期末試験 前章-種蒔き-

大所帯の予感




食堂からの帰り道、遠坂の言葉を皮切りに再び試験の話になった。

「そういえば、また勉強会するの?」

隣を歩く遠坂は首を傾げ、長い前髪からうっすら見える片目は俺を覗き見ていた。
勉強会の単語にビクッと肩を揺らした背の高い奴が居たが言及するのをやめ、視線を斜め上に向けた。

んー…。
やるとしてもまだ先…だけども。

「んーーー、多分やる。と、思う。けど、宗次第だな」
俺1人では流石に役不足だし。
「そっか〜、じゃあ決まったら僕も参加してみようかなぁ。いい?」
「マジ?勿論」

授業で当てられた時に間違えたの見たこと無いし、教えること無さそうだけど。
なんなら教える側に回ってくれそうで助かる予感。

「…ふーん。じゃあ僕もテスト週間は空けとこうかな…。」

携帯を見ながら呟く小人。
お。寂しいのか?寂しいのか???
口には出してません。
ビビってないです。
いやほんと、全然。

にしても勉強会か。
あの巻き込まれ騒動からもう次の勉強会が始まんのか〜早え〜。
そうだ。
体育祭で見た以来だし、丸君に顔見せに図書館行くか。
会わなかったら会わなかったらで、新刊入荷したって丸君この間教えてくれたし。
放課後の予定が決まった俺は、チラチラ窺ってくる上野にちょっかいをかけることにした。




「勉強会なくてもお前は個別鬼指導だからな。主に小森が」
「何勝手に…!やるけど!優しくだから!」
「やるのぉ…?」
「良かったねぇ〜」
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