中間テストですよ
試験前
「あ。」
「柴ぁ〜!!」
「ん?」
先に丸君が何かに気付き、声を出した直後に名前を呼ばれ、声がした方を見る。
顔の良いのっぽがヨロヨロしながらこちらに向かって来ていた。
上野だ。
ベンチに座ってすぐに図書館で迷子になると可哀想だと思い、ラインで場所を伝えていたからすぐに来れたようだ。
まぁー色々言われた様で。顔がげっそりしていて笑う。
可哀想だから帰りに何か買ってやるか。
「はははっ、お疲れ様」
「ううーーー柴ぁ〜〜〜……って小犬丸くんだ」
目の前に来た上野に声を掛けると、俺にダイブする前に隣の人物をやっと認識したらしい。避けるつもりだった身体を元の位置に戻した。
「お久し振りです!」
「だねー。あ、そういえば全国大会優勝してたんだって?すごいね〜!」
「ありがとうございます!上野先輩もご活躍なさっていると聞いてますよ、今年もよろしくお願いします!」
「はぁい」
和かに会話しているのをカフェオレを飲みながら静観していると
「ところで中間試験が始まりますが、上野先輩大丈夫ですか?」
「うっ」
あ〜…。
始まってしまったようだ。
例に漏れず。
「流石に2年になりましたし、柴先輩のお手を煩わせることは無いかと思っているのですが…」
「う、ん…」
「といってもその様子では今年も」
「はいはい丸君、俺は良いから先輩をいじめてやんなって」
死体蹴りをやめそうに無い丸君を早々に止めに入ることに。
去年もそうだったけど、上野とか以前の勉強会のメンバーで直前に提出物を焦る人達には、何故か異様に当たりが強かった。
ここだけがな〜〜普段は可愛い良いやつなんだけどな〜〜。人間誰しも欠点はあるが、周りに敵を作りそうな欠点はいただけない。
「いっいじめて無いですよ!これは、その、今後を考えての…進言といいますか…」
「進言。」
「そうです。進言。だって、そうじゃないですか。今年はまた同じクラスみたいですけど、来年はもしかしたら変わるかもしれないじゃないですか」
まあ確かに。
今年の2年はイレギュラーが多いらしいし、なくは無い。
「いつまでも柴先輩に頼るのは、今後の上野先輩の為にもならないかと」
「う……そう、だな。」
今度は俺にダメージが入った。
若干甘やかしていた節があるから……!!
「ままままま。そこを考えるのは追々にして、取り敢えず俺も上野も丸君も、来週の中間試験頑張ろうな」
「はい!勿論です!柴先輩に恥じぬ様頑張ります!」
「がんばる〜」
周りも暗くなってきたし、上野が迎えにもきたから丁度解散に良い。
「じゃあ俺らはこれで。俺は今週からまた図書館行くと思うけど、丸君は…」
と言ってから、出会い頭に丸君が何か言ってたなと思い至る。
なんつってたっけ。
えっと……"会いに来てくれた"…?
「俺は図書委員になったので図書室にはよく居ると思いますし、普段もよく来るので。」
「へえ〜」だからか。
今年も剣道部なのに、結構大変な図書委員もするって凄いな。
「柴先輩とまた勉強会できるの楽しみにしてます!」
「うん。俺も」
といっても、お互いただの自習になると思うが。
まだ図書館に用事があるらしい丸君と入り口前で、それじゃあまた。と分かれた。
「わんわん会復活だね!」
「お前は勉強会強制参加な」
うぅーーーッッ。と唸る上野。犬か。
去年そんな呼ばれ方してたけど、確かにお前もわんわん会にぴったりだな。
今週は何度か放課後に図書館で勉強会を開いた。上野は当然として、小森は2、3回程、遠坂は勉強は1人が集中できるらしく不参加。
クラスで赤点取りそうと泣き付いてきた何人かも参加することに。去年勉強会で仲良くなった、地味ーズ仲間で2年主席の宗(ソウ)が今回も参加することになったことを知ってたからかもしれない。
丸君が、こそっと俺と宗に「こんな人らに教えて…勉強の邪魔じゃないんですか?」と聞いてきたが、宗は「僕自身、復習にもなるから大丈夫だよ」と言った。心優しき優等生。
俺は毎日ある程度復習してるから特に支障もでないし、満点目指してるわけでもねえからそこまで必死でもない。問題無し。
そして。
いよいよ来週の水曜から試験がはじまる。
あまり参加できてなかった人らの頭に、土日を使いみっちり詰め込んでやった。勉強会に来るだけ偉いんだから、やれることはやってやらないとな。
「英語の文法マジでわからん…!!!」
「わかんねぇなら丸暗記しとけ」
「ここどうやっておぼえんの…?!」
「先生から語呂合わせ教えてもらってたでしょ?ほら、ここ書いてるから」
「世界史同じような名前多くね???横文字わっかんねぇよ〜〜」
「あ。」
「柴ぁ〜!!」
「ん?」
先に丸君が何かに気付き、声を出した直後に名前を呼ばれ、声がした方を見る。
顔の良いのっぽがヨロヨロしながらこちらに向かって来ていた。
上野だ。
ベンチに座ってすぐに図書館で迷子になると可哀想だと思い、ラインで場所を伝えていたからすぐに来れたようだ。
まぁー色々言われた様で。顔がげっそりしていて笑う。
可哀想だから帰りに何か買ってやるか。
「はははっ、お疲れ様」
「ううーーー柴ぁ〜〜〜……って小犬丸くんだ」
目の前に来た上野に声を掛けると、俺にダイブする前に隣の人物をやっと認識したらしい。避けるつもりだった身体を元の位置に戻した。
「お久し振りです!」
「だねー。あ、そういえば全国大会優勝してたんだって?すごいね〜!」
「ありがとうございます!上野先輩もご活躍なさっていると聞いてますよ、今年もよろしくお願いします!」
「はぁい」
和かに会話しているのをカフェオレを飲みながら静観していると
「ところで中間試験が始まりますが、上野先輩大丈夫ですか?」
「うっ」
あ〜…。
始まってしまったようだ。
例に漏れず。
「流石に2年になりましたし、柴先輩のお手を煩わせることは無いかと思っているのですが…」
「う、ん…」
「といってもその様子では今年も」
「はいはい丸君、俺は良いから先輩をいじめてやんなって」
死体蹴りをやめそうに無い丸君を早々に止めに入ることに。
去年もそうだったけど、上野とか以前の勉強会のメンバーで直前に提出物を焦る人達には、何故か異様に当たりが強かった。
ここだけがな〜〜普段は可愛い良いやつなんだけどな〜〜。人間誰しも欠点はあるが、周りに敵を作りそうな欠点はいただけない。
「いっいじめて無いですよ!これは、その、今後を考えての…進言といいますか…」
「進言。」
「そうです。進言。だって、そうじゃないですか。今年はまた同じクラスみたいですけど、来年はもしかしたら変わるかもしれないじゃないですか」
まあ確かに。
今年の2年はイレギュラーが多いらしいし、なくは無い。
「いつまでも柴先輩に頼るのは、今後の上野先輩の為にもならないかと」
「う……そう、だな。」
今度は俺にダメージが入った。
若干甘やかしていた節があるから……!!
「ままままま。そこを考えるのは追々にして、取り敢えず俺も上野も丸君も、来週の中間試験頑張ろうな」
「はい!勿論です!柴先輩に恥じぬ様頑張ります!」
「がんばる〜」
周りも暗くなってきたし、上野が迎えにもきたから丁度解散に良い。
「じゃあ俺らはこれで。俺は今週からまた図書館行くと思うけど、丸君は…」
と言ってから、出会い頭に丸君が何か言ってたなと思い至る。
なんつってたっけ。
えっと……"会いに来てくれた"…?
「俺は図書委員になったので図書室にはよく居ると思いますし、普段もよく来るので。」
「へえ〜」だからか。
今年も剣道部なのに、結構大変な図書委員もするって凄いな。
「柴先輩とまた勉強会できるの楽しみにしてます!」
「うん。俺も」
といっても、お互いただの自習になると思うが。
まだ図書館に用事があるらしい丸君と入り口前で、それじゃあまた。と分かれた。
「わんわん会復活だね!」
「お前は勉強会強制参加な」
うぅーーーッッ。と唸る上野。犬か。
去年そんな呼ばれ方してたけど、確かにお前もわんわん会にぴったりだな。
今週は何度か放課後に図書館で勉強会を開いた。上野は当然として、小森は2、3回程、遠坂は勉強は1人が集中できるらしく不参加。
クラスで赤点取りそうと泣き付いてきた何人かも参加することに。去年勉強会で仲良くなった、地味ーズ仲間で2年主席の宗(ソウ)が今回も参加することになったことを知ってたからかもしれない。
丸君が、こそっと俺と宗に「こんな人らに教えて…勉強の邪魔じゃないんですか?」と聞いてきたが、宗は「僕自身、復習にもなるから大丈夫だよ」と言った。心優しき優等生。
俺は毎日ある程度復習してるから特に支障もでないし、満点目指してるわけでもねえからそこまで必死でもない。問題無し。
そして。
いよいよ来週の水曜から試験がはじまる。
あまり参加できてなかった人らの頭に、土日を使いみっちり詰め込んでやった。勉強会に来るだけ偉いんだから、やれることはやってやらないとな。
「英語の文法マジでわからん…!!!」
「わかんねぇなら丸暗記しとけ」
「ここどうやっておぼえんの…?!」
「先生から語呂合わせ教えてもらってたでしょ?ほら、ここ書いてるから」
「世界史同じような名前多くね???横文字わっかんねぇよ〜〜」