中間テストですよ

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昼過ぎに起きてから今朝の惶へのダル絡みを思い出して憤死。

謝り倒したが、あれに興味を持ってくれていたらしく、昼食った後一緒に見るという俺専用の拷問を行った。惶は悪くないんだけどな??悪くないんだけどな…。

アニメを見てる間、声とキャラのギャップに目を見開いたり、ストーリーの奇怪さに頭を捻る惶は見ていて面白かった。
惶も、訳わかんねェけど面白かった。と言ってくれたし、結果的に楽しんでくれて良かった。
本当に良かった。


その後、俺は姉ちゃんに円盤や漫画を返す為にコンビニに行ったりと好き好きに過ごした。

日曜は、朝飯を摂った後、何すっかな〜。と考えていると、惶の手元のゲーム画面が目に入った。

それは…!!まさか…!!!

部屋に行き、リビングに戻った俺の手元を見た惶。頷いた。ありがとう。


一狩りしようぜ!!!!!


ということで、日曜はモンスターをハントしまくって夜を迎えた。
ちなみに俺は動きやすさ重視で双剣。
惶は大剣だった。ぽさある。


結構楽しかった休みを過ごして憂鬱な月曜日、慣れてしまった惶の送り出しを受けて登校した。



下駄箱で遠坂と小森と合流して、教室でいつも通りに話していると、朝練を終えた上野も席に着いて挨拶を交わした。
「おはよーっす」
「おはよ〜」
「おはよう上野くん!!」
「おはよ〜!」

爽やかな朝だったが、朝礼兼HRで教室に衝撃が走った。
主に上野。

何故なら、

「お前ら、再来週から中間テストだぞー。各自これから提出物の確認とかちゃんとしとけよー。俺が怒られる」

テスト期間が始まるから。
担任の最後のひと言はだいぶ余計だが、来週か、早い先生だと今週末あたりから提出物を集め出す。

今学期学習係になったから少し面倒に思う。
去年からクラスが一緒で、提出物出さず怒られていた人らは大方覚えてるから意識しておくか。


休憩時間になり、もう頭を抱え出した上野。
範囲すら発表されてないし始まってもないのに絶望が早い。

「柴!!どうしよう!!」
「勉強しろ」
「遠坂くん!!!」
「頑張ろうね〜」
「小森くん!!!!」
「僕がついてるから頑張ろうね!」
「うあ〜〜〜〜!!!」
「なんで?!?!!」
わろた。それはお前失礼だろ。
小森がどれくらいできんのか知らねえけど。


「てか聞いてたろ、試験あるから来週から休みとか部活で」
「聞こえてなかった……」
聞いとけよ。


絶賛絶望中の上野だが、一方俺はというと、テストは楽しくて結構好きだ。ちゃんと勉強した分はっきり結果が出るしな。
範囲が広いと大変だけど、普通に授業を聞いてたら要点は別に言ってくれてる。ノートをちゃんと取ってたらそこまで大変でもない。

授業中に寝たりしてなかったら、な。




今週はそれぞれの教科の範囲や提出物の話がほとんどで、比較的真面目なやつが多いこのクラスは週末になるにつれて授業への取り組み方が変わっていくのがよく分かった。


体育での実技試験は、サッカーのリフティングで正直ボロボロだった。なんであんな経験者高待遇な試験許されんだよ。バレーやれバレー。
上野と遠坂が高得点取るのを小森と俺はギリィってしてた。小森は走るのと体力があるらしく、実技試験はこれからずっとシャトルランが良いっつってた。
それは嫌だ。


体育を除き、試験前は自習も多いし授業が終わるのを早く感じる。


あっという間に、来週から試験期間だ。


試験前の授業では、先生によって違うが試験内容の復習や、優しい先生は提出物のプリントの再配布などしてくれる。上野は去年同様全部プリント貰いにいってて先生もやっぱりか。って顔だった。わろた。
そんなほいほいどこにやるんだよ。山羊に食わせてんの?
学校にいねぇけど。


中間試験まで残りあと少し、ということもあり、休み時間にはチラホラと勉強を教え合う人も見かけるようになった。
それを横目に上野のノートに再度目を移すと、綺麗〜な白。

「…お前先週何やってたんだよ」
「うっうっ…溜めてたプリント……」
貯めんな。
遠坂の方を見ると、余裕そうに本を読んでいた。
「遠坂は何読んでんの?」
「ん?世界の微生物の分布と特徴って本だよ〜。柴君も読む?」
「い、いや、大丈夫、遠慮しとく」
「そう?面白いのに」
こいつ余裕すぎる…!!

上野は上野で、今の会話から何をキャッチしたのか、「おれは微生物…」とかウジウジ言い出した。いいから早く俺のノート写せ。

今日が提出期限の化学のノートだからお前が終わらないと俺も死ぬ。
最悪の道連れだ。


放課後すぐにやっと写し終わった上野。
今日集めたノートは上野で最後だから持っていこうとすると、悪いと思ったのか、「俺も行く!」と言い出したので皆のノートが入った紙袋を持たせて持って行くことにした。


荷物持ちは上野で充分だから、遠坂とは教室で挨拶を交わして2人で教員のいる教室に向かった。




「また明日〜」
「いつでもこの本貸すから言ってね柴くん。バイバイ〜」
「ばいば、…んな読ませたいほど面白い何かがそれにあんの…………?」
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