土器土器体育祭
カメラ4/6
「ふー…。」
廊下に伸びる5人の馬鹿を見て髪をかき上げた。
雑魚に10分程かかってしまった。
腕が鈍ってきたか?
少し苦く思う。
…準備運動程度にはなったか。
馬鹿を踏み付けてそのまま廊下を進む。
カメラの設置場所は廊下の中央辺りだ。
近付くより早くカメラの様子に気付いた。
速度を緩めてヒビの入ったカメラの前を通り過ぎながら体操着の襟を口元に引き寄せた。
「旧校舎3階。壊されてる。神庭も南部も居ねェ。5階に向かう」
時間が無ェ。
襟から手を離して速度を上げる。
『惶も大丈夫そうで良かった、5階も気を付けて』
階段を駆け上がっていると柚木の声が聞こえ、少し安心する。
馬鹿を殴っている最中に音が聞こえたが、周りに集中していたため内容や誰が話していたのか分かっていなかった。
"も"ってことは、柚木のところは誰も居なかったらしい。
いや、加賀屋のことか?
聞こうかと襟に手を伸ばすと同時に声が続いた。
『りょーかい!引き続きよろしくどーぞオオワシくん!』
その声は、聞き覚えが無い。
思わず足を止める。
柚木も知らないらしく、戸惑った声が聞こえる。
途中で止めていた手で襟を掴む。
「誰だテメェ」
『ん?僕?あ、そっか、はじめましてだっけ。僕は写真部の蜜口四葉(ミツグチ ヨツバ)だよ。よろしくね〜』
写真部。アイツの仲間?
『えっと…その、蜜口さんは』
『4人いてややこしいから四葉でいーよ』
4人いる?疑問が増えて眉をしかめる。
『…四葉さんはなんでこの通信に?加賀屋先輩は通信に出れないってことですか?』
正体だけは判明したため、ひとまず5階に向かいながら聞くことにした俺はまた階段を登り始めた。
『ぶちょーはゴング鳴らしてふぁいてぃんしてるから今は手が離せなくて』
『ふぁい…大丈夫なんですか?』
『フフン。僕らのぶちょーを舐めないでよ?ちぎってはなげだよ!』
『ちぎってはなげ…』
呟く柚木に同じ様に心の中で呟いた。
『ぶちょーが居るカメラの映像が戻ったから見てるんだけど、この様子だともーそろそろ終わっちゃうね。あっ、いけ!そこだ!』
観戦してるらしい。
こいつ良い趣味してんな。
『そうそう。ぶちょーから伝言で、オオワシくんは3階に問題なかったら5階とまとめて風紀に報告してほしいってさ』
四葉が言い終えた辺りで足を止めた。
階段の壁に書かれた数字は、5。
それを通り過ぎ、目に入った光景を見ながら襟を口元に寄せる。
「丁度良い。報告してやる」
言葉を区切り、廊下を歩きながらもう一度口を開いた。
「5階も外れだ」
視線は、廊下から見える誰も居ない開けっぱなしの空き教室の天井。
カメラの部分が壊され、配線でぶら下がった無惨な監視カメラの姿があった。
「ふー…。」
廊下に伸びる5人の馬鹿を見て髪をかき上げた。
雑魚に10分程かかってしまった。
腕が鈍ってきたか?
少し苦く思う。
…準備運動程度にはなったか。
馬鹿を踏み付けてそのまま廊下を進む。
カメラの設置場所は廊下の中央辺りだ。
近付くより早くカメラの様子に気付いた。
速度を緩めてヒビの入ったカメラの前を通り過ぎながら体操着の襟を口元に引き寄せた。
「旧校舎3階。壊されてる。神庭も南部も居ねェ。5階に向かう」
時間が無ェ。
襟から手を離して速度を上げる。
『惶も大丈夫そうで良かった、5階も気を付けて』
階段を駆け上がっていると柚木の声が聞こえ、少し安心する。
馬鹿を殴っている最中に音が聞こえたが、周りに集中していたため内容や誰が話していたのか分かっていなかった。
"も"ってことは、柚木のところは誰も居なかったらしい。
いや、加賀屋のことか?
聞こうかと襟に手を伸ばすと同時に声が続いた。
『りょーかい!引き続きよろしくどーぞオオワシくん!』
その声は、聞き覚えが無い。
思わず足を止める。
柚木も知らないらしく、戸惑った声が聞こえる。
途中で止めていた手で襟を掴む。
「誰だテメェ」
『ん?僕?あ、そっか、はじめましてだっけ。僕は写真部の蜜口四葉(ミツグチ ヨツバ)だよ。よろしくね〜』
写真部。アイツの仲間?
『えっと…その、蜜口さんは』
『4人いてややこしいから四葉でいーよ』
4人いる?疑問が増えて眉をしかめる。
『…四葉さんはなんでこの通信に?加賀屋先輩は通信に出れないってことですか?』
正体だけは判明したため、ひとまず5階に向かいながら聞くことにした俺はまた階段を登り始めた。
『ぶちょーはゴング鳴らしてふぁいてぃんしてるから今は手が離せなくて』
『ふぁい…大丈夫なんですか?』
『フフン。僕らのぶちょーを舐めないでよ?ちぎってはなげだよ!』
『ちぎってはなげ…』
呟く柚木に同じ様に心の中で呟いた。
『ぶちょーが居るカメラの映像が戻ったから見てるんだけど、この様子だともーそろそろ終わっちゃうね。あっ、いけ!そこだ!』
観戦してるらしい。
こいつ良い趣味してんな。
『そうそう。ぶちょーから伝言で、オオワシくんは3階に問題なかったら5階とまとめて風紀に報告してほしいってさ』
四葉が言い終えた辺りで足を止めた。
階段の壁に書かれた数字は、5。
それを通り過ぎ、目に入った光景を見ながら襟を口元に寄せる。
「丁度良い。報告してやる」
言葉を区切り、廊下を歩きながらもう一度口を開いた。
「5階も外れだ」
視線は、廊下から見える誰も居ない開けっぱなしの空き教室の天井。
カメラの部分が壊され、配線でぶら下がった無惨な監視カメラの姿があった。