短編

ある王道脇役の猫被り委員長の話。




「あの、僕の話を聞いて頂けませんかっ」

「うるさい!脇役眼鏡!お前、あの王道主人公と仲良くなって生徒会役員様方とお近づきになるつもりじゃないだろうな!!」



数人の男オンナと肉だるまに体育館裏に連れて行かれ、口々に文句を言われる。
恐らく王道主人公とやらの、うるさい毛玉の転校生といくつか言葉交わすだけでこれだ。
王道主人公やら、総受けを邪魔するなやら訳のわからない事を宣う男オンナたち。


顔を下に向け肩を震わすのもこれで何回目だ?
チッ…….…………折角3年もこのゴミ溜めのような所でも将来の人脈作りの為だと、その為だけにずっと平凡で居続けた。周りからも先生からも委員長として信頼され、何事も笑顔で流してきた。だがそろそろ我慢の限界だ。しかも、こんなクソしょうもないことで台無しにしてくるなんざ……


「それ相応の覚悟があんだろうなァ……馬鹿共……。」
「聞いてんのっ?!もういい、やっちゃ…………え、」


指と首をゴキゴキ鳴らし準備OK。
後ろを向いて指示を出していた男オンナには見えていなかった俺の顔。
後から聞くと鬼のようだったとよ。




肉だるまの方はボッコボコの血祭りにあげたてやったが、男オンナは別。何発かぶん殴って木に縛り上げた。


「ぼ、僕達を同人誌みたいに酷いことをする気か……っ?!」
「何だそれは…いや察しはつくからいい、黙れ。誰がするか馬鹿。馬鹿は黙ってろ。それ以上ドブ川で育ったような思考を口に出すなら、望み通り全裸で甲羅縛りにして発展場で有名な公衆便所に捨てるぞ。分かったな。黙ってろ。」
ようやくキーキー声が止む。
だから嫌なんだ。低脳と話すのは。


あぁそうだ、何で縛り上げたか?


「キレッキレだね委員長!」


このクソドMの私物の縄だ。ついでに甲羅縛りをさせるのもこいつだ。
こちらからは見えない校舎側からひょっこり顔を出してこっちに手を振ってきたこいつに縄はあるか聞けば、近寄って来てズボンから当然のように出してきた。

黙ってにこにこしてればフランス人形の様な容姿。それが何があってドMなんかに……まぁ興味は無いが。残念な美人とはコイツのことだな。

それと当然のように寝転がるドMを放置する。ご褒美は?放置がご褒美だろうドM。


多少スッキリしたのと、素を隠すのを諦めた俺は、ドMのお綺麗な顔を踏み付けて腹に勢いよく座った。


はぁ…………これから馬鹿共をどう調教しようか……。






ハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァハァ





足首に生温い風が次第に強く当たって来始め、足をそっと顔から退かせた。





ーー→
見た目が人外無垢な眼鏡っ子委員長は実は我慢が苦手な子。
美人ドMは同室の人であーだーこーだのすったもんだで素を知られた。それからストーキングされ虎視眈々とSMプレイを狙うように。
男オンナは恐らく御察しの通り過激派腐男子。
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