土器土器体育祭

点数発表DAY2



全ての競技が終わった。
そして、いよいよ、焼肉を賭けた点数発表の時間に。

1日目と比べてやり切った満足さが校庭に集まる生徒達から感じ取れた。
それから、いつの間に戻ったのか、塩島委員長と夏目副委員長も校庭に集まったのが見えた。
校庭に集まり、声が落ち着いてきたところで放送のマイクが入った。

─『2日間に渡り皆さんの素晴らしい勝負が見られました。本当にお疲れ様でした!また、本日に至るまで準備を進めて下さっていた先生方、生徒会委員会の皆様、体育祭実行委員の皆様。2日目に渡って業務に尽力しながらも競技に出場いただいておりました風紀委員会の皆様に大きな拍手を!』

校庭に大きな拍手と歓声が満ちる。
中には放送部にありがとう、と言う声がちらほら聞こえ、ヒラニシさんが嬉しそうな顔をして頭を深く下げた。

『それではお待たせいたしました。2日に渡って頑張っていただいた結果である、最終点数発表に移らせていただきます!上をご覧ください!』

昨日と同じ位置にある、紙でできた点数表示。
1日目の点数は確か、

赤組 10540
白組 11480

だった。
見ると、昨日から変動のある数値になっていた。

赤組 ■■900
白組 ■■510

単純に考えて、ここから桁は2倍の数値+α になる。
それから、白組が不安そうにしている様子が目立った。
理由は、点数配分の高いリレーで風紀の2人が抜けたことにより、会長が1位を総なめしたからだろう。

点数発表が進む。
『それでは二桁目お願いします!』


赤組 ■9900
白組 ■0510


あと一桁で大きく差が違う結果が見えてクラスメイトが両手を握ったのが目の端に映った。

『泣いても笑ってもこれが最後です!今年勝利を飾ることになるのは、紅組か!白組か!……それでは、最後の1枚、お願いします!!』

1日目より随分と勿体ぶるように、先生が紙に触れるのがゆっくりに感じた。

紅組、白組、と一気に黒い紙が隠していた数字が日に当たる。

見えた数値は、


赤組 29900
白組 30510


だった。

爆発的に歓声が湧き上がり、目の前のクラスメイト達がぶつかるように抱きついた。
ジャージが紙吹雪のように頭上に舞う。

いつの間に近くに来たのか、上野が正面からぶつかって来たのに倒れそうになる。

「勝った!!!!」

ぼんやりしていた脳が、上野の歓喜の声でようやく実感した。

「…勝った…な」

高揚し、満面の笑みを浮かべる上野を見上げて笑い返した。



「焼肉だー!!!!!」
「だな」
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