新入生歓迎会するんだってよ
朝
鳥の鳴く声が聞こえ、意識が浮上する。
「んー、ぅ………あさ……」
目がぱっちり開く。頭も冴えてて驚くくらい目覚めがいい。それに目覚ましが鳴る前に起きるのは久々だ。少し嬉しい。
スマホを見ると目覚ましの設定時間より1時間も早く起きている。
昨日早めに寝たからか?
うつ伏せから息を漏らしながら伸びをして体を起こすと毛布がかかっていたことに気付いた。
……………………ん?あっ
「あ"〜〜〜……!」
がっくり項垂れた。
そうだ、そういや部屋の電気も消えてる。うつ伏せで寝落ちた記憶しかないからこれはあれだ、
惶しかいないよなぁ〜〜
……惶ってばマジオカンの中のオカン。
同室者がいるってこういう?
だらしない所が丸見えで恥ずかしい。が、しょうがない。切り替えてまだ温もりの残るベッドから降り洗面台に向かった。
ひたひたと廊下を歩く。裸足の為、足の裏から廊下の冷たさがダイレクトに伝わり寒さが這い上がってくる。
朝は廊下も空気も冷たい。まだ冬が微かに残っているような気がする。
寒いのは得意じゃないが、朝のこの寒さだけは嫌いじゃない。背筋が伸びる感じで。
顔を洗って歯磨きをして、鏡を見ながら適当に濡れた手で髪の毛を手櫛で直す。
今日もいつも通りの普通、だと信じてる顔だ。顔が良いのが多いここにいると普通の顔すら不細工に分類される気がしてつらい。にしても、
………………目つき悪……。
コンプレックスの目を手で触り、みょん、と中指で吊り上がった目尻を少し下げてみた。
………………妖怪………。
さっさと着替えて朝飯にするか!
パッと手を離して自室に向かう。足の裏の冷たさに耐えられなくなってきたのが正直なところ。
ブレザーだけ手に制服に着替えてリビングへ。ブレザーをソファーの背に放ってキッチンに向かう。
ちゃんと起きれた日の朝飯は野菜ジュースとパン。でも3割くらいの確率で睡眠欲に負けてギリギリまで寝てる。そん時は野菜ジュース飲んで終わり。
テレビを付けて食パンを2枚トースターにセットする。あ、音小さくしないと。音を下げて冷蔵庫から野菜ジュースを取り出す。
惶はどうすんだろ。
そもそも学校行くのか疑問に思ったが、昨日食堂で会ったのに気付き学校に行ってるだろうという事にした。から、一応寮出る15分前には声は掛けようと思う。ノックしてドアの前で聞いて返事なければ行かないってことに、しよう。
なんか、まだやっぱり距離感が難しい。
チンッと軽い音がなった。
椅子に座り表面が少し焦げた食パンにチューブ式のツナマヨを乗せながらニュースを聞き流す。今日も晴れ。昼から暖かいらしい。
いただきます。
そう心で呟きニュースを見ながらサクサク食べ進めていると時間が迫ってきた。ぼーっとしてた。最後の耳の部分を野菜ジュースで流し込んで軽く手を合わせる。
「んぐッ…ゴチソウサマ。」
もうそろそろ15分前だ。
テーブルを片付けてから惶の部屋の前に行き3回ノック。これで起きてたら世話ないんだけども。
「お、おはよー。もし学校行くならそろそろ起きといた方がいいと思うんだけど、どーします?」
間。
呻く声とがさごそとベッドで身動ぎする音が聞こえてきた。起きた、のか?
「……ぁ"ー……悪い、後で行く」
「そっかおっけーこっちこそ勝手にごめん。起こして」
やっぱやめとくべきだったか?しくったな。恥ずかしくなって少し早口に。じゃあ俺行くわと言おうとしたらドアの向こうからさっきより幾分かハッキリした声が聞こえた。
「…お前は朝飯食ったのか?」
「えっ、まぁ、うん」
何故に。
「じゃあ明日は一緒に食うから起こせ」
起こせって、一緒にって、ツッコミ所が多くないか
「…目覚ましは?」
「……。」
はいすみません口答えして!!!
「わ、分かった、とりあえず時間だし晩飯の時また話す」
「ああ。…行ってこい」
「い、ってきます…」
無意識に口が緩んでたせいで明るい声が出てしまった。恥ずかしい。恐らく兄弟を思い浮かべたんだろうが、ドア越しの声がちょっと優しくて照れる。
イイ声の破壊力たるや恐ろしいなマジで、ツイッター友達の、声優の夢女の気持ちがここで理解できるとは。
それと、ほんの少しだけ実家が懐かしくなった。
とそんな事考えてたらもう家出る5分前。小走りで自室からバッグを持ってリビングに戻り、ブレザーを着て玄関で忘れ物無いか確認。今日は2限が体育。体操服持ったな。よし。
小声でいってきまーすと言って外に出た。
あ、遠坂。
靴箱で発見。同室者とはどうやら一緒では無さそうだ。隣に行き上履きに履き替えながら話し掛ける。
「おはよーっす」
「ん?…柴君!おはよ〜、朝寒いねぇ」
「それな。でも昼からはあったかくなるってさ。ところで同室者は?」
「ああ、同室の人は忙しいみたいで朝早くから出てっちゃった」
「へぇ…?上野みたいに朝練とかかもなー」
「かもね〜。………。」
ボソッと何か言ったような気がして振り返るとニコッとされた。から同じく返しといた。謎に時々黒いんだよなぁ、遠坂。
ゴッッッ!!
脇腹に鋭い痛みが走る。
「いっっ……!?!!!」
いっっっっっってぇ!!!!!!
膝をついて崩れ落ちバッと振り返ると握り拳をつくった小森が心底見下した目でこっちを見ていた。え、なに、すげえ不機嫌そうなんだけど俺なんかした?
「邪魔。」
「先に!!口で!!言え!!!」
たった3文字を口に出すのを惜しむってどんだけ省エネだよ!!
ぷるぷるしてる俺を盛大に笑いながらも遠坂は支えてくれ教室に無事着いた。邪魔と殴ってきた小森もちゃんと後ろから着いて来てたのは謎。しかもずっと不機嫌。わけわからんやつだ。
教室に着いて数人の平凡仲間と挨拶を交わして席につきブレザーを椅子にかける。
基本的に教室は暖かい為俺はブレザー脱ぐ。だって肩周りとか動かし辛い。
じゃあなんで持ってくるんだっていうと、先生か風紀が門でブレザーを着てないと注意してくるからしゃーなし。
英語の先生は性格が悪いやら、古典のおじいちゃん先生の睡眠の呪文には気を付けろやらの授業に関しての予備知識を遠坂に話していると、朝練を終えた上野が登校してきた。
新学期早々朝練にチワワに大変だよな、お前って。教室に入った途端からの小森含めたチワワ達の熱烈な視線を軽く交わしこっちに。そのことを雑に弄っていつも通りの挨拶を交わした。
実は昨日の今日で顔を合わせるのは正直照れ臭かったが、そう思ってたのは俺だけのようで安心。なんて思っていると、上野が来るまで不機嫌アピールの目の形を正常に戻した小森が話し掛けてきた。何やら昨日は夜にも食堂で事件があったらしい。
激おこって事を踏まえるとこれは生徒会絡みだろうな……うーん、めんどく
「めんどくさいとか言ったらラリアットかますから」
「イウワケナイジャナイデスカー」
こわ。
何故わかった。
小森の鋭い目に怯えているとチャイムが鳴った。良いタイミング。分かってるじゃないか。
「……………………。」
「わぁデジャヴ。ごめん違うって、悪かった。昼休みに聞こう。だからお願い両手を見せてくれ」
「おれ今日体育だけを楽しみに来たニコッ」
「何するんだろうねぇ?」
鳥の鳴く声が聞こえ、意識が浮上する。
「んー、ぅ………あさ……」
目がぱっちり開く。頭も冴えてて驚くくらい目覚めがいい。それに目覚ましが鳴る前に起きるのは久々だ。少し嬉しい。
スマホを見ると目覚ましの設定時間より1時間も早く起きている。
昨日早めに寝たからか?
うつ伏せから息を漏らしながら伸びをして体を起こすと毛布がかかっていたことに気付いた。
……………………ん?あっ
「あ"〜〜〜……!」
がっくり項垂れた。
そうだ、そういや部屋の電気も消えてる。うつ伏せで寝落ちた記憶しかないからこれはあれだ、
惶しかいないよなぁ〜〜
……惶ってばマジオカンの中のオカン。
同室者がいるってこういう?
だらしない所が丸見えで恥ずかしい。が、しょうがない。切り替えてまだ温もりの残るベッドから降り洗面台に向かった。
ひたひたと廊下を歩く。裸足の為、足の裏から廊下の冷たさがダイレクトに伝わり寒さが這い上がってくる。
朝は廊下も空気も冷たい。まだ冬が微かに残っているような気がする。
寒いのは得意じゃないが、朝のこの寒さだけは嫌いじゃない。背筋が伸びる感じで。
顔を洗って歯磨きをして、鏡を見ながら適当に濡れた手で髪の毛を手櫛で直す。
今日もいつも通りの普通、だと信じてる顔だ。顔が良いのが多いここにいると普通の顔すら不細工に分類される気がしてつらい。にしても、
………………目つき悪……。
コンプレックスの目を手で触り、みょん、と中指で吊り上がった目尻を少し下げてみた。
………………妖怪………。
さっさと着替えて朝飯にするか!
パッと手を離して自室に向かう。足の裏の冷たさに耐えられなくなってきたのが正直なところ。
ブレザーだけ手に制服に着替えてリビングへ。ブレザーをソファーの背に放ってキッチンに向かう。
ちゃんと起きれた日の朝飯は野菜ジュースとパン。でも3割くらいの確率で睡眠欲に負けてギリギリまで寝てる。そん時は野菜ジュース飲んで終わり。
テレビを付けて食パンを2枚トースターにセットする。あ、音小さくしないと。音を下げて冷蔵庫から野菜ジュースを取り出す。
惶はどうすんだろ。
そもそも学校行くのか疑問に思ったが、昨日食堂で会ったのに気付き学校に行ってるだろうという事にした。から、一応寮出る15分前には声は掛けようと思う。ノックしてドアの前で聞いて返事なければ行かないってことに、しよう。
なんか、まだやっぱり距離感が難しい。
チンッと軽い音がなった。
椅子に座り表面が少し焦げた食パンにチューブ式のツナマヨを乗せながらニュースを聞き流す。今日も晴れ。昼から暖かいらしい。
いただきます。
そう心で呟きニュースを見ながらサクサク食べ進めていると時間が迫ってきた。ぼーっとしてた。最後の耳の部分を野菜ジュースで流し込んで軽く手を合わせる。
「んぐッ…ゴチソウサマ。」
もうそろそろ15分前だ。
テーブルを片付けてから惶の部屋の前に行き3回ノック。これで起きてたら世話ないんだけども。
「お、おはよー。もし学校行くならそろそろ起きといた方がいいと思うんだけど、どーします?」
間。
呻く声とがさごそとベッドで身動ぎする音が聞こえてきた。起きた、のか?
「……ぁ"ー……悪い、後で行く」
「そっかおっけーこっちこそ勝手にごめん。起こして」
やっぱやめとくべきだったか?しくったな。恥ずかしくなって少し早口に。じゃあ俺行くわと言おうとしたらドアの向こうからさっきより幾分かハッキリした声が聞こえた。
「…お前は朝飯食ったのか?」
「えっ、まぁ、うん」
何故に。
「じゃあ明日は一緒に食うから起こせ」
起こせって、一緒にって、ツッコミ所が多くないか
「…目覚ましは?」
「……。」
はいすみません口答えして!!!
「わ、分かった、とりあえず時間だし晩飯の時また話す」
「ああ。…行ってこい」
「い、ってきます…」
無意識に口が緩んでたせいで明るい声が出てしまった。恥ずかしい。恐らく兄弟を思い浮かべたんだろうが、ドア越しの声がちょっと優しくて照れる。
イイ声の破壊力たるや恐ろしいなマジで、ツイッター友達の、声優の夢女の気持ちがここで理解できるとは。
それと、ほんの少しだけ実家が懐かしくなった。
とそんな事考えてたらもう家出る5分前。小走りで自室からバッグを持ってリビングに戻り、ブレザーを着て玄関で忘れ物無いか確認。今日は2限が体育。体操服持ったな。よし。
小声でいってきまーすと言って外に出た。
あ、遠坂。
靴箱で発見。同室者とはどうやら一緒では無さそうだ。隣に行き上履きに履き替えながら話し掛ける。
「おはよーっす」
「ん?…柴君!おはよ〜、朝寒いねぇ」
「それな。でも昼からはあったかくなるってさ。ところで同室者は?」
「ああ、同室の人は忙しいみたいで朝早くから出てっちゃった」
「へぇ…?上野みたいに朝練とかかもなー」
「かもね〜。………。」
ボソッと何か言ったような気がして振り返るとニコッとされた。から同じく返しといた。謎に時々黒いんだよなぁ、遠坂。
ゴッッッ!!
脇腹に鋭い痛みが走る。
「いっっ……!?!!!」
いっっっっっってぇ!!!!!!
膝をついて崩れ落ちバッと振り返ると握り拳をつくった小森が心底見下した目でこっちを見ていた。え、なに、すげえ不機嫌そうなんだけど俺なんかした?
「邪魔。」
「先に!!口で!!言え!!!」
たった3文字を口に出すのを惜しむってどんだけ省エネだよ!!
ぷるぷるしてる俺を盛大に笑いながらも遠坂は支えてくれ教室に無事着いた。邪魔と殴ってきた小森もちゃんと後ろから着いて来てたのは謎。しかもずっと不機嫌。わけわからんやつだ。
教室に着いて数人の平凡仲間と挨拶を交わして席につきブレザーを椅子にかける。
基本的に教室は暖かい為俺はブレザー脱ぐ。だって肩周りとか動かし辛い。
じゃあなんで持ってくるんだっていうと、先生か風紀が門でブレザーを着てないと注意してくるからしゃーなし。
英語の先生は性格が悪いやら、古典のおじいちゃん先生の睡眠の呪文には気を付けろやらの授業に関しての予備知識を遠坂に話していると、朝練を終えた上野が登校してきた。
新学期早々朝練にチワワに大変だよな、お前って。教室に入った途端からの小森含めたチワワ達の熱烈な視線を軽く交わしこっちに。そのことを雑に弄っていつも通りの挨拶を交わした。
実は昨日の今日で顔を合わせるのは正直照れ臭かったが、そう思ってたのは俺だけのようで安心。なんて思っていると、上野が来るまで不機嫌アピールの目の形を正常に戻した小森が話し掛けてきた。何やら昨日は夜にも食堂で事件があったらしい。
激おこって事を踏まえるとこれは生徒会絡みだろうな……うーん、めんどく
「めんどくさいとか言ったらラリアットかますから」
「イウワケナイジャナイデスカー」
こわ。
何故わかった。
小森の鋭い目に怯えているとチャイムが鳴った。良いタイミング。分かってるじゃないか。
「……………………。」
「わぁデジャヴ。ごめん違うって、悪かった。昼休みに聞こう。だからお願い両手を見せてくれ」
「おれ今日体育だけを楽しみに来たニコッ」
「何するんだろうねぇ?」