中間テストですよ
ブラック派遣社員
呼び出された日の晩。
惶に生徒会補佐としてブラック派遣社員になりました、と報告をして早数日。
初日と次の日こそ困惑だらけだったが、自分が出来る範囲のこともそれなりに分かってきて作業が楽になった。
気持ち的にはな。
木雨がニコニコと段々作業量を増やしてくるのに死んだ顔に。
無言で天を仰ぎ、目を閉じた。
現実逃避。
「あかん!!ちょっと任せすぎたか…!?
ハッ…………死んでる…?!!!」
「えっ!嘘!柴君?!!救急車呼ぶ?!」
「大丈夫だよ、宗。すぐ生き返るから」
「そもそも勝手に俺を殺すな」
随分と賑やか。
任命された次の日の放課後。
やっときちんと挨拶を交わした白崎は、見た目通りの真面目で優等生なやつだった。冗談が言えて話しやすいところも良い。
担任の部屋である数学準備室前ですれ違った第一印象の"いつどこを切り取っても綺麗"というのも変わらなかった。
「白崎、これどこ置いとく?」
「えっと……その辺?」
「わかった。スペース作っとくから後で確認して」
「う。ありがとう、柴…」
ただし片付けが異様に苦手なところは意外だったが。
目を逸らして居心地悪げな白崎。
白崎の作成した書類をファイリングして、空いている棚の一角を弄る。
初日に目にした乱雑な机の上も、今は放置されていた事務用具を使うと見れるものになった。
3人は忙しいからか、周囲の物をまとめる余裕が無いらしかった。だから合間を縫って、(勿論都合を聞きながら)それなりには片付けられたんじゃなかろうか。というか、これくらいしかあまりまだ手伝えることがない。
「ありがとうね、柴君」
「これくらい全然」
ひと段落ついたらしい宗が伸びをして礼を言ってきたのに返事を返す。
時計を見ると、もうすぐで昼が終わる時間だった。
「じゃあ悪い、俺授業あるし行くわ」
「はーい。ありがと〜また放課後やな〜」
「あっそうだ、じゃあ僕も!」
「うん。じゃあ2人は授業頑張ってね」
「そっちも頑張れー」
互いに挨拶を交わして、宗と2人で部屋を出た。
今はそろそろ体育祭ということもあり、昼休みにも生徒会の仕事をしに行っている。
そして簿記の木雨や、書紀の白崎等の役員と違い、俺ら補佐は授業免除が無い。
俺としてはなるべく授業には出たいからいいが、人の良い宗は部屋に残った2人を気掛かりにしているようだった。
予鈴まで少し時間がある為、歩いて廊下を進む。外からは、体育祭のための応援団が声を上げて練習をしているようで、野太い声があがっていた。
「それにしても……上野君拗ねてたりしない?」
「してる」がっつり。
「あはは、だよねぇ〜」
困ったような顔で笑う宗に肩をすくませた。
補佐になってからはというと、今まで一緒行っていた食堂も行けてないし、放課後はお互いに部活や生徒会の仕事があるから言わずもがな、だ。
昼は俺ら生徒会は、食堂からデリバリーができるから楽をできてるけど。しかも生徒会割引がある。最高かよ。ここだけは補佐になって良かったと思う点。
「別れ話になったら、僕罪悪感持っちゃうな…」
「わかればな、何て???」
なに????
「あっ。じゃあ僕クラス着いたから、また放課後」
「ああまた放課後……いや待てってちょっと」
ちょっと……?
足を止めて瞬きを繰り返す俺は、さっさと教室に入っていった宗を呆然と見送った。
な、なんなんだマジで。
クラスだけかと思ってたのに、どこまで広がってんだ上野がカレピ!な話は…!?!!
「柴おつかれ!おかえり!」
「お疲れ様〜」
「白崎様の写真無いの!!!?!」
「ねぇよ。…なぁ上野、俺らって……いや…何でもないです……。」
呼び出された日の晩。
惶に生徒会補佐としてブラック派遣社員になりました、と報告をして早数日。
初日と次の日こそ困惑だらけだったが、自分が出来る範囲のこともそれなりに分かってきて作業が楽になった。
気持ち的にはな。
木雨がニコニコと段々作業量を増やしてくるのに死んだ顔に。
無言で天を仰ぎ、目を閉じた。
現実逃避。
「あかん!!ちょっと任せすぎたか…!?
ハッ…………死んでる…?!!!」
「えっ!嘘!柴君?!!救急車呼ぶ?!」
「大丈夫だよ、宗。すぐ生き返るから」
「そもそも勝手に俺を殺すな」
随分と賑やか。
任命された次の日の放課後。
やっときちんと挨拶を交わした白崎は、見た目通りの真面目で優等生なやつだった。冗談が言えて話しやすいところも良い。
担任の部屋である数学準備室前ですれ違った第一印象の"いつどこを切り取っても綺麗"というのも変わらなかった。
「白崎、これどこ置いとく?」
「えっと……その辺?」
「わかった。スペース作っとくから後で確認して」
「う。ありがとう、柴…」
ただし片付けが異様に苦手なところは意外だったが。
目を逸らして居心地悪げな白崎。
白崎の作成した書類をファイリングして、空いている棚の一角を弄る。
初日に目にした乱雑な机の上も、今は放置されていた事務用具を使うと見れるものになった。
3人は忙しいからか、周囲の物をまとめる余裕が無いらしかった。だから合間を縫って、(勿論都合を聞きながら)それなりには片付けられたんじゃなかろうか。というか、これくらいしかあまりまだ手伝えることがない。
「ありがとうね、柴君」
「これくらい全然」
ひと段落ついたらしい宗が伸びをして礼を言ってきたのに返事を返す。
時計を見ると、もうすぐで昼が終わる時間だった。
「じゃあ悪い、俺授業あるし行くわ」
「はーい。ありがと〜また放課後やな〜」
「あっそうだ、じゃあ僕も!」
「うん。じゃあ2人は授業頑張ってね」
「そっちも頑張れー」
互いに挨拶を交わして、宗と2人で部屋を出た。
今はそろそろ体育祭ということもあり、昼休みにも生徒会の仕事をしに行っている。
そして簿記の木雨や、書紀の白崎等の役員と違い、俺ら補佐は授業免除が無い。
俺としてはなるべく授業には出たいからいいが、人の良い宗は部屋に残った2人を気掛かりにしているようだった。
予鈴まで少し時間がある為、歩いて廊下を進む。外からは、体育祭のための応援団が声を上げて練習をしているようで、野太い声があがっていた。
「それにしても……上野君拗ねてたりしない?」
「してる」がっつり。
「あはは、だよねぇ〜」
困ったような顔で笑う宗に肩をすくませた。
補佐になってからはというと、今まで一緒行っていた食堂も行けてないし、放課後はお互いに部活や生徒会の仕事があるから言わずもがな、だ。
昼は俺ら生徒会は、食堂からデリバリーができるから楽をできてるけど。しかも生徒会割引がある。最高かよ。ここだけは補佐になって良かったと思う点。
「別れ話になったら、僕罪悪感持っちゃうな…」
「わかればな、何て???」
なに????
「あっ。じゃあ僕クラス着いたから、また放課後」
「ああまた放課後……いや待てってちょっと」
ちょっと……?
足を止めて瞬きを繰り返す俺は、さっさと教室に入っていった宗を呆然と見送った。
な、なんなんだマジで。
クラスだけかと思ってたのに、どこまで広がってんだ上野がカレピ!な話は…!?!!
「柴おつかれ!おかえり!」
「お疲れ様〜」
「白崎様の写真無いの!!!?!」
「ねぇよ。…なぁ上野、俺らって……いや…何でもないです……。」