中間テストですよ
2
さて。と咳払いした塩島委員長。
俺達が視線を向けたのを確認する。
「単刀直入に。話し合いの結果ですが、あなた方3人の無実が証明され、完全無欠で私達の勝利です。つまり……
退学、処罰者は誰もいません」
言い切った塩島委員長の顔は満足気だった。
直後に顔を見合わせた俺と宗と南部さん。
口をモゴモゴさせ、
「やっっっ
「よっッッッ
やったーーーー!!!!良かったよお〜!!!!」
よっしゃーーーーーッッッ!!!!!」
歓喜を隠すことを一切せずに、隣に座っている2人とハイタッチを交わした。
南部さんは声こそあげなかったものの表情は明るく、満面の笑みを浮かべていた。初めて見たその顔に嬉しさもひとしおだった。
塩島委員長と先生の雰囲気からなんとなく察してはいたが、ちゃんと言ってくれたことによりようやく実感した。宗も同じように思ったらしく、両目に涙を滲ませて鼻をスンスン言わせていた。
「おめでとう〜!!パチパチパチパチ!」
「おめでとう、お前らもよく頑張ったな」
"も"……?
「ありがとうございますっ!」
座ったまま先生と夏目副委員長に深く頭を下げた宗に倣い南部さんと、ワンテンポ遅れて俺は軽く頭を下げた。
良かった。
本当に良かった。
皆で今までの頑張りを讃えていると、夏目副委員長が「じゃあ皆で乾杯でもしようよ!」と言ったので、それぞれの飲み物(ちなみに俺の予想は当たり、夏目副委員長はしそジュースを選んでいた。)をコップに注ぎ、乾杯をした。
チンッとグラス同士が弾む音で勝利と、塩島委員長を労わり喜び合った。
その後、お仕事から帰ってきた他の風紀の人も混ざることになり、なんのイベントだ?と思えるくらいに風紀室は賑やかになっていった。
賑やかだね!と笑い合った宗に、少し話してくる。と離れ、周りの生徒を達観している様子の人に近づいた。
「先生」
「んー?どうしたー本日の主役」
撫でられにきたのか?可愛い奴め。と手を腰より下に持ってくるのをはたく。おかしいだろ。
「痛い…」
「そうなるようにしたので」
鼻で笑ってやった。
あー、そうそう。
「それで、ちょっと先生に聞きたいんですけど、」
先生はわざとらしく撫でていた手を止めて、不思議そうに俺を見た。俺は一歩先生に近付き、声のトーンを意識的に落とした。
「……塩島先輩が"完全無欠で私達の勝利"…って言ってたじゃないですか。
あれって……"何か問題があってそれの対処をしたから完全無欠"…ってことですか?」
隣に並ぶ顔を覗き見る。先生は目を丸くして口を真一文字に結んでいた。
何も無かったならそれでいいんだけどさ。少し引っかかることを先生が言ったから。
だから言葉を続ける。
「だって、先生さっき、お前ら"も"って言ったじゃないですか」
「…………言葉尻を捕らえるのが上手くて可愛くないぞー」
「先生???」
はよ言え。
圧をかけた俺にため息を吐くと、俺を一瞥して再び風紀室内を眺めた。
視線の先は、多分。
「まぁ……。実はな、色々あった。」
「色々」
悪いが話は最後まで聞くイイコなんで、俺は絶対ここからどかねぇから。
棚にもたれ掛かった俺に乾いた笑いを浮かべた先生は、観念したように話し始めた。
さて。と咳払いした塩島委員長。
俺達が視線を向けたのを確認する。
「単刀直入に。話し合いの結果ですが、あなた方3人の無実が証明され、完全無欠で私達の勝利です。つまり……
退学、処罰者は誰もいません」
言い切った塩島委員長の顔は満足気だった。
直後に顔を見合わせた俺と宗と南部さん。
口をモゴモゴさせ、
「やっっっ
「よっッッッ
やったーーーー!!!!良かったよお〜!!!!」
よっしゃーーーーーッッッ!!!!!」
歓喜を隠すことを一切せずに、隣に座っている2人とハイタッチを交わした。
南部さんは声こそあげなかったものの表情は明るく、満面の笑みを浮かべていた。初めて見たその顔に嬉しさもひとしおだった。
塩島委員長と先生の雰囲気からなんとなく察してはいたが、ちゃんと言ってくれたことによりようやく実感した。宗も同じように思ったらしく、両目に涙を滲ませて鼻をスンスン言わせていた。
「おめでとう〜!!パチパチパチパチ!」
「おめでとう、お前らもよく頑張ったな」
"も"……?
「ありがとうございますっ!」
座ったまま先生と夏目副委員長に深く頭を下げた宗に倣い南部さんと、ワンテンポ遅れて俺は軽く頭を下げた。
良かった。
本当に良かった。
皆で今までの頑張りを讃えていると、夏目副委員長が「じゃあ皆で乾杯でもしようよ!」と言ったので、それぞれの飲み物(ちなみに俺の予想は当たり、夏目副委員長はしそジュースを選んでいた。)をコップに注ぎ、乾杯をした。
チンッとグラス同士が弾む音で勝利と、塩島委員長を労わり喜び合った。
その後、お仕事から帰ってきた他の風紀の人も混ざることになり、なんのイベントだ?と思えるくらいに風紀室は賑やかになっていった。
賑やかだね!と笑い合った宗に、少し話してくる。と離れ、周りの生徒を達観している様子の人に近づいた。
「先生」
「んー?どうしたー本日の主役」
撫でられにきたのか?可愛い奴め。と手を腰より下に持ってくるのをはたく。おかしいだろ。
「痛い…」
「そうなるようにしたので」
鼻で笑ってやった。
あー、そうそう。
「それで、ちょっと先生に聞きたいんですけど、」
先生はわざとらしく撫でていた手を止めて、不思議そうに俺を見た。俺は一歩先生に近付き、声のトーンを意識的に落とした。
「……塩島先輩が"完全無欠で私達の勝利"…って言ってたじゃないですか。
あれって……"何か問題があってそれの対処をしたから完全無欠"…ってことですか?」
隣に並ぶ顔を覗き見る。先生は目を丸くして口を真一文字に結んでいた。
何も無かったならそれでいいんだけどさ。少し引っかかることを先生が言ったから。
だから言葉を続ける。
「だって、先生さっき、お前ら"も"って言ったじゃないですか」
「…………言葉尻を捕らえるのが上手くて可愛くないぞー」
「先生???」
はよ言え。
圧をかけた俺にため息を吐くと、俺を一瞥して再び風紀室内を眺めた。
視線の先は、多分。
「まぁ……。実はな、色々あった。」
「色々」
悪いが話は最後まで聞くイイコなんで、俺は絶対ここからどかねぇから。
棚にもたれ掛かった俺に乾いた笑いを浮かべた先生は、観念したように話し始めた。