新入生歓迎会するんだってよ
ついに新入生歓迎会開催!!
土日。
金曜の夜から特に何も言わず惶が寮から姿を消した以外は何事も無く、溜まっていたアニメやラノベを消化して最高に充実した2日間を挟み、
お迎えしました月曜日!!!
今日は食堂券の為にやる気に満ち満ちてるぜ。こちとら前髪の女神が付いてる。惶との習慣のお陰で朝食もしっかり取ってしまったし、天気も良好。
言うこと無し。
夜中まで"わたてん"を2周してた故の寝不足気味、以外は。
でも幸せなのでオッケーです!
何故か未だ帰らない惶を少し気掛かりになりながらも、寮の前で集合の約束をしていた上野、遠坂と合流。
周りにもちらほら様々な格好で各体育館に向かっていくのが見えた。
格好はラフで運動に向くもの、つまり私服でOKという最高な服装指定だから俺は寝巻きのTシャツの上からパーカーを羽織って黒のジーパンで終わり。
遠坂は黒の大きめのスウェットに黒のスキニー。
帽子を被れば完璧な不審者。
上野は大きめな白いTシャツに薄茶色の膝下までのショートパンツ。
はいはいイケメンシャレ乙乙。
見渡すとチワワ達はこぞって目立つような格好やお洒落に全力なのがわかるが、逆に一年生だけは泥棒側と分かりやすいように体操服縛りだから、髪型やピン留め、腕輪などのアクセサリーで少しでもお洒落しようとしているところが健気だ。
周りの服装についての雑談を交わしつつウッキウキで警察と大きく入り口に貼られた体育館へ入った。
去年同様、中に入ってすぐ前に受付が。風紀が駆り出され、ここで全員出席してるか確認する。生徒会の遊びに付き合わされている風紀が哀れ也。校舎全体を使ったこのイベントに便乗して色々問題が起こりやすいだろうし、カメラがどんなに仕掛けてあっても総出で校内全てを見回りしなきゃならないとか…まじで今日休み無いんだろうな……ブラックだ……。
見渡すと、もう既に中には7割いて、学年、クラス順に分かれて固まっていた。
お。
小森も既にクラスのチワワと一緒みたいだ。
何故か周りのチワワの楽しそうな表情とはアンバランスな浮かない表情を浮かべる小森を不思議に思ったが、どうせ生徒会長様を捕まえられるかとかどうか不安に思ってる程度だろうな、と生暖かい視線を送るのに留めた。
小森と視線が合うことは無かったが。
丁度いいくらいに着いたねと話しながら受付をしていると、何か問題があったようで止められた。
何、こわい。
2年と3年が少し話し合った後、申し訳なさそうに声をかけられた。
「ごめんねー、そのー…1人だけ来る体育館違うみたいなので、急ぎ泥棒の体育館へ願いします!」
そう言って促されたのは、
遠坂。
「「えっ」」
「僕……?」
なん…だと……?3人で顔を見合わせ、遠坂は風紀に話しかけた。
「あの、どうしてでしょうか?」
「特例とかで、今年編入した2年の2名は1年と同じ扱いになるらしいんです」
冊子には記載漏れだったと申し訳なさそうに3年の風紀委員に告げられた。
まじか。
「まじか〜………」
「萎えるねー…」
戸惑う遠坂を風紀は先導して別れることになり、俺達はバングルと手錠と、警察であることを示すバッジを受け取った後クラスメイトが集まっているあたりに座った。
遠坂がいないのはなぁ…今年もサボるしかないなこれ。
あの教室で遠坂を取り合って目立ってしまったあの愚行はまさしく愚かでしかなかったのか。畜生。
上野に土日に消化した漫画やアニメの話を話し、もとい軽く布教していると開始時間が来たようで体育館にノイズの混じった放送が響いた。
「ゴホンッ え〜皆さんおはようございます!私は本日行う新入生歓迎会、また、"警察と泥棒〜誰かアタシを捕まえて離さないで〜"の進行、実況を担当致します。放送部3年ヒラニシです!どうぞよろしくお願いいたします〜!」
生徒会を出せというブーイングに微かな苦笑いを乗せた声からして、こちらの体育館での放送室にいるようだった。
可哀想な役回りヒラニシさん…同情するぜ…。
「はいはいはい!すみませんね、えー生徒会の方々ですが、残念ながら既にイベントを盛り上げることに専念していらっしゃるようなので、出演は ございません!」
チワワ&ゴリラ オアー↓
「で す が 、皆さんを鼓舞させられる生徒会からの音源を朝、事前に録らせていただいております!!」
チワワ&ゴリラ ウオォォォアアアキャャァァァァア↑↑↑↑↑↑88888888888888888
パチパチすな。
お聴きくださいとの促しの後流れた音源からは、不遜な生徒会長様の挨拶と、書記より校舎に様々な罠を仕掛けた事への注意とルールと規則の厳守、そして最後に各役員からの一言応援ボイス
会長「俺を捕まえてみるがいい、出来たら褒めてやろう」
副会長「フフッ待ってるよ」
書記「怪我には気をつけてね」
会計「ゥウン…グゥ…」
簿記「はよ捕まえてな、ほんまに」
が流れた。
後半につれてやる気が無い役員達。そして会計は寝てる。いいのか。いいんだろうな。観客が喜んでるから。
ぐう有能な放送部。
だが。
聞き逃せない引っ掛かりを覚え隣の上野を見やった。
綺麗な体育座りで、すやすやぴっぴ。
熟練の慣れを感じる。
使えねぇなこいつ………。
上野をジト目で一瞥し1人で頭を巡らせることにした。
初めの方にサラッと話していたけど……校内に様々な罠?
どんな罠があるとか何一つ分かんね…詰み。
もっと冊子しっかり読めばよかったしなんなら持って来るべきだったし、遠坂カムバックアゲイーン!!!!!
「あ、携帯があったわ」
「すやすやぴっぴ」
土日。
金曜の夜から特に何も言わず惶が寮から姿を消した以外は何事も無く、溜まっていたアニメやラノベを消化して最高に充実した2日間を挟み、
お迎えしました月曜日!!!
今日は食堂券の為にやる気に満ち満ちてるぜ。こちとら前髪の女神が付いてる。惶との習慣のお陰で朝食もしっかり取ってしまったし、天気も良好。
言うこと無し。
夜中まで"わたてん"を2周してた故の寝不足気味、以外は。
でも幸せなのでオッケーです!
何故か未だ帰らない惶を少し気掛かりになりながらも、寮の前で集合の約束をしていた上野、遠坂と合流。
周りにもちらほら様々な格好で各体育館に向かっていくのが見えた。
格好はラフで運動に向くもの、つまり私服でOKという最高な服装指定だから俺は寝巻きのTシャツの上からパーカーを羽織って黒のジーパンで終わり。
遠坂は黒の大きめのスウェットに黒のスキニー。
帽子を被れば完璧な不審者。
上野は大きめな白いTシャツに薄茶色の膝下までのショートパンツ。
はいはいイケメンシャレ乙乙。
見渡すとチワワ達はこぞって目立つような格好やお洒落に全力なのがわかるが、逆に一年生だけは泥棒側と分かりやすいように体操服縛りだから、髪型やピン留め、腕輪などのアクセサリーで少しでもお洒落しようとしているところが健気だ。
周りの服装についての雑談を交わしつつウッキウキで警察と大きく入り口に貼られた体育館へ入った。
去年同様、中に入ってすぐ前に受付が。風紀が駆り出され、ここで全員出席してるか確認する。生徒会の遊びに付き合わされている風紀が哀れ也。校舎全体を使ったこのイベントに便乗して色々問題が起こりやすいだろうし、カメラがどんなに仕掛けてあっても総出で校内全てを見回りしなきゃならないとか…まじで今日休み無いんだろうな……ブラックだ……。
見渡すと、もう既に中には7割いて、学年、クラス順に分かれて固まっていた。
お。
小森も既にクラスのチワワと一緒みたいだ。
何故か周りのチワワの楽しそうな表情とはアンバランスな浮かない表情を浮かべる小森を不思議に思ったが、どうせ生徒会長様を捕まえられるかとかどうか不安に思ってる程度だろうな、と生暖かい視線を送るのに留めた。
小森と視線が合うことは無かったが。
丁度いいくらいに着いたねと話しながら受付をしていると、何か問題があったようで止められた。
何、こわい。
2年と3年が少し話し合った後、申し訳なさそうに声をかけられた。
「ごめんねー、そのー…1人だけ来る体育館違うみたいなので、急ぎ泥棒の体育館へ願いします!」
そう言って促されたのは、
遠坂。
「「えっ」」
「僕……?」
なん…だと……?3人で顔を見合わせ、遠坂は風紀に話しかけた。
「あの、どうしてでしょうか?」
「特例とかで、今年編入した2年の2名は1年と同じ扱いになるらしいんです」
冊子には記載漏れだったと申し訳なさそうに3年の風紀委員に告げられた。
まじか。
「まじか〜………」
「萎えるねー…」
戸惑う遠坂を風紀は先導して別れることになり、俺達はバングルと手錠と、警察であることを示すバッジを受け取った後クラスメイトが集まっているあたりに座った。
遠坂がいないのはなぁ…今年もサボるしかないなこれ。
あの教室で遠坂を取り合って目立ってしまったあの愚行はまさしく愚かでしかなかったのか。畜生。
上野に土日に消化した漫画やアニメの話を話し、もとい軽く布教していると開始時間が来たようで体育館にノイズの混じった放送が響いた。
「ゴホンッ え〜皆さんおはようございます!私は本日行う新入生歓迎会、また、"警察と泥棒〜誰かアタシを捕まえて離さないで〜"の進行、実況を担当致します。放送部3年ヒラニシです!どうぞよろしくお願いいたします〜!」
生徒会を出せというブーイングに微かな苦笑いを乗せた声からして、こちらの体育館での放送室にいるようだった。
可哀想な役回りヒラニシさん…同情するぜ…。
「はいはいはい!すみませんね、えー生徒会の方々ですが、残念ながら既にイベントを盛り上げることに専念していらっしゃるようなので、出演は ございません!」
チワワ&ゴリラ オアー↓
「で す が 、皆さんを鼓舞させられる生徒会からの音源を朝、事前に録らせていただいております!!」
チワワ&ゴリラ ウオォォォアアアキャャァァァァア↑↑↑↑↑↑88888888888888888
パチパチすな。
お聴きくださいとの促しの後流れた音源からは、不遜な生徒会長様の挨拶と、書記より校舎に様々な罠を仕掛けた事への注意とルールと規則の厳守、そして最後に各役員からの一言応援ボイス
会長「俺を捕まえてみるがいい、出来たら褒めてやろう」
副会長「フフッ待ってるよ」
書記「怪我には気をつけてね」
会計「ゥウン…グゥ…」
簿記「はよ捕まえてな、ほんまに」
が流れた。
後半につれてやる気が無い役員達。そして会計は寝てる。いいのか。いいんだろうな。観客が喜んでるから。
ぐう有能な放送部。
だが。
聞き逃せない引っ掛かりを覚え隣の上野を見やった。
綺麗な体育座りで、すやすやぴっぴ。
熟練の慣れを感じる。
使えねぇなこいつ………。
上野をジト目で一瞥し1人で頭を巡らせることにした。
初めの方にサラッと話していたけど……校内に様々な罠?
どんな罠があるとか何一つ分かんね…詰み。
もっと冊子しっかり読めばよかったしなんなら持って来るべきだったし、遠坂カムバックアゲイーン!!!!!
「あ、携帯があったわ」
「すやすやぴっぴ」