クリスマス
【上野】
扉の前で固まってしまう。
トイレから戻ると柴が遠坂くんの足の間で腕をまわされていた。
おかえりーと言う声に返事を返そうとソファーの前に視線を向けた俺。
そりゃ固まるでしょ。
なにしてんの君ら。
固まった俺を見て、頰をうっすら桃色に染めた柴が口元を段々緩めていき、声を上げて笑い始めた。
バスケ部の先輩達が余ったからあげると渡してきた"ジュース"の所為だろう。
まさか度数入りが混じってるとは思ってなかったけど……ほんと呆れる。何飲んでんだか先輩らは。バレたらどうすんだか。
それにしても
柴は笑い上戸になるみたい。可愛い。普段は顔を赤くすると、恥ずかしがってすぐ顔を隠そうとするのに、今は笑ってこっちを見てくるだけ。
普段ではあり得ないあどけない表情に体温が急上昇する。下の気分も急上昇。やめて欲しい。頼むからその顔は2人きりの時だけにして。
なんて。冗談でもまだちょっと言えないんだけど。
折角ミニスカサンタのコスプレをする柴に耐えられずトイレで落ち着けてきたのに、これじゃあまたトイレに逆戻りだ。
勿論あの時の写真は既にバックアップ済み。
無邪気な笑い声をBGMに、フローリングの床に目を落とし、深呼吸をして落ち着かせ、ようやくカーペットに向かった。
ソファーに座ろうと目を向けると小森くんが寝ていた。毛布が掛かっているからきっと柴が掛けてあげたんだろう。
なるほど。だから柴は遠坂くんの元に温もりを求めて大人しく落ち着いてるのか。
納得はしてないけど。
遠坂くんを見ると、余裕そうに口元を緩めてこっちを見ていた。
いつも通りで余裕な彼に、少し苛立つ。
俺の柴に腕まわさないでくんない?
そう言いたい気持ちを抑えて遠坂くんに声をかける。
「ねー、………遠坂くんってさ、むっつり?」
煽る気持ちは抑えない。
柴の前だけどさ。若干苛立った声色になったのは……まー許してよ。
「あはは、急にどうしたの?
……"僕は"違うかなぁ」
わざとらしく強調してきたその言葉に、遠回しにお前がむっつりなんだろうと言われた気がした。
あー……はは、言うね〜。
いつも通りにしていた口元が引きつったのはきっと、気のせいじゃない。
「ね、ちょっとさ〜、勝負しない?」
思えばこの時ほろ酔いも相まって、血が上ってたんだろう。
じゃなければ目の前にいる柴を賭けて酎ハイの缶数勝負なんて、柄じゃないし。
俺は遠坂くんから柴を引き剥がし、適当な理由を付けて勝負を吹っ掛けた。勿論柴のことは黙って。
ノるかどうか半々だったけど、遠坂くんは柴をチラ見して、いいよ、と普段通りの笑顔で言った。
……その余裕、いつまで保つかな。
実家以外では飲まないようにしているから俺にとっては久々のアルコール。けど、家系が酒に強い為内心自信があった。
実家でも全然酔ったことなかったしね!
遠坂くんと新しく開けた缶で乾杯。目を合わせたままアルコールを喉に流し込んだ。
扉の前で固まってしまう。
トイレから戻ると柴が遠坂くんの足の間で腕をまわされていた。
おかえりーと言う声に返事を返そうとソファーの前に視線を向けた俺。
そりゃ固まるでしょ。
なにしてんの君ら。
固まった俺を見て、頰をうっすら桃色に染めた柴が口元を段々緩めていき、声を上げて笑い始めた。
バスケ部の先輩達が余ったからあげると渡してきた"ジュース"の所為だろう。
まさか度数入りが混じってるとは思ってなかったけど……ほんと呆れる。何飲んでんだか先輩らは。バレたらどうすんだか。
それにしても
柴は笑い上戸になるみたい。可愛い。普段は顔を赤くすると、恥ずかしがってすぐ顔を隠そうとするのに、今は笑ってこっちを見てくるだけ。
普段ではあり得ないあどけない表情に体温が急上昇する。下の気分も急上昇。やめて欲しい。頼むからその顔は2人きりの時だけにして。
なんて。冗談でもまだちょっと言えないんだけど。
折角ミニスカサンタのコスプレをする柴に耐えられずトイレで落ち着けてきたのに、これじゃあまたトイレに逆戻りだ。
勿論あの時の写真は既にバックアップ済み。
無邪気な笑い声をBGMに、フローリングの床に目を落とし、深呼吸をして落ち着かせ、ようやくカーペットに向かった。
ソファーに座ろうと目を向けると小森くんが寝ていた。毛布が掛かっているからきっと柴が掛けてあげたんだろう。
なるほど。だから柴は遠坂くんの元に温もりを求めて大人しく落ち着いてるのか。
納得はしてないけど。
遠坂くんを見ると、余裕そうに口元を緩めてこっちを見ていた。
いつも通りで余裕な彼に、少し苛立つ。
俺の柴に腕まわさないでくんない?
そう言いたい気持ちを抑えて遠坂くんに声をかける。
「ねー、………遠坂くんってさ、むっつり?」
煽る気持ちは抑えない。
柴の前だけどさ。若干苛立った声色になったのは……まー許してよ。
「あはは、急にどうしたの?
……"僕は"違うかなぁ」
わざとらしく強調してきたその言葉に、遠回しにお前がむっつりなんだろうと言われた気がした。
あー……はは、言うね〜。
いつも通りにしていた口元が引きつったのはきっと、気のせいじゃない。
「ね、ちょっとさ〜、勝負しない?」
思えばこの時ほろ酔いも相まって、血が上ってたんだろう。
じゃなければ目の前にいる柴を賭けて酎ハイの缶数勝負なんて、柄じゃないし。
俺は遠坂くんから柴を引き剥がし、適当な理由を付けて勝負を吹っ掛けた。勿論柴のことは黙って。
ノるかどうか半々だったけど、遠坂くんは柴をチラ見して、いいよ、と普段通りの笑顔で言った。
……その余裕、いつまで保つかな。
実家以外では飲まないようにしているから俺にとっては久々のアルコール。けど、家系が酒に強い為内心自信があった。
実家でも全然酔ったことなかったしね!
遠坂くんと新しく開けた缶で乾杯。目を合わせたままアルコールを喉に流し込んだ。