期末試験 前章-種蒔き-

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おっぱい貸すってなんだよ!!!!!
俺のは取り外し可能式じゃねぇんだよ!!!!!!!

悲痛な声無き叫びを上げる俺を塩島委員長がチラッと見た。

「まぁ、貸せ貸せ。柴さん、大丈夫ですよ。男の胸の1つや2つ」
「貸せるか!!!っ、てんですよ!!!」

慌てて敬語に直したが、本当は取り繕う余裕は皆無だ。
あと人間の胸は2つまでしかないだろうがよ。

つまり…人間認知されてない……ってコト…!?

「…おい。ブラックリスト入りしてる奴の条件をンな気軽に聞いていいのかよ」
塩島委員長に見捨てられ、絶望する俺を見兼ねた惶が援護してくれた。
もう大好き。
抱いてくれ。

「まあ……それもそうか。他にないんですか」

再度ピアスマンの腕を捻り上げた塩島委員長の行動に悲鳴が上がる。

「イテテ!わかったわかったって!
待って……。
えーっと、じゃあ

つり目くんに"オレのおっぱいそんなに好きならもっと吸っていいよ"って言って欲しい!
あと録音して!」

死んだ目になった。
お前、もう船から降りろ。
全裸で宇宙に投げ出されろ。

「あの、頭痛がしてきたので俺もう帰っていいですか」
「そんくらいならいいじゃん〜!あん時の最後にオレらに言ったのと変わんないじゃん!」
「…お前……。」
「柴さん………。」

お前そんなこと言ったの?みたいな2人の視線。

いやいやいやいや違う違う違うそんなこと言うわけ!!!
「ちが、確か、俺があの時言ったのは、"そんなに俺のおっぱいが美味しかったか?"的なニュアンスで…!!

……はっ」

満足そうなピアスマンの顔に騙されたことを知る。
こいつ…誘導しやがったのか…?
呪う。
寮に帰ったら藁人形と釘ポチる。
覚悟しろ。

「あなたの……その、柴さんの胸に対する情熱はなんなんでしょうね……。」
本当に。
なんでおっぱい如きにこんな羞恥を感じないといけねえの………?

出してきた条件は話の内容によって要検討、ということになり(なんでまだ検討するフェーズがあるのか俺はまだ全然納得できていないが)、この後忙しい塩島委員長が、後日改めてピアスマンカスに理由をつけて連行することでこの場での話は付いた。

ここまで俺の羞恥をショベルカーで掘りまくった割にゴミみてえな情報しか持って無かったら、もう俺がZクラスの藤土って人にアイツ売るわ。
漫画とかでお馴染みの陳腐な三下になってもいい。
あいつこんな奴なんすよ〜〜ゴマすりすりすりすりする。




「しーばちゃん、そこの風紀のイヌにおっぱいさわらせんなよー」
「いいから見られてない内に早く消えてください」
「なんならそのまま塵となって消えとけ」
「……。(駄目だ。柚木にかける言葉が浮かばねェ)」
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