期末試験 前章-種蒔き-
2
今度は念入りに、端の本棚からラノベのある所まで見ていくことにした。
足を止めず通り過ぎていく本棚。
それでも見かけたのは大人しそうな男子1人くらいだった。
居ねえのかな〜…。
途中、次の本棚までの、いつも勉強会で使っている少し広い場所で視線を留めた。
スキンヘッドでピアスをした、見るからにヤンキーが日の当たる席に座っていた。
机上に開いた本を眉を寄せて睨むように見ていた。
不機嫌にも映るそれは、俺には真剣な表情に思えた。
俺の足音に気付いたのか、顔をあげようとしたからすぐに目を離す。
か、絡まれる?絡まれるか??
何も気にしてない風を装って通り過ぎたが、内心汗だくだった。
無害だと理解してくれたのか、声を掛けられることは無く、次の本棚の影で見えなくなった所でホッと一息付いた。
ラノベコーナーに入り、作家名の順に進んで目当ての本を探しながら、一瞬だけ目にした先程の珍しい人物を思い浮かべる。
厳ついけど…………イケメンだったな。
欧米系のハーフのように彫りが深く、筋肉質な肌は日に焼けて、まさに男が憧れる漢!みたいな。
漫画のような硬派なヤンキー。
それと、紙が光を受けてよく見えなかったけど見ていたのは美術本だと思う。
1ページ丸々カラフルな色が見えたから。
ギャップ。
いやぁ…………。
いいよな……ああいうの…普通にかっこいい…。
惶もかっこいいヤンキーだけどさ、こう、見るからに強そうなあの感じ。
俺好き。
おっと。
ふわふわしてる間に目当ての作家の本がある列に入っていた。
間違いがないように指差しながら順に上から見ていく。
えーーと。
おっ、あった!
内心うっきうきでぎゅうぎゅうに押し込まれた本棚から新刊を取り出す。
よし。
取り敢えず、目的の一つは果たせたな。
図書委員に話し掛けずに済んだことに安堵しつつ、もう一つの目的の為に人気の無い奥に進んで行った。
まあ今思えばそれが間違いだったんすけどね。
窓が少なく薄暗い奥の方まで進み、突き当たりの壁まで行った。
が、まあ予想してた通り丸君おろか誰も居なかった。
わざわざ言わなくてもなーーとラインしなかったが、丸君今日は当番じゃなくて部活かもしれんな、これは。
橋の壁に背を預け、携帯で時間を確認する。
教室を出た時からそこそこ時間が経っていた。
ま。
目当ての新刊ゲトったし、帰って早速読むか。
携帯をポケットに仕舞い、腹に力を入れて壁に預けていた背を戻した時。
何かが焦げたような匂いがした。
「………なんだ…?」
どこかで嗅いだような匂いと、焦げた僅かな匂いを辿り、庭園に出る為の奥の扉に向かった。
当たりだ。
眉を寄せてしまうくらいにはっきり分かるこの匂い。
扉の真ん前で立ち止まる。
複数の声と漂うこの鼻につく嫌な匂いは、煙草だ。
これくらい、わざわざ首を突っ込むことじゃない。
それこそ、前の二の舞いになるのはごめんだ。
ただ、俺が気になったのは焦げた匂いだった。
ヤンキー=ヲタクを嫌悪
このイメージのある俺は、もしかしたらラノベや漫画を燃やされている可能性を考え、この場からすぐに動けずに居た。
ラノベの表紙をじっと睨んで主人公と思わしき人物に脳内で語りかけた。
……お前はどう思う…!
お前ならどうする……!!
ガチャ。
「アチー……あ"?」
「あ」
「(あ〜〜〜〜〜〜〜〜!(頭を抱える猫のミーム))」
今度は念入りに、端の本棚からラノベのある所まで見ていくことにした。
足を止めず通り過ぎていく本棚。
それでも見かけたのは大人しそうな男子1人くらいだった。
居ねえのかな〜…。
途中、次の本棚までの、いつも勉強会で使っている少し広い場所で視線を留めた。
スキンヘッドでピアスをした、見るからにヤンキーが日の当たる席に座っていた。
机上に開いた本を眉を寄せて睨むように見ていた。
不機嫌にも映るそれは、俺には真剣な表情に思えた。
俺の足音に気付いたのか、顔をあげようとしたからすぐに目を離す。
か、絡まれる?絡まれるか??
何も気にしてない風を装って通り過ぎたが、内心汗だくだった。
無害だと理解してくれたのか、声を掛けられることは無く、次の本棚の影で見えなくなった所でホッと一息付いた。
ラノベコーナーに入り、作家名の順に進んで目当ての本を探しながら、一瞬だけ目にした先程の珍しい人物を思い浮かべる。
厳ついけど…………イケメンだったな。
欧米系のハーフのように彫りが深く、筋肉質な肌は日に焼けて、まさに男が憧れる漢!みたいな。
漫画のような硬派なヤンキー。
それと、紙が光を受けてよく見えなかったけど見ていたのは美術本だと思う。
1ページ丸々カラフルな色が見えたから。
ギャップ。
いやぁ…………。
いいよな……ああいうの…普通にかっこいい…。
惶もかっこいいヤンキーだけどさ、こう、見るからに強そうなあの感じ。
俺好き。
おっと。
ふわふわしてる間に目当ての作家の本がある列に入っていた。
間違いがないように指差しながら順に上から見ていく。
えーーと。
おっ、あった!
内心うっきうきでぎゅうぎゅうに押し込まれた本棚から新刊を取り出す。
よし。
取り敢えず、目的の一つは果たせたな。
図書委員に話し掛けずに済んだことに安堵しつつ、もう一つの目的の為に人気の無い奥に進んで行った。
まあ今思えばそれが間違いだったんすけどね。
窓が少なく薄暗い奥の方まで進み、突き当たりの壁まで行った。
が、まあ予想してた通り丸君おろか誰も居なかった。
わざわざ言わなくてもなーーとラインしなかったが、丸君今日は当番じゃなくて部活かもしれんな、これは。
橋の壁に背を預け、携帯で時間を確認する。
教室を出た時からそこそこ時間が経っていた。
ま。
目当ての新刊ゲトったし、帰って早速読むか。
携帯をポケットに仕舞い、腹に力を入れて壁に預けていた背を戻した時。
何かが焦げたような匂いがした。
「………なんだ…?」
どこかで嗅いだような匂いと、焦げた僅かな匂いを辿り、庭園に出る為の奥の扉に向かった。
当たりだ。
眉を寄せてしまうくらいにはっきり分かるこの匂い。
扉の真ん前で立ち止まる。
複数の声と漂うこの鼻につく嫌な匂いは、煙草だ。
これくらい、わざわざ首を突っ込むことじゃない。
それこそ、前の二の舞いになるのはごめんだ。
ただ、俺が気になったのは焦げた匂いだった。
ヤンキー=ヲタクを嫌悪
このイメージのある俺は、もしかしたらラノベや漫画を燃やされている可能性を考え、この場からすぐに動けずに居た。
ラノベの表紙をじっと睨んで主人公と思わしき人物に脳内で語りかけた。
……お前はどう思う…!
お前ならどうする……!!
ガチャ。
「アチー……あ"?」
「あ」
「(あ〜〜〜〜〜〜〜〜!(頭を抱える猫のミーム))」