
惶からの哀れみの視線が新鮮だった。

「どうすんだ」
って言われてもな。
お義兄さんの親族だし、この学校の悪風の被害に遭う前に名乗り出た方が良いのかもしれない。ただ、あの見た目の身内だと知られた日には利用してくる奴が出てくる可能性もある。だるい。

「……惶はどうすりゃいいと思う?」
投げた。いや、違う違う、これは意見を乞うてるだけ。
惶が残り少なくなった炒飯をすくっていた手を止めてカチャ、と金属音が鳴る。
「………名乗り出んのはやめとけ」
まあそうだよな。
「だが、」
だが?
話半分で聞いてた手を止めて惶を見る。

「もしバレた時は塩島にでも押し付けとけ」
「………ブハッ!」
出てくるとは思わなかった名前に目が点になり、ついに思わず噴き出した。笑いが止まらなくなって机に手をついた。惶のスンってした顔も笑いを誘った。
お前、何も考えずに押し付けたな…!

「アイツならなんとかするだろ。人に任せとけ」
「ふっふふ、はぁー…。うん、ありがと。そうする」
信頼してるからか、適当言ってるだけか知らねぇけど、俺を気遣ってくれたことが分かったのが嬉しい。
塩島先輩も俺を働かせるつもりらしいし、なんかあったら惶の言うように投げるか。
そう思うと、少し気が軽くなった。



「そういや、風紀で体育祭の準備大変そ?」
「マークする奴を覚えるのがダリィ」
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