中間テストですよ
教室は安全?
「きりーつ、れーい」
「「「ありがとうございましたー!」」」
風紀室から教室に戻ってソワソワしたまま午後の授業を終え、放課後を迎えた。
ガヤガヤとそれぞれの目的で教室を出る生徒やまだ椅子に座ったままだべっている生徒がいる中、俺は胃を痛めていた。
依然塩島委員長からは何の連絡もない。つまりこれから先生達と話に行く、もしくは何か問題があったか。
…どちらにせよ、これから集まる風紀室で結果発表が待ってるってわけだ。
風紀室から出た時に2人には既に連絡済でそれぞれ了承の返事も来ていたし、さっきこれから風紀に行くって通知も入った。
だからあとは、風紀室に行く……だけ。
あれだけ任せろと言ってくれていた塩島委員長なら大丈夫だとは思う。
思う…けど………。
やっぱ憂鬱だった。
ネガティヴにもなるて。
「柴〜おれこれから部活行くけど、本当の本当の本当に大丈夫?」
「…ハァッハァッ……」
「……結果が分かったら僕らに連絡しなよ。手伝ったんだからすぐ報告をもらう権利があるし。じゃ、行くね」
「ハァハァ…ハァハァ…」
「僕も着いて行きたかったんだけど用事が……ところで柴君。
もう一度聞くけど、
息の荒いこの人は?」
「警察(風紀)呼んで」
「アーーッ良い…良すぎる…ハァハァハァハァ」
呼んで良いのか警察(風紀)。
そして、パシュッパシュッと鳴り止まないカメラのシャッターを切る音。
さっきからずっと過呼吸並みに息を荒げていたのは俺じゃない。勘違いしないで欲しい。
風紀室で別れ際、意味深げにまたね。と言ってきた、加賀屋先輩だ。
確かに言ってた。
言ってたけど、こんな早い再会とは思ってなかった。というか普通に会いたくなかった。来るなよ他学年の教室に。デバフでHPゴリゴリ削られる。俺のライフはもう0だ。ガッツで耐えてる。1と0の反復横跳び。
放課後を告げるチャイムが鳴った直後、教室の後ろにあるロッカー前(つまり俺の後ろ)に突然出現した加賀屋先輩。
先生も気付かないその隠密性。
大変気持ちが悪い。
1番初めに気が付いたのは遠坂で、勢いよくロッカーの方に振り返ったのに不思議に思い俺も見たら犯罪者(加賀屋先輩)が居た……という訳だ。
遅れて前方の席にいる上野が気付き、俺に覆いかぶさって威嚇していたのはついさっきまでのことだった。
「実害は無い。………無い?いやある?けど、今回の件で助けてもらった人だから大丈夫。今は。」と言って上野を引っぺがした。ブーイングする加賀屋先輩と、廊下からのチワワの視線も痛いので…。
上野は時計の方をちらちら見てたし、そろそろ部活が始まるんだろう。
もう今は教室に居ない小森はというと、俺が「なんでここに加賀屋先輩が…」と呟いた途端に驚いた様子になり、加賀屋先輩の隣に走った。何故。それから2人でこそこそ耳打ちで話をした後にガッチリ握手を交わした。何故。
何か俺に被害がありそうな、害悪なことだけは分かった。小森が邪悪な笑みを浮かべてこっちを見たから。後で聞いても素直に答えないだろう。
覚えてろよてめえ。
(だがその後、たびたび俺に携帯を向けてシャッターを鳴らす小森に察しが付き、その瞬間小刻みに動く俺が日常化した。)
で、今。
えーん。とまだ渋る上野に遠坂が「そうだ。」と、口を開き、閃いたと言わんばかりに人差し指をあげた。
「風紀室と体育館なら、1階の途中まで一緒に行けるんじゃない?上野君心配でしょ?僕も心配だしね」
「そうだよ!だよね!」
うんうんと激しく上野の首が上下する。
あー…。まあ。それなら別に上野にも迷惑じゃ無いか。
俺が1人で風紀に行くくらいなら上野だって別にここまで心配しない。
なのに、ここまで渋るのは
「え〜〜〜きみと〜〜?目立つじゃあん」
「先輩が、特に、いらない」
変態が付いてくると言い出したからだ。
変態は胸を押さえて、「ハァッハァッ砕けた口調のうーたん…!!」と鼻息荒く興奮している。
塩島委員長。罵倒とか出来る限りしてないんですが、俺何か対応間違ってますかね。
空に語りかけるも、当然返事は無かった。
話はまとまったので遠坂に見送られ、謎の3人で教室から出発。
そして早々に感じる視線の数々。
主に相変わらずのモテっぷりの上野への熱い視線だったが、中には加賀屋先輩に対する驚きの視線も多くあった。普通に廊下に歩く姿がレアらしい。普段忍んでんの?忍者?
1割の確率で加賀屋先輩にも黄土色の声が聞こえたのには解せない。こいつはチャラい見た目のただのストーキング変態野郎だぞ。やめとけ。それなら俺の方がマシだぞ。
黄土色の声はいらねえけど。
あと、視線に気を取られてるのは俺だけで、2人は慣れた様に普段通りだった。
「次の練習試合に強豪校とできることになってさ、おれすごい楽しみなんだよね」
「へえ、それ楽しみってとこ凄いわ」
「ふんふん。ちなみに日程は?」
「へへ〜。だからそれに向けて練習も結構ハードになってるんだけど、柴応援してよ」
ガン無視上野わろた。
「あ・の・ね」
「が・ん・ば・れ」
「………なんで2人息合ってるの…?」
俺も分からない。
「…俺はアクア好きです」
ルビィちゃんしか勝たん。
「どっちも好きだけど〜ボクはやっぱりμ'sかな!」
「何の話…???」
「ごめん」
唐突にキモオタトークしてしまった。
このストーキング野郎……できるな?
けどこの学校でこういった話ができる数少ない人間にテンションが上がってしまい、自戒の念。
その間に、いつの間にか上野と加賀屋先輩が前を並んで言い合っていた。
「分かんないけど…マウントのつもりっすか」
「え〜〜?そう思うならそうなんじゃない?ちなみに答えはイェス!」
「……おれは柴の頭の大きさ知ってますケド?」
「それならボクはいつも買う服のサイト知ってるヨ?」
「じゃあ眠い時の授業中の字!」
「寝癖が付く髪の位置〜!」
「よく読んでる漫画!」
「夜のお供のエロ漫画!」
「おいコラ」
「汗かいた時の匂い!」
「全身のほくろの位置!」
……………。
聞かない2人に額へ青筋がたった。
肩に背負っていたリュックを下ろし、手に持つ。
そして大きく下から振りかぶり、
「いたっ!!!?」
「イっっ!!!」
怒りを込めて2人の背中にぶつけた。
さぞかし痛かっただろう。何せ今日はハードカバーの小説と授業で使った辞書が入ってたから。情けないツラで振り向く2人を冷めた目で見る。最悪な言い合いをはじめた辺りから人が周りに居なかったのは不幸中の幸いだった。じゃなきゃ秒で間に割って入ってた。
「し、柴………?」
「うーたん…………?」
「……………。」
言いたいことは山程あるが。
「1階着いたから、お前らとは解散な。あと今週いっぱい側寄って来んな」
「ごめ、ごめんなさい〜〜!!」
「どれ?!エロ本?!サイト?!?」
「散れ散れ」
「きりーつ、れーい」
「「「ありがとうございましたー!」」」
風紀室から教室に戻ってソワソワしたまま午後の授業を終え、放課後を迎えた。
ガヤガヤとそれぞれの目的で教室を出る生徒やまだ椅子に座ったままだべっている生徒がいる中、俺は胃を痛めていた。
依然塩島委員長からは何の連絡もない。つまりこれから先生達と話に行く、もしくは何か問題があったか。
…どちらにせよ、これから集まる風紀室で結果発表が待ってるってわけだ。
風紀室から出た時に2人には既に連絡済でそれぞれ了承の返事も来ていたし、さっきこれから風紀に行くって通知も入った。
だからあとは、風紀室に行く……だけ。
あれだけ任せろと言ってくれていた塩島委員長なら大丈夫だとは思う。
思う…けど………。
やっぱ憂鬱だった。
ネガティヴにもなるて。
「柴〜おれこれから部活行くけど、本当の本当の本当に大丈夫?」
「…ハァッハァッ……」
「……結果が分かったら僕らに連絡しなよ。手伝ったんだからすぐ報告をもらう権利があるし。じゃ、行くね」
「ハァハァ…ハァハァ…」
「僕も着いて行きたかったんだけど用事が……ところで柴君。
もう一度聞くけど、
息の荒いこの人は?」
「警察(風紀)呼んで」
「アーーッ良い…良すぎる…ハァハァハァハァ」
呼んで良いのか警察(風紀)。
そして、パシュッパシュッと鳴り止まないカメラのシャッターを切る音。
さっきからずっと過呼吸並みに息を荒げていたのは俺じゃない。勘違いしないで欲しい。
風紀室で別れ際、意味深げにまたね。と言ってきた、加賀屋先輩だ。
確かに言ってた。
言ってたけど、こんな早い再会とは思ってなかった。というか普通に会いたくなかった。来るなよ他学年の教室に。デバフでHPゴリゴリ削られる。俺のライフはもう0だ。ガッツで耐えてる。1と0の反復横跳び。
放課後を告げるチャイムが鳴った直後、教室の後ろにあるロッカー前(つまり俺の後ろ)に突然出現した加賀屋先輩。
先生も気付かないその隠密性。
大変気持ちが悪い。
1番初めに気が付いたのは遠坂で、勢いよくロッカーの方に振り返ったのに不思議に思い俺も見たら犯罪者(加賀屋先輩)が居た……という訳だ。
遅れて前方の席にいる上野が気付き、俺に覆いかぶさって威嚇していたのはついさっきまでのことだった。
「実害は無い。………無い?いやある?けど、今回の件で助けてもらった人だから大丈夫。今は。」と言って上野を引っぺがした。ブーイングする加賀屋先輩と、廊下からのチワワの視線も痛いので…。
上野は時計の方をちらちら見てたし、そろそろ部活が始まるんだろう。
もう今は教室に居ない小森はというと、俺が「なんでここに加賀屋先輩が…」と呟いた途端に驚いた様子になり、加賀屋先輩の隣に走った。何故。それから2人でこそこそ耳打ちで話をした後にガッチリ握手を交わした。何故。
何か俺に被害がありそうな、害悪なことだけは分かった。小森が邪悪な笑みを浮かべてこっちを見たから。後で聞いても素直に答えないだろう。
覚えてろよてめえ。
(だがその後、たびたび俺に携帯を向けてシャッターを鳴らす小森に察しが付き、その瞬間小刻みに動く俺が日常化した。)
で、今。
えーん。とまだ渋る上野に遠坂が「そうだ。」と、口を開き、閃いたと言わんばかりに人差し指をあげた。
「風紀室と体育館なら、1階の途中まで一緒に行けるんじゃない?上野君心配でしょ?僕も心配だしね」
「そうだよ!だよね!」
うんうんと激しく上野の首が上下する。
あー…。まあ。それなら別に上野にも迷惑じゃ無いか。
俺が1人で風紀に行くくらいなら上野だって別にここまで心配しない。
なのに、ここまで渋るのは
「え〜〜〜きみと〜〜?目立つじゃあん」
「先輩が、特に、いらない」
変態が付いてくると言い出したからだ。
変態は胸を押さえて、「ハァッハァッ砕けた口調のうーたん…!!」と鼻息荒く興奮している。
塩島委員長。罵倒とか出来る限りしてないんですが、俺何か対応間違ってますかね。
空に語りかけるも、当然返事は無かった。
話はまとまったので遠坂に見送られ、謎の3人で教室から出発。
そして早々に感じる視線の数々。
主に相変わらずのモテっぷりの上野への熱い視線だったが、中には加賀屋先輩に対する驚きの視線も多くあった。普通に廊下に歩く姿がレアらしい。普段忍んでんの?忍者?
1割の確率で加賀屋先輩にも黄土色の声が聞こえたのには解せない。こいつはチャラい見た目のただのストーキング変態野郎だぞ。やめとけ。それなら俺の方がマシだぞ。
黄土色の声はいらねえけど。
あと、視線に気を取られてるのは俺だけで、2人は慣れた様に普段通りだった。
「次の練習試合に強豪校とできることになってさ、おれすごい楽しみなんだよね」
「へえ、それ楽しみってとこ凄いわ」
「ふんふん。ちなみに日程は?」
「へへ〜。だからそれに向けて練習も結構ハードになってるんだけど、柴応援してよ」
ガン無視上野わろた。
「あ・の・ね」
「が・ん・ば・れ」
「………なんで2人息合ってるの…?」
俺も分からない。
「…俺はアクア好きです」
ルビィちゃんしか勝たん。
「どっちも好きだけど〜ボクはやっぱりμ'sかな!」
「何の話…???」
「ごめん」
唐突にキモオタトークしてしまった。
このストーキング野郎……できるな?
けどこの学校でこういった話ができる数少ない人間にテンションが上がってしまい、自戒の念。
その間に、いつの間にか上野と加賀屋先輩が前を並んで言い合っていた。
「分かんないけど…マウントのつもりっすか」
「え〜〜?そう思うならそうなんじゃない?ちなみに答えはイェス!」
「……おれは柴の頭の大きさ知ってますケド?」
「それならボクはいつも買う服のサイト知ってるヨ?」
「じゃあ眠い時の授業中の字!」
「寝癖が付く髪の位置〜!」
「よく読んでる漫画!」
「夜のお供のエロ漫画!」
「おいコラ」
「汗かいた時の匂い!」
「全身のほくろの位置!」
……………。
聞かない2人に額へ青筋がたった。
肩に背負っていたリュックを下ろし、手に持つ。
そして大きく下から振りかぶり、
「いたっ!!!?」
「イっっ!!!」
怒りを込めて2人の背中にぶつけた。
さぞかし痛かっただろう。何せ今日はハードカバーの小説と授業で使った辞書が入ってたから。情けないツラで振り向く2人を冷めた目で見る。最悪な言い合いをはじめた辺りから人が周りに居なかったのは不幸中の幸いだった。じゃなきゃ秒で間に割って入ってた。
「し、柴………?」
「うーたん…………?」
「……………。」
言いたいことは山程あるが。
「1階着いたから、お前らとは解散な。あと今週いっぱい側寄って来んな」
「ごめ、ごめんなさい〜〜!!」
「どれ?!エロ本?!サイト?!?」
「散れ散れ」