中間テストですよ

思考がぐるぐる



2人を連れて廊下を早足で進む。
誰も話さない中考える。

期限は3日。
いや、厳密には、今日の放課後と丸2日。

…………。
にしても上手くいったな。
有罪確定オーラ出してるから、良くて2日かと思ってたけど。

あの掛け合いは姉ちゃんが商店街でよく使ってた交渉術だった。
最初にあり得ない大幅な数字を出して、徐々に自分の希望の額までに落とさせる、というもの。
以前名称があるのか調べたら、ドア・イン・ザ・フェイス・テクニック…だったっけな。
あんなのする機会俺には無かったから、土壇場ながら上手くいって良かった。

理想通りに事が進めば、これから行く風紀室だけで完結する筈。

理想通りに、いかなければ…。


いかなければ……………?


特待生の俺は…。

「ーーー柴君?」
名前を呼ばれてハッと飛んでた思考を戻す。
「あー…ごめん、何?」
「風紀室はこっちだったと思うんだけど…。」
後ろを振り向くと、俺だけ角を曲がらずにそのまま真っ直ぐ歩いていたらしい。
「いやごめんごめん、ボーッとしてた」
慌てて踵を返して下の順路に戻る。
そうだ。後のことを考えてる場合じゃないんだった。
まずは目の前のことに集中。

じゃなきゃやべえ。
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