短編

変態×平凡




ズボンを勢いよく下にスライドさせてパンツをがっしり掴まれた。




「あの…………パンツ、貰ってもいいですか……?」





「いや駄目ですけど?!!!?!!!??」


急に???!!??!え?急に何この人?!!!?脱げと????早技すぎて常習犯だよねきっと???!




一人暮らしをしている俺は、近所のコインランドリーでお世話になっている。
いつも通り洗濯が終わった服をカゴに入れて持って帰ろうとしていたら、入り口にきらきらオーラが見えた。

金髪碧眼のイケメンさんだ〜ハーフかなぁ〜と思い珍しさで見ていたら、バッチリ目が合った。ゾワっと寒気が走り、洗濯物濡れてるからかな?早く干さないとってイケメンさんを通り過ぎようとすると、

冒頭の事件が発生しました。
お巡りさん早く。いや見られたく無いけど今の現場。俺が逆に疑われそうだわ。


パンツここで無くしたとかかな、と一抹の淡い期待を寄せて洗濯物のパンツなら、使用済みでよければいりますかと聞いてみる。最早ここから一刻も早く逃げたいだけである。


イケメンさんはしゃがんだまま、こっちを見上げて悲しそうに首を左右に振る。


何ぃ…………?何がそんな悲しいんじゃぁ…………。何故かこっちが罪悪感感じてしまうじゃんん……。




「君の……君の汗の匂いが付いてないと嫌なんだ……。洗濯物には君の汗の匂いが無いから、」

「っっっっ!!!!!!!(声なき悲鳴)」






っっっいやぁぁぁぁぁぁぁあおまわりさぁぁぁぁぁぁぁぁあん!!!!!!おかあさぁぁぁぁぁぁぁん!!!!変態の撃退方法とか聞いてないよぉおおおおおおおお!!!!!






ーー→
堂々とした下着泥棒の誕生である。
一方的に大学生の受け君の事を知ったイケメンは後をつけてコインランドリーに通い、洗濯物を盗んだ事も。でも受け君の匂いが足りず、渋々今回の犯行に及んだ。
一度姿を見せたのでこれからは堂々とストーキングし始めます。
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