土器土器体育祭
衣装☆
HRの時間。
担任に連れられて出て行っていた委員長が、担任と段ボールを抱えて共に帰ってきた。
途端に2人を見て騒つく教室。
一旦教卓に段ボールを置いて、その中身を持った委員長は真っ直ぐ集まっていた3人の元に歩いて行った。
その顔はにやにやしていた。
陽キャが「オ〜〜〜?!」と声を揃える。
委員長はそれを受け、"チアボーイズ"達に持っていた"布"のうちの1つをパッと広げてみせた。
「はい。岸、泉、谷、お待たせ!チアボーイズの衣装だよ」
そう言った委員長の肩は揺れていた。
「「「待ってない!」」」
それぞれ受け取って衣装を各自で広げて眺める。
「な、な、なっ」
「えっ…。」
「………。」
絶句。
持っていた布は、まさしくチアの衣装。
カラーは青と白。
そして、布面積は狭く、上は腹が出るくらい短く、女性用としか思えないミニスカ。
極め付けにリボン。
谷が袋からリボンを床に落としたのを無言で見つめた。
その光景は。
教室で笑いを大いに誘った。
「…フフ…フッ」
委員長が3人から顔を背けて笑い出したのを皮切りに、静かにクラスメイトが噴き出していく。
俺?俺はもう衣装をチアボーイズが受け取った時から机に伏せて上野と掴み合って一緒に我慢してた。
俺の前の席の黄緑の頭も心なしか揺れてるのが分かった。
美月先生が教室に用意されてる教員の用の机から3人を可哀想に思ったのか、「まぁ…お前ら似合うから大丈夫大丈夫」とフォロー。
それを聞いて、我慢してたのを耐えきれなくなり噴き出した。
フォローできてねえよ。適当すぎるだろ。
「「「柴ぁーーーーーッッッッ!!!」」」
なんで俺?!??
飛び火した俺を、他人事のように上野が声をあげて笑った。
目ざとく俺の様子に気付いたらしい3人が顔を真っ赤にして俺を責めるように睨んでくるのにビビる。
幸いにも、笑いに耐えているクラスメイトから視線が集まってくることはなく、むしろ3人に対して「どのクラスより目立つチア見せてくれよ」と声を掛けられていた。目に涙を浮かべながら。
売り言葉に買い言葉と言わんばかりに「と、当然でしょ!?僕らが応援するんだから負けたらスネ毛抜くからね!!」と返していた。
それは勘弁してください。何人かがズボン越しにスネに手をやったのが見えた。
着々と体育祭に向けて盛り上がりを見せる教室の雰囲気に、去年より楽しみに思うようになってきて口元を緩めた。隣からの視線を感じて目を向けると、机に肘をつけてあごに手を乗せてこっちを見ていたらしい遠坂に気付いて少し恥ずかしく感じた。口元に手を持って行って隠す。
見るな。金取るぞ。
「はぁ…人の不幸はなんとやら」
HRの時間。
担任に連れられて出て行っていた委員長が、担任と段ボールを抱えて共に帰ってきた。
途端に2人を見て騒つく教室。
一旦教卓に段ボールを置いて、その中身を持った委員長は真っ直ぐ集まっていた3人の元に歩いて行った。
その顔はにやにやしていた。
陽キャが「オ〜〜〜?!」と声を揃える。
委員長はそれを受け、"チアボーイズ"達に持っていた"布"のうちの1つをパッと広げてみせた。
「はい。岸、泉、谷、お待たせ!チアボーイズの衣装だよ」
そう言った委員長の肩は揺れていた。
「「「待ってない!」」」
それぞれ受け取って衣装を各自で広げて眺める。
「な、な、なっ」
「えっ…。」
「………。」
絶句。
持っていた布は、まさしくチアの衣装。
カラーは青と白。
そして、布面積は狭く、上は腹が出るくらい短く、女性用としか思えないミニスカ。
極め付けにリボン。
谷が袋からリボンを床に落としたのを無言で見つめた。
その光景は。
教室で笑いを大いに誘った。
「…フフ…フッ」
委員長が3人から顔を背けて笑い出したのを皮切りに、静かにクラスメイトが噴き出していく。
俺?俺はもう衣装をチアボーイズが受け取った時から机に伏せて上野と掴み合って一緒に我慢してた。
俺の前の席の黄緑の頭も心なしか揺れてるのが分かった。
美月先生が教室に用意されてる教員の用の机から3人を可哀想に思ったのか、「まぁ…お前ら似合うから大丈夫大丈夫」とフォロー。
それを聞いて、我慢してたのを耐えきれなくなり噴き出した。
フォローできてねえよ。適当すぎるだろ。
「「「柴ぁーーーーーッッッッ!!!」」」
なんで俺?!??
飛び火した俺を、他人事のように上野が声をあげて笑った。
目ざとく俺の様子に気付いたらしい3人が顔を真っ赤にして俺を責めるように睨んでくるのにビビる。
幸いにも、笑いに耐えているクラスメイトから視線が集まってくることはなく、むしろ3人に対して「どのクラスより目立つチア見せてくれよ」と声を掛けられていた。目に涙を浮かべながら。
売り言葉に買い言葉と言わんばかりに「と、当然でしょ!?僕らが応援するんだから負けたらスネ毛抜くからね!!」と返していた。
それは勘弁してください。何人かがズボン越しにスネに手をやったのが見えた。
着々と体育祭に向けて盛り上がりを見せる教室の雰囲気に、去年より楽しみに思うようになってきて口元を緩めた。隣からの視線を感じて目を向けると、机に肘をつけてあごに手を乗せてこっちを見ていたらしい遠坂に気付いて少し恥ずかしく感じた。口元に手を持って行って隠す。
見るな。金取るぞ。
「はぁ…人の不幸はなんとやら」