中間テストですよ
発覚
HRが終わり、今日も仕事頑張るかあ。と席を立った俺に担任が手招きをしてきた。
上野達と挨拶をしてすぐに近寄ると、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる担任がいた。
一体なんの話をするつもりだ?
嫌が応にも心構えをしてしまう。
「あー…。最近補佐頑張ってるみたいでお疲れさん」
「ありがとうございます。顧問らしいですけど、未だ生徒会室で姿見てないですね」
頷いて返した。
「んな事言うなよ〜ちゃんと仕事してっから〜」
ちょっとした皮肉が刺さってしまったようだ。口をへの字に曲げて両肩をポンポンと叩かれた。
「で。話はそれだったんですか?なら…」
と言った俺に、一際大きなため息をついた先生。俺の肩に置いていた片手を自身の顔に持っていき、額を覆った。
動かなくなった。
これは、いつになく変だ。
口籠っている先生自体、見るのが初めてだし。
一体なんの話なんだ。
嫌な感じで胸がざわつくも、心当たりはない。
「はぁ………。悪い、ちょっと今から着いてきてくれ」
「…はい」
重苦しい雰囲気を漂わせ、教室を出たのに着いて行く。
生徒会2年のグループラインで、ちょっと用事があって行くの遅くなる。と送り、すぐに携帯をポケットにしまった。
だから、直後に宗からも同じような内容のことを送られたのには、気付かなかった。
着いた先は会議室。
担任に促され中に入ると、長机が1つ。その前には3つの椅子が離れて並んであった。
机の奥に座っていたのは、生徒指導の権現寺(ゴンゲンジ)先生だった。険しい顔で俺の存在を目にして、わざとらしく眼鏡を押し上げた。
生徒指導の先生…?
縁が無く、学校集会や廊下ですれ違うくらいだけの人物。上野からは、なんかヤ〜な感じの人。って言われてた。
それが何故、険しい顔でそこに?
呼び出した張本人?
胸騒ぎが膨れ上がる。
担任が真ん中の椅子に座るように指示してきたのに大人しく従う。
端が良かったが。
そのすぐ後にノックが響いて扉が開き、宗が1人でやって来た。
「宗?」
「あれ?柴君?」
お互い驚愕と困惑が混じった表情で顔を見合わせていると、権現寺先生が俺の左側を指して宗に座るよう指示をした。大人しく座るのを見届けると、苛立った顔で自身の腕時計を見た。と、同じタイミングで再びノックが。
「入りなさい。」と権現寺先生が口を開いた。
「すみません。遅くなりました…」と言って入ってきたのは、毛玉転校生の友人(?)で、新入生歓迎会のケイドロの最中制裁に遭っていた、南部だった。
相変わらずの目の下の隈と暗い表情。
南部さん絶好調。
ゲームにログインしてるのだけは知ってたけど。
あの時以来だったから驚く俺だったが、南部さんは視線を下に向けていて、俺に気付いていないようだった。
権現寺先生は、宗にした時と同じように空いている席へ促した。
空席が埋まる。
どうやら呼び出したのは南部で最後、らしい。
シワが濃く入った厳格そうな口元が動いた。
「さて。先日は中間テストご苦労様でした。」
そう言われ、それぞれの動きで頭を下げる。
「3人とも上位の素晴らしい成績でしたね。宗さんに至っては今回も主席で…」
特に何も思って無さそうな口調でペラペラ話し出すのに焦れて、手を上げて発言する。
「遮ってしまいすみません。今少し生徒会の仕事で忙しいので…」
「…あぁ。まぁそうでしたね。柴さんと宗さん。
…生徒会補佐。
生徒会、ねぇ…。
今後は出来なくなるとは思いますが。」
「………はい?」
「…え?」
HRが終わり、今日も仕事頑張るかあ。と席を立った俺に担任が手招きをしてきた。
上野達と挨拶をしてすぐに近寄ると、苦虫を噛み潰したような表情を浮かべる担任がいた。
一体なんの話をするつもりだ?
嫌が応にも心構えをしてしまう。
「あー…。最近補佐頑張ってるみたいでお疲れさん」
「ありがとうございます。顧問らしいですけど、未だ生徒会室で姿見てないですね」
頷いて返した。
「んな事言うなよ〜ちゃんと仕事してっから〜」
ちょっとした皮肉が刺さってしまったようだ。口をへの字に曲げて両肩をポンポンと叩かれた。
「で。話はそれだったんですか?なら…」
と言った俺に、一際大きなため息をついた先生。俺の肩に置いていた片手を自身の顔に持っていき、額を覆った。
動かなくなった。
これは、いつになく変だ。
口籠っている先生自体、見るのが初めてだし。
一体なんの話なんだ。
嫌な感じで胸がざわつくも、心当たりはない。
「はぁ………。悪い、ちょっと今から着いてきてくれ」
「…はい」
重苦しい雰囲気を漂わせ、教室を出たのに着いて行く。
生徒会2年のグループラインで、ちょっと用事があって行くの遅くなる。と送り、すぐに携帯をポケットにしまった。
だから、直後に宗からも同じような内容のことを送られたのには、気付かなかった。
着いた先は会議室。
担任に促され中に入ると、長机が1つ。その前には3つの椅子が離れて並んであった。
机の奥に座っていたのは、生徒指導の権現寺(ゴンゲンジ)先生だった。険しい顔で俺の存在を目にして、わざとらしく眼鏡を押し上げた。
生徒指導の先生…?
縁が無く、学校集会や廊下ですれ違うくらいだけの人物。上野からは、なんかヤ〜な感じの人。って言われてた。
それが何故、険しい顔でそこに?
呼び出した張本人?
胸騒ぎが膨れ上がる。
担任が真ん中の椅子に座るように指示してきたのに大人しく従う。
端が良かったが。
そのすぐ後にノックが響いて扉が開き、宗が1人でやって来た。
「宗?」
「あれ?柴君?」
お互い驚愕と困惑が混じった表情で顔を見合わせていると、権現寺先生が俺の左側を指して宗に座るよう指示をした。大人しく座るのを見届けると、苛立った顔で自身の腕時計を見た。と、同じタイミングで再びノックが。
「入りなさい。」と権現寺先生が口を開いた。
「すみません。遅くなりました…」と言って入ってきたのは、毛玉転校生の友人(?)で、新入生歓迎会のケイドロの最中制裁に遭っていた、南部だった。
相変わらずの目の下の隈と暗い表情。
南部さん絶好調。
ゲームにログインしてるのだけは知ってたけど。
あの時以来だったから驚く俺だったが、南部さんは視線を下に向けていて、俺に気付いていないようだった。
権現寺先生は、宗にした時と同じように空いている席へ促した。
空席が埋まる。
どうやら呼び出したのは南部で最後、らしい。
シワが濃く入った厳格そうな口元が動いた。
「さて。先日は中間テストご苦労様でした。」
そう言われ、それぞれの動きで頭を下げる。
「3人とも上位の素晴らしい成績でしたね。宗さんに至っては今回も主席で…」
特に何も思って無さそうな口調でペラペラ話し出すのに焦れて、手を上げて発言する。
「遮ってしまいすみません。今少し生徒会の仕事で忙しいので…」
「…あぁ。まぁそうでしたね。柴さんと宗さん。
…生徒会補佐。
生徒会、ねぇ…。
今後は出来なくなるとは思いますが。」
「………はい?」
「…え?」