中間テストですよ
2
ご本人登場キターー?!??と思った同時に、俺と同じ投稿で埋まる。
『本人キターーーー!?』
『大☆本☆命』
『テニス部2年?!』
『連絡ハヨ』
『続投期待』
『なんかラインすごい来てここ教えてもらった!どうすればいい??』
『宗くんに連絡』
『2年主席に連絡』
『宗君にライン』
『わかった』
次々と更新される投稿からすぐに宗の携帯が光った。皆で覗き込むと、噂の当人。2年Sクラスのテニス部に宗のラインを教えてもらったらしく、『探してるって聞いたんだけど…。』と来ていた。
「ど、どうすればいい?」
「貸してください。私が話をしましょう」
委員長が右往左往する宗の手から携帯をすっと抜き取り、電話を掛け出してそのまま部屋から出ていった。宗は俺らを困惑の表情で見回してから、自身の携帯を連れ去った委員長の後をおずおずと着いて部屋を出た。
静かになった部屋に、開いたドアの向こう側から微かに声が聞こえた。
それを耳にしながら、俺はその場にしゃがんで安堵の息を吐いた。
っは〜〜〜。良かった。取り敢えず証人ゲット?机の中を見たかは別として。
それを見ていたらしい南部さんが声を掛けてきた。
「……いいんですか?」
…何が?
「もし仮に今のテニス部が証人になったとしても、俺の証明しかできないんですよ?」
疑問に思ったのが顔に出ていたのか、補足した。
なんか、警察と泥棒の時を思い出す問答で笑ってしまう。
「…なんで笑ってるんですか」
「ははっ…んん。いや、すいません。」
どう言おうか。
しゃがんだまま、目線を上げてパソコンのモニターに流れる文字列を無意味に眺めながら考える。
「えっと…確かに、今回は南部さんの証明だけになります。宗と俺は目処も立ってません」
「………。」
「でも、逆に考えて、」
逆?と口を動かす南部さんに頷く。
「はい。逆に、
南部さん"だけ"証明できた。
じゃなくて、
南部さん"は"証明できた。
……ってことが今は大事なんじゃないか、って俺は思います」
「…一緒じゃないですか…?それ…」
わははは。いや、同じに見えて実は結構違う。
これは南部さんは無実だと証明できるものと仮定しての話だが……ほんと、南部さんには言い方悪いんだけど、校内掲示板でもあった様に南部さんは分かりやすいほど親衛隊に疎まれてる。
つまり、そんな"1番ターゲットになりやすそうな南部さん"が証明できる、ということは俺ら2人にも証明できる望みが大いにある…ってことだ。多分。希望的観測。
とまあ、流石にここまでは言えないから南部さんには「1人の机の中が空だって証明できるなら、俺らにも無い可能性を推せるし」とよわよわ論を言っといた。当然ピンとは来てなかった。完。
話した後、キーボードに目を落とした南部さんが何やらキリッとした顔になって再びパソコンを触り始めて数分。委員長と宗が部屋に入ってきた。
その表情は、明るかった。
「もしかして?!」
「そのもしかして、ですよ柴君」
「南部さんの席が忘れ物を取りに行った所に近かったらしくて、教室を見回した時、中に物が入っていた机はひとつもなかったって!」
「っしゃー!良かったですね!南部さん!」
ハイタッチのポーズでこっちに駆け寄ってくる宗に笑って緩く手を合わせてから、南部さんに顔を向けた。
「ありがとうございます…」
宗の珍しく高いテンションに釣られたのか、南部さんは振り向いた顔を下に向けてはにかんだ。
良かった良かった。
まずは1人目。
ご本人登場キターー?!??と思った同時に、俺と同じ投稿で埋まる。
『本人キターーーー!?』
『大☆本☆命』
『テニス部2年?!』
『連絡ハヨ』
『続投期待』
『なんかラインすごい来てここ教えてもらった!どうすればいい??』
『宗くんに連絡』
『2年主席に連絡』
『宗君にライン』
『わかった』
次々と更新される投稿からすぐに宗の携帯が光った。皆で覗き込むと、噂の当人。2年Sクラスのテニス部に宗のラインを教えてもらったらしく、『探してるって聞いたんだけど…。』と来ていた。
「ど、どうすればいい?」
「貸してください。私が話をしましょう」
委員長が右往左往する宗の手から携帯をすっと抜き取り、電話を掛け出してそのまま部屋から出ていった。宗は俺らを困惑の表情で見回してから、自身の携帯を連れ去った委員長の後をおずおずと着いて部屋を出た。
静かになった部屋に、開いたドアの向こう側から微かに声が聞こえた。
それを耳にしながら、俺はその場にしゃがんで安堵の息を吐いた。
っは〜〜〜。良かった。取り敢えず証人ゲット?机の中を見たかは別として。
それを見ていたらしい南部さんが声を掛けてきた。
「……いいんですか?」
…何が?
「もし仮に今のテニス部が証人になったとしても、俺の証明しかできないんですよ?」
疑問に思ったのが顔に出ていたのか、補足した。
なんか、警察と泥棒の時を思い出す問答で笑ってしまう。
「…なんで笑ってるんですか」
「ははっ…んん。いや、すいません。」
どう言おうか。
しゃがんだまま、目線を上げてパソコンのモニターに流れる文字列を無意味に眺めながら考える。
「えっと…確かに、今回は南部さんの証明だけになります。宗と俺は目処も立ってません」
「………。」
「でも、逆に考えて、」
逆?と口を動かす南部さんに頷く。
「はい。逆に、
南部さん"だけ"証明できた。
じゃなくて、
南部さん"は"証明できた。
……ってことが今は大事なんじゃないか、って俺は思います」
「…一緒じゃないですか…?それ…」
わははは。いや、同じに見えて実は結構違う。
これは南部さんは無実だと証明できるものと仮定しての話だが……ほんと、南部さんには言い方悪いんだけど、校内掲示板でもあった様に南部さんは分かりやすいほど親衛隊に疎まれてる。
つまり、そんな"1番ターゲットになりやすそうな南部さん"が証明できる、ということは俺ら2人にも証明できる望みが大いにある…ってことだ。多分。希望的観測。
とまあ、流石にここまでは言えないから南部さんには「1人の机の中が空だって証明できるなら、俺らにも無い可能性を推せるし」とよわよわ論を言っといた。当然ピンとは来てなかった。完。
話した後、キーボードに目を落とした南部さんが何やらキリッとした顔になって再びパソコンを触り始めて数分。委員長と宗が部屋に入ってきた。
その表情は、明るかった。
「もしかして?!」
「そのもしかして、ですよ柴君」
「南部さんの席が忘れ物を取りに行った所に近かったらしくて、教室を見回した時、中に物が入っていた机はひとつもなかったって!」
「っしゃー!良かったですね!南部さん!」
ハイタッチのポーズでこっちに駆け寄ってくる宗に笑って緩く手を合わせてから、南部さんに顔を向けた。
「ありがとうございます…」
宗の珍しく高いテンションに釣られたのか、南部さんは振り向いた顔を下に向けてはにかんだ。
良かった良かった。
まずは1人目。