こばなし

「一方木雨」



体育祭も無事に終えて、バズが生徒会室に来んくなって暫く経った。

そんな俺。

めっちゃつまらん。
ほんまつまらん。
つまんな過ぎてハゲそう。
いやハゲへんけど。
なんならハゲる理由はつまらへんことちゃうし。

現在、高校の生徒会室。
の筈が、幼稚園みたいに騒がしい音が耳にずっと響いていた。

原因は至ってシンプル。
幼稚園児より声量があり、同級生で毛量がえげつない、漫画みたいな眼鏡かけた神庭がおるから。
そんで、会長とかがそれに構うから相乗効果。

チラッと正面に座っているゆきっぺを二度見した。
涼しい顔をしている。
昨日までイグアスの滝みたいな高度の眉間の皺あったやん。
なんでそんな普通やねん。

信じられない気持ちで見ていると、髪を耳に掛けたその姿に違和感を覚えた。

ん?
んん?

あ!!!
こいつ耳栓しとる!!!

耳の穴に昨日まで無かった黒い物が収まっていた。
やから今日なんか反応悪かったんか〜なるほどな〜。
いや会話する時くらい外してや。

でもそのアイデア、もろたで!

うんうんと頷いている俺を見たゆきっぺ。
不審そうに眉を顰めるのに親指を立てた。
オマケにウインクも付けて。

ゆきっぺは、引いた冷たい目になった。

なんでなん。

これでも地元ではキャーキャー言われててんで。
ほんま。

いうてゆきっぺが俺にキャーキャー言ったらおもろ…おも…………怖いな。




「なあ宗ちゃんも酷いと思わん?」
「あ、駄目だよ神庭君……え?う、うん」
「ちょっと。今悪口言った?」
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