土器土器体育祭
1日の終わり
3人(小森は身長が足りなくて戦力にならなかったから実質2人。)で上野を同室の奴に押し付け、2人と別れた。
寮部屋の扉を開け、ただいま、と本日2度目の言葉を玄関で口にした。
端に揃えて置いてあるサイズの大きい靴を見ながら靴を脱ぎ、手を洗おうと洗面台に向かった。
手を洗った後に洗濯機を覗くと入れていた体操着が無かった。
惶に礼言わないとな。
廊下を引き返し、リビングの扉を押して中に足を踏み入れると、明かりがついているのに惶の姿が無い。
部屋か?
そう思いつつ、そのまま中に入ると、ソファーから足が飛び出しているのが見えた。
進行方向をソファーに変えて進む。
背もたれから覗き込むと、惶はいつもの部屋着でソファーに寝そべり、switchを起動したままの状態で腹に乗せ目を瞑っていた。
足が見えた時に予想した通り、寝ていた惶の手元にあるswitchを抜き取り、念の為にセーブだけして電源をスリープに変えた。
そのままテーブルに置き、ソファーの背に掛けてあるブランケットを広げて起こさないようにゆっくりと惶にかけた。
空調の効いたリビングでこのまま寝続けると流石に風邪ひきそうだ。
ワンチャン飛び起きるか?と思っていたが、今日の疲れからか意外にも熟睡したままの惶の初めて見る寝顔を観察することにした。
横を向いた堀の深い顔は風呂上がりのセットしていないサラサラとした髪で見え隠れし、照明の光で影を作って、顎のラインが顔の形の良さを証明するかのように映った。
イケメンは寝顔もイケメンなんだとしみじみと実感。
さっきまで引きずってたでけえのの顔を見る余裕は無かったが、あいつの綺麗な寝顔なら教室で毎日見ている。
ついでにそれを飽きもせず毎日写真に収める小森も。
滅多に無い機会だと見ていたが、客観的に自分の姿を鑑みて惶から目を逸らした。
このタイミングで惶が目を覚ましたら、流石に引かれそうだ。
寝起きの視界に同室者が映るとか恐怖でしかねえだろ。
惶を見ているうちに眠たくなってきた体に鞭を打ち、風呂に行くことにした。
着替えを取ってきて風呂に入る。
いつもなら風呂に入ると目が覚めるが、眠たさから瞼は重いままだった。
シャワーだけで風呂を済ませてすぐに上がる。洗面台で歯磨きもついでに済ませて、一応、と風呂に入る時に電気を消していたリビングに顔を覗かせた。
ソファーから見える足はそのままで、よっぽど疲れてたことが分かった。
ドアノブを下げたまま、静かに扉を閉め、ドアノブから手を離す。
静かな空間で眠気の限界だった俺は、自室に入ってすぐにベッドに倒れ込む。
途切れ途切れになる思考の中、今日の出来事を振り返る。
これだけ忙しくなるとは昨日は思いもしなかった。
親衛隊長の顔。
チアボーイズの発表。
相撲部。
加賀屋先輩。
南部さんと毛玉。
プール。
マリカー。
焼肉。
頭に流れる映像の1部に違和感を覚えて再生する。
ずぶ濡れになったプール。
息苦しさを感じたまま、反射して揺れる水面の光。
濡れた服から透けた、鮮やかな赤色と紺色の模様。
──柴君大丈夫?
ぼんやりした頭に流れた映像はそこで切れ、
暗くなった視界で意識が途絶えた。
3人(小森は身長が足りなくて戦力にならなかったから実質2人。)で上野を同室の奴に押し付け、2人と別れた。
寮部屋の扉を開け、ただいま、と本日2度目の言葉を玄関で口にした。
端に揃えて置いてあるサイズの大きい靴を見ながら靴を脱ぎ、手を洗おうと洗面台に向かった。
手を洗った後に洗濯機を覗くと入れていた体操着が無かった。
惶に礼言わないとな。
廊下を引き返し、リビングの扉を押して中に足を踏み入れると、明かりがついているのに惶の姿が無い。
部屋か?
そう思いつつ、そのまま中に入ると、ソファーから足が飛び出しているのが見えた。
進行方向をソファーに変えて進む。
背もたれから覗き込むと、惶はいつもの部屋着でソファーに寝そべり、switchを起動したままの状態で腹に乗せ目を瞑っていた。
足が見えた時に予想した通り、寝ていた惶の手元にあるswitchを抜き取り、念の為にセーブだけして電源をスリープに変えた。
そのままテーブルに置き、ソファーの背に掛けてあるブランケットを広げて起こさないようにゆっくりと惶にかけた。
空調の効いたリビングでこのまま寝続けると流石に風邪ひきそうだ。
ワンチャン飛び起きるか?と思っていたが、今日の疲れからか意外にも熟睡したままの惶の初めて見る寝顔を観察することにした。
横を向いた堀の深い顔は風呂上がりのセットしていないサラサラとした髪で見え隠れし、照明の光で影を作って、顎のラインが顔の形の良さを証明するかのように映った。
イケメンは寝顔もイケメンなんだとしみじみと実感。
さっきまで引きずってたでけえのの顔を見る余裕は無かったが、あいつの綺麗な寝顔なら教室で毎日見ている。
ついでにそれを飽きもせず毎日写真に収める小森も。
滅多に無い機会だと見ていたが、客観的に自分の姿を鑑みて惶から目を逸らした。
このタイミングで惶が目を覚ましたら、流石に引かれそうだ。
寝起きの視界に同室者が映るとか恐怖でしかねえだろ。
惶を見ているうちに眠たくなってきた体に鞭を打ち、風呂に行くことにした。
着替えを取ってきて風呂に入る。
いつもなら風呂に入ると目が覚めるが、眠たさから瞼は重いままだった。
シャワーだけで風呂を済ませてすぐに上がる。洗面台で歯磨きもついでに済ませて、一応、と風呂に入る時に電気を消していたリビングに顔を覗かせた。
ソファーから見える足はそのままで、よっぽど疲れてたことが分かった。
ドアノブを下げたまま、静かに扉を閉め、ドアノブから手を離す。
静かな空間で眠気の限界だった俺は、自室に入ってすぐにベッドに倒れ込む。
途切れ途切れになる思考の中、今日の出来事を振り返る。
これだけ忙しくなるとは昨日は思いもしなかった。
親衛隊長の顔。
チアボーイズの発表。
相撲部。
加賀屋先輩。
南部さんと毛玉。
プール。
マリカー。
焼肉。
頭に流れる映像の1部に違和感を覚えて再生する。
ずぶ濡れになったプール。
息苦しさを感じたまま、反射して揺れる水面の光。
濡れた服から透けた、鮮やかな赤色と紺色の模様。
──柴君大丈夫?
ぼんやりした頭に流れた映像はそこで切れ、
暗くなった視界で意識が途絶えた。